●仕事の9割は数学思考でうまくいく(著:秋田洋和)より
【物事は「ザックリ」と考える】
物事を細かく分けるとキリがない
哲学者であり数学者でもあったデカルトは、 「困難なことはすべて扱うことができ、解決が必要な部分へと分割せよ」 という言葉を遺したそうです。
この言葉を知らなくても、仕事にせよなんにせよ、物事はなるべくシンプルにしたほうがわかりやすいことから、分割して考えたり、行動したりする人は多いでしょう。
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みなさんは、「分割する」とき、どんなふうにしていますか?
おそらくほとんどの人が、作業の種類ごとに分けているのではないでしょうか。
数学でいえば「場合分け」 にあたりますが、 分割する数が多ければ多いほど、処理量は増えていきます。
シンプルに簡略化するために分割した結果、処理量が増えるのでは本末転倒です。
仕事を分割する際は、「できる限りザックリと分ける」 ことです。
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あなたが部下の立場となる場合も同じです。
「大局観」 を意識して、伝えるべきことをまとめて、上司に報告しましょう。
大局観とは、物事の全体的な状況や成り行きを踏まえて、的確な形勢判断を行う能力のことです。
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個別のケースの共通点を見つけて、より大きな「くくり」 にし、上司が状況を把握するための報告をしましょう。
それができる部下を、上司は評価し、信頼します。
ザックリ分けることは、時に、相手のためになることも多いのです。
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【コメント】
部下が上司へ報告したり、役員へ稟議書をあげたりする機会は度々あります。
実際にその内容を聞いたり、読んだりしてみると、 「大局観」 を意識しておらず、些末な部分ばかりが細々と
説明しているものを見受けます。
(そのくせ肝心なこと、知りたいことが説明されていない)
そういう人は、「アウトラインプロセッサ」「アウトライナー」とか使わないのでしょうね。
コンピュータで文書のアウトライン構造(『全体の構造』)を定めてから、細部を編集していくために用いられる文書作成ソフトウェアや機能のことです。
これもいわば、「ザックリ分ける」「大局観」を意識したものです。
文書の全体構造を考えるという概念が無いと、つぎはぎだらけでよく分からないものになってしまいますよ。