2024年05月08日

学問は心の処方箋

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●『超訳 ベーコン 未来をひらく言葉 エッセンシャル版 ディスカヴァークラシック文庫シリーズ』(佐藤けんいち 著)より


※フランシス・ベーコン (哲学者):
イギリスの哲学者です。 17世紀の科学革命を代表する人物の一人で、科学思想に大きな変革を促したといわれています。
イギリス国王ジェームズ1世の側近で、大法官まで務めました。
当時台頭してきた科学に強い関心を持ち、実験を用いた科学研究の重要性を説き、多くの著書を著しました。


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【学問は心の処方箋】


歴史は、人間を賢くする。
詩は、人間を多才にする。
数学は、頭脳を鋭敏にする。
自然哲学は、思考を深くする。
道徳哲学は、人間を重厚にする。
論理学(ロジック)と修辞学(レトリック)で、議論に強くなる

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心のなかの欠陥で、適切な学問によって取り除かれないようなものはない。
だから、気が散るようであれば、数学を研究するとよい。
証明問題を解く際には、ちょっとでも気が散漫になると、最初からやり直さないといけないからだ。


ものごとをさまざまな観点から検討し、一つの事項を証明し例証するのに、他の事項を持ち出すのが不得意なら、法律家の判例集を研究するといい。


このように、心の欠陥には、それぞれに学問の処方箋がある。

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【学びにはスキマ時間を活用する】


学問は、あまりにも多くの時間をくいすぎるという批判がある。
それに対してわたしはこう答えたい。


どれほど行動的で多忙な人であっても、仕事が超多忙になるときとそうでないときがあって、そのあいだにはスキマ時間がたくさんあるはずだ。


問題は、そういったスキマ時間をどう過ごすかにある。


快楽で過ごすか、あるいは研究して過ごすかの違いだ。
学問が仕事を追いやるなどと疑問に思う必要はまったくない。
むしろ、精神が怠惰になったり快楽にふけったりすることから守ってくれるのである。


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【コメント】


大人になってから大学で学び直す方がいます。
多くの方は生活がありますから、なかなかそういう決意はできません。
せいぜい、職務命令で受験する資格試験とかでしょうか。


必ずしも、学びを仕事や収入に直結する必要は無いのかなと思います。
学んだり読書することは、精神形成の成長のためにあると思うのです。
「貧しくとも心豊か」とはそういうものではないかなと。

Posted by kanzaki at 06:55
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