●『クヨクヨしてしまう人のための「強い心」をつくる禅の教え (扶桑社BOOKS文庫)』(枡野 俊明 著)
こちらはちゃんと前を向いて歩いていたのに、スマホに見入っていた相手がぶつかってきた。
こちらに非はないわけですから、自分中心に考えたら、「謝るのは相手だろう」ということになります。
しかし、あえてここで相手を慮るのです。
「大丈夫ですか? おケガはありませんか?」
このひと言がマジックワードです。
相手にも自分に非があることはわかっています。
それなのに先に気遣いをみせてくれたとなったら、いくらなんでもいきり立つわけにはいきません。
「いえ、いえ、わたしのほうこそ注意を怠っていました。申し訳ありません。そちらは大丈夫でしたか?」
通常はこういう展開になります。
一触即発の事態が回避できるばかりか、双方ともなんだか心地よい気分にならないでしょうか。
人が示してくれる気遣いは、けっこう、心にしみ入るのです。
売り言葉に買い言葉とは天と地の差です。
じつは、この絶妙の対応も江戸しぐさの一つなのです。
「うかつあやまり」。
たとえば、相手に自分の足を踏まれたといったときも、「すみません。うかつでした」と先に謝ってしまうというふるまいです。
江戸っ子はすごい。
その庶民の知恵を、みなさんから実践していきませんか?
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【コメント】
感情の暴走を食い止め、互いが冷静になるためにとても良い手法ですね。
また、謙虚な姿勢をとる良い戒めでもあります。
しかし、上から目線で一方的に責めてくる人って世の中にはいます。
そういう人には、下手に出ていると、相手の要求はエスカレートします。
きっと、相手によるのでしょうね。
今回の手法は基本、「まともな人」を相手にしたものです。
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