2025年01月19日

映画『機動戦士 Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』の感想〜庵野秀明やりやがったな(最大級の褒め言葉)

gquux.jpg

●機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 公式サイト


監督:鶴巻和哉
脚本:榎戸洋司、庵野秀明
声優:黒沢ともよ、石川由依、土屋神葉


【あらすじ】

「エヴァンゲリオン」シリーズのスタジオカラーと「ガンダム」シリーズを手がけるサンライズがタッグを組んだアニメ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」の劇場先行上映版。


日本テレビ系列で放送予定のテレビシリーズから一部話数を劇場上映用に再構築した。


宇宙に浮かぶスペース・コロニーで平穏に暮らしていた女子高生アマテ・ユズリハは、戦争難民の少女ニャアンと出会ったことで、非合法なモビルスーツ決闘競技「クランバトル」に巻き込まれる。


「マチュ」というエントリーネームでクランバトルに参加したアマテは、最新鋭モビルスーツ「GQuuuuuuX(ジークアクス)」を駆り、 苛烈なバトルに身を投じていく。


2025年製作/81分/G/日本
配給:東宝、バンダイナムコフィルムワークス
劇場公開日:2025年1月17日



※※※※※


【感想】


庵野秀明やりやがったな(最大級の褒め言葉)。


映画館に行きましたが、すでに主人公機のガンプラは売り切れていました。はい。
観客は、20代、30代の新劇場版エヴァ世代と、50代、60代のファーストガンダム世代が混在してました。
スクリーン1にて一日7回のえげつない上映数。



前半はファーストガンダムである一年戦争を描きます。
シャアがガンダムとホワイトベースを奪取します!


シャアが、赤い色に塗装したガンダム(+4機のビット(ファンネル)装備)に乗って活躍することで、戦局は大きく変化。
ついに、ジオン公国は連邦軍に勝利しました!
ゲーム等では、そういうIFストーリーはありますが、まさかTV版アニメでやるとは。


当然、一年戦争のキャラがかなり登場。
TV版本編でも引き続き登場しそうです。
個人的には、ガンキャノン系のモビルスーツに乗ってシャアと戦ったセイラさんが気になりますね。
アムロが活躍しない一年戦争で、その代わり活躍したのがセイラさんのようです。
きっと、TV版本編でも再登場するのでしょう。


ファーストガンダムの演出、セリフをオマージュしつつ、戦局が改変されていきます。
リファインされたガンダムやザク等は、アーマード・コアっぽい感じ。
後日、ガンプラが発売されるのでしょうね。


ガンダムがジオンに奪われたので、ジムは造られず、ガンキャノン系の弱いモビルスーツしか連邦は作れない。
ジオンもザクやドム程度で、ゲルググ等は作られない。
その代わり、ビグ・ザムが量産されているのは、ファーストガンダム世代にはニヤリとする改変ですよね。
(「ビグザムが量産の暁には、連邦なぞあっという間に叩いてみせるわ!」のセリフのパロディなんでしょう)


そして、ララアが出てこない代わりに、モビルアーマーブラウ・ブロに搭乗するシャリア・ブルが、シャアの相棒として活躍。
シャリアって、劇場版ガンダムには出てないのですよね。
TV版のみのキャラでしたが、ジークアクス本編では、今後も重要キャラとして出るみたいです。
シャリアを主要人物として起用したのが、いかにもスタジオカラーらしいなあと。


一年戦争終盤、シャアは戦闘中、謎のキラキラした光の中、ガンダムと共に行方不明になります。


ファーストガンダムとも、ジ・オリジンとも異なる一年戦争を最新技術で描きました。
これのおかげで、オッサン世代も、アナザーガンダムに対する抵抗感もなく鑑賞できたのではないでしょうか。


前半はまさに、「機動戦士 シン・ガンダム:新劇場版」でした。



結末が変わった後の世界で、本編が始まります。
未来なのですが、現在の日本・・・東京そのもの。


主人公の女の子・マチュがジークアクス、謎の男の子・シュウジは、一年戦争でシャアが乗っていた赤いガンダムに搭乗。
ペアで違法賭博バトルに挑みます。


戦争バトルではない(後にジオンと連邦で再戦しそう)ところは、「水星の魔女」風ですね。


ニュータイプの概念は、このジークアクスでもあります。
「キラキラ」と主人公たちが例える通り、キレイな精神世界です。
スタジオカラーの描くニュータイプ論が楽しみです。


ガンダムを操作するシュウジが、「ガンダムが戦えと言っている」、「ガンダムが●●と言っている」と良くいうのですが、これは何かの伏線?
(水星の魔女みたいに、ガンダムにシャアの魂が宿っているのか?)


戦争どころかモビルスーツの戦闘すら素人の主人公が、「キラキラ」を感じ、ジークアクスの本来の力を発揮して戦う。
噂では、髪の色からハマーン・カーン様のオマージュとも言われていますね。


映画最後の「クランバトル」という違法賭博バトルは、すごかった。
ジークアクスはヒートホーク、ガンダムはガンダムハンマーを使っての格闘戦。
やはり、ビーム兵器の撃ち合いより、格闘戦の方が熱く展開できますよね。
終盤、米津玄師さんの歌う主題歌が流れますが、その曲のかかり方の演出が本当に良かった。
バトルに主題歌がかかると、オッサン世代は嬉しいものです。


この作品、劇中のBGMと複数の歌が、とても印象的で良いのですよ。
華やかとも違う、混沌としたクールさ。


絵柄ともあいまって、私には「東京のアニメだ」と感じました。
センスとか世界観が、都会の東京。
東京って混沌として冷ややかな塊ですよね。
そういう感じって、TV版エヴァンゲリオンではじめて感じたのですが、やはりスタジオカラーはさすがですね。


キャラクターがかなりクセがあるので、観るまでは不安でした。
実際は問題ありませんでした。
「不思議の海のナディア」の頃のようなデザインと思えばよいのかなと。


こんなにハイクオリティなものをTV版で最後まで維持できるのか?
水星の魔女みたいに、1クールやって、半年後に1クールやるのかな?


この改変された一年戦争のあとの世界を早く堪能したいものです。

Posted by kanzaki at 20:06
Old Topics