2025年02月19日

世の中すべては「335」になる

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(この作品、気になります)

映画『少年と犬』公式サイト

●超文系人間のための 統計学トレーニング 「数字を読む力」が身につく25問 (著:斎藤 広達)より


▼新規開拓は「335」になる!?

ここでは、ある程度汎用的に使える「ファネル」について紹介しましょう。
それは、「335ファネル」です。


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※「ファネル」とは「漏斗」という意味。


ステップごとに案件数が絞られていく様子が、入り口が広く徐々に狭くなっていく漏斗の形と似ているため、この名前が付けられています。

できる営業パーソンは意識しているかいないかはともかく、「新規を取るにはあと 10 件はアプローチしないと」などと確率から逆算して活動を行っているものです。  
それを数値化して明確化したものがファネルなのです。


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(事例:アフリカ雑貨の輸入業をまったくゼロから始めた場合)


この人が始めようとしているアフリカ雑貨の輸入業は新規開拓営業になると思われます。
新規開拓営業は、すでに人間関係ができているルートセールスに比べ、当然ながら成功率が下がります。

訪問成功率( 30%) ×提案成功率( 30%) ×クロージング成功率( 50%) =商談成約率4・5%  


訪問して担当者と直接会い、具体的な提案をさせてもらえるようになるまでの確率が3割。
その提案が相手に刺さる確率がさらに3割。
そこまでいけば、あとはクロージングの成功率は5割くらいまで上がる。
そんなイメージです。  


成約率は約5%。


先ほどの「555ファネル」では 12・5%でしたから、だいぶ可能性が下がってしまいました。


●仕事に使える「555ファネル」の話


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実は、新規開拓にはその前に大きな壁が立ちはだかっています。
それが「アポイント」。


「335ファネル」は訪問したところからのスタートでしたが、まずは顧客を見つけ、会ってもらうまでがこの仕事の一番大変なところなのです。

この成功率を 10%、つまり 10 回アポイントを試みて1回会ってくれる、ということにしましょう。
すると、先ほどの計算式は以下のようになります。  


アポイント成功率( 10%) ×訪問成功率( 30%) ×提案成功率( 30%) ×クロージング成功率( 50%) =商談成約率0・45%  


成約率は実に0・5%。
まさに、200回アポイントを試みてやっと1件成約する、という数字です。
新規開拓営業はそれほど大変な仕事なのです。

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さて、この335ファネルですが、面白いことに世の中のさまざまなものが、この335ファネルのような数字になります。  


たとえば、小売店での販売、ネットでのダイレクト販売、通信販売などです。


まず、興味を持つ人が 30%くらいいて、その中で本当に欲しくなる人が 30%、実際に購入に踏み切る人が 50%、という具合です。  


どうでしょうか。「なんとなくそんなものかな」という気がしないでしょうか。


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【コメント】


「335ファネル」・・・・・・新規開拓の大変さを数字で見てしまうと、やはりそういう仕事はしたくないと思ってしまいますよね。


世の中の様々なことが、似たような数字になる。


よく聞くのが、「パレートの法則(2:8の法則)」。


「結果の80%は全体の20%の要素によって生み出されている」という法則です。
別名「80:20の法則」とも呼ばれます。


いつも着ている服の8割は、所持する服のうちの2割から選んでいる
1日を部屋で過ごすの時間の8割は、2割の場所で過ごしている
アプリを利用している80%のユーザーは、20%の機能しか使っていない
売上の8割近くが、2割の商品から生み出されている
企業が獲得する収益の80%は20%の顧客が生み出している


こういうのは、人間の心理に結びついているから、確率も似たような感じになるのでしょうね。

Posted by kanzaki at 06:57
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