2025年01月11日

自分の経験になるように本を読む

syutaitekidokusyo.JPG

●『頭が突然鋭くなる瞑想法 ― ブッダが悟りをひらいた人類最高の英知 (スマナサーラ長老クラシックス)』(アルボムッレ・スマナサーラ 著)より


何かを言われた瞬間に「ほんとうにそうか、そうではないか」とサッと自分で経験してみる。
その経験が大切なのです。


実際は、言葉はその経験につけられたもので、経験の後を追いかけて来たものなのです。
そのことをよく覚えておいてください。


------------


テキストに書いてあるのは、当然言葉です。
ということは、テキストもやはり何かの経験によってつくられた言葉の集合体であることには違いありません。


つまり、だれかが経験によって学んだこと、理解したことを言葉にしてテキストにしているのです。


ですから私たちは、そこにある経験は何かということを感じ取ればいいのです。
テキストを読むときも、言葉の裏には経験があるのだということを覚えておいてください。


-------------


よく一所懸命に難しい本を読んでいるのに、内容を質問するとまったくわかっていない人がいます。


本を読むときも、なるべく自分の経験になるように読むコツがあります。


どうするかというと、自分で書いた本を読んでいるつもりで読むのです。


私は学生たちに「まず主観的に読んでください」とよく言いました。
歴史の本を読むときでも、その時代に入ってしまって、イマジネーションを働かせながら読むのです。


-------------


おもしろい小説を読むときは、皆さんも自然にそうなっているでしょう。
本のなかに入り込んでしまって、自分が主人公になって、一気に読んでしまいます。
夜を徹して読んでもぜんぜん疲れないし、それどころかかえって楽しいのです。


その上に内容もすごくよく覚えています。
数学の本を読むときでも、哲学の本を読むときでも、そのような心の働きで読んでみてください。
それが主観的にテキストを読むことです。


--------------


ですから本を読むときは、まず「著者は何を言いたがっているのか」という主題を理解してください。


作者の言いたい結論は何かを見つけるのです。
言いたいことがわかってしまえば、あとはサーッと軽く読めてしまいます。
難しくて読みにくくても、いい本の場合は、作者が言いたがっている主題だけ覚えておけば役に立ちます。


それだけを覚えておくのなら、大した苦労はいりません。  
どの本にも、本の背後にいる人間が言いたがっている論理というものがあります。
そこを理解するのです。
それが理解できれば、ぜんぶ読むこともなくその本を読んだことになります。


※※※※※


【コメント】


本を主観的に読む。
本に書かれていることは、まるで自分が経験した内容であるかのように。


そういう読み方は、お金を払った価値以上の体験ができますね。


結局、生き方・働き方と同じく、自分軸を持って主体的な行動をするのと同じなのです。

Posted by kanzaki at 06:44
Old Topics