●『上司になってはいけない人たち (PHPビジネス新書)』(本田 有明 著)より
聞く耳をもって人に接する態度を「積極的傾聴」という。
カウンセリングの用語だが、人は相手にきちんと聞いてもらったということだけで大きな精神的癒しを感じる。
カウンセラーにとって大切なのは、どんなアドバイスをするかより、まず相手の心に寄り添って話をていねいに聞くということだ。
これは職場の上司にも当てはまる。
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かつて筆者の上司に、部下の話を聞くのがひじょうに上手な人がいた。
ふだんは厳しい管理者だったが、部下が相談ごとに行くと必ず「ウェルカム」の姿勢を示してくれた。
どんなに忙しいときでも仕事の手を止め、お座りなさいと椅子を差し出す。
そして表情をやわらげて、正面からこちらの顔を見る。
「いまお邪魔してもよろしいでしょうか」
恐縮して尋ねると、その人はこう答えたものだ。
「ぼくにはいま、きみの話を聞くよりも重要な仕事はない。大いに話してください」
これにはまいった。
三〇年以上も昔のことだが、そのときの驚きと、ちょっとくすぐったいうれしさとは、いまでもはっきり憶えている。
自分がどんな相談をしたかは忘れたが、大きく目をひらき、こちらに身を乗り出すようにして応じてくれた上司の態度は、まさに「積極的傾聴」の見本だった。
自分も部下をもつ身になったら、こんな上司になろうと強く思ったものだ。
人前で上手に話せるようになるためには、それなりの時間と訓練を要する。
しかし上手に聞けるようになるのには、それほどの労力はいらない。
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いまこの相手の話を聞くこと以上に重要な仕事はないと考え――そう考えようと努力し、すがすがしい表情で耳を傾けること。
相手の立場に寄り添って、どこに共感できるかを考えながら、最後まで忍耐強く聞き続けること。
それが「積極的傾聴」にほかならない。
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【コメント】
台湾の元IT大臣である天才_オードリー・タンも、傾聴というキーワードをよく使っています。
共感し忍耐強く聞き続けるというのは、本当に才能だと思います。
自分のことで手一杯の人が殆どですから。
確かに上手に話すよりは訓練は不要です。
しかし、そうそう出来るものでもない。
そういえば、上手に話すための講座、セミナーとかはあるけれど、上手に聞くためのそれはあったっけ?
今年、自分の中にある注目ワードである「傾聴」。
このスキルは早々に身に着けないといけませんね。
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