2025年03月27日

「不安」という感情の肥大化

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●小さく分ければうまくいく: 「待ち時間」を宝に変える 身近な仕事改革のヒント 制約を愉しむシリーズ (著:森本繁生)より


このような不安の声は、実は現代社会の大きな特徴を表しています。
私は 20 年以上、企業研修やコンサルティングの現場でさまざまな組織の改革や改善に携わってきましたが、近年特に感じるのはこの「不安」という感情の肥大化 です。


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経営者や上級管理職の方々は、「よし、やってみよう!」「失敗してもいい、まずは試してみよう」という前向きな姿勢で改革に臨むことが多いのですが、実際に事を進める現場の社員の方々の間では、「失敗したらどうしよう……」とさまざまな不安が渦巻いているのです。

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私がお勧めする方法は、意外なほどシンプルです。
それは、 まず不安を「見える化」する ことから始めるというものです。


具体的には、付箋紙やあるいはホワイトボードなどを使って、感じている不安を具体的に書き出してみるのです。
パソコンやスマホもいいですが、できればノートや付箋など手触り感のあるアナログな方法で書いて一覧・共有できるのが理想です。

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興味深い現象が起きます。
不安を書き出して目に見える形にするだけで、その不安の半分くらいは自然と解消される ことが多いのです。
なぜこんなことが起きるのでしょうか?

私たちの頭の中で漠然と渦巻いていた不安が、具体的な課題として明確に認識されることで、「これなら対処できるかもしれない」という建設的な思考に変わっていくからです。


「幽霊の正体見たり、枯れ尾花」のように、はっきりと見えないものは不安を増大させますが、正体がはっきり見えると、「なーんだ、そんなことか!」と拍子抜けするような気持ちになり、安心感が増します。

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チームでその不安を共有することで、「そんなの大丈夫だよ」「こうすれば解決できるんじゃない?」という具体的な対策のアイデアが生まれてくることも少なくありません。

不安と向き合う際の重要なポイントが2つあります。


1.不安を具体的に書き出して、チームで共有する 漠然とした不安を具体的な形にすることで、対処可能な課題に変換できる チームで共有することで、新たな視点や解決策が生まれやすくなる


2. 重要な不安に「小さく分けて、不安も解消できるうまい方法は?」の問いを立てる 「AかBか」ではなく「AもBも」という発想に転換する 制約を逆手にとって、新たな価値を生み出すチャンスと捉える


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【コメント】


感じている不安を具体的に紙へ書き出してみる。


たくさんの本で書かれていることです。
それだけ有用だということなのでしょうね。


そして、それをやらない人がとても多いです。


打ち合わせでも、紙にメモを書かない人が多いですね。
パソコンの画面を広げ、たまにパチパチと、なにか打ち込んでいるだけ。


私は、音声の録音→チャットGPTで文字起こし&要約を自動化しています。
だから、パソコンをこれみよがしに広げているだけの人より記録量は圧倒的に多いです。


そういうところは機械に任せます。
私自身は、A3版の大きな方眼紙にメモをして考えていきます。


全記録は機械にやらせているから、私は本当に必要なメモと考えることに集中できます。
そのメモは、時系列にする必要もないし、その時に応じて、いろんなマトリクスを使うことが可能です。


そうやることで、漠然とした不安感から、実行できる現実的なことへ動くことができます。


不安感を打開策は、紙に書くことです。

Posted by kanzaki at 07:06
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