2024年07月04日

薫習

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●『比べず、とらわれず、生きる (PHP文庫)』(枡野 俊明 著)より


「薫習」という禅語があります。  


日本では昔から衣替えの習慣があります。  
冬に着ていた服を、春になれば仕舞い、春物の服を出してくる。
服を仕舞うときには、防虫剤としてお香を入れていました。
そのお香の香りが、仕舞っておいた服に移っている。  


本来、服には何の匂いもありません。
それが季節をまたぐうちに、とても良い香りを身にまとっているのです。

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美しい心をもつ人の近くにいれば、自然と自分の心も美しくなっていく。
邪な心をもち、悪行を重ねている人の傍にいれば、自分もまた悪いほうへと流されていく。  


人間とは互いに影響を受け合いながら生きているものです。  
お香の香りが服につくように、人間の心もまた、まわりに移っていきます。
であるからこそ、尊敬できる人の近くに身を置くことが大事なのです。

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みんなに慕われている人。
その人の傍に身を置いて、その人の言動をよく見ることです。  


きっとその人は努力をしている。
自分のことよりも先に、まわりの人のことを考えている。
細やかな気遣いを心がけ、相手の気持ちを慮っている。
何もせずに慕われる人などいません。


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【コメント】


若い頃は、尊敬できる人を見習うようにしていました。


いつの間にか歳を重ねてしまいました。
今度は自分が見習ってもらう立場。
そのためには努力が必要です。


その努力は静かに、静かに行う。
なるべく笑顔を絶やさず。
笑顔を曇りそうなら、その時はそっと人の輪から外れる。


まわりに良い影響を与えられるような人物になりたいですね。

Posted by kanzaki at 07:06
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