2022年11月21日

すずめの戸締まり〜主人公は締めたのは扉だけではありません

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●映画『すずめの戸締まり』公式サイト
https://suzume-tojimari-movie.jp/


監督・原作・脚本:新海誠
声:原菜乃華・松村北斗・深津絵里


『君の名は。』『天気の子』などの新海誠監督が、“災いの元となる扉”を閉めるために旅をする少女の姿を描いたアニメーション。


九州の田舎に暮らす女子高校生が扉を探す不思議な青年と出会い、災いをもたらす扉を閉めるために日本各地の廃虚へおもむく。


2022年製作/121分/日本



映画『すずめの戸締まり』予告◆11月11日(金)公開】


※※※


【感想】


「鬼滅の刃」以降、大ヒット間違いなしの作品は、1日にたくさんの上映をしてくれますね。
自分の都合に合わせやすくて助かります。
(おそらく、映像作品業界という形を維持できる末期に近づいているのでしょう)


今回の作品を含めて3作連続、地震等の災害「後」を取り扱った映画を観ました。


●映画『天間荘の三姉妹』の感想〜辛い思いをした人が前へ進む為の元気が出る作品
http://kanzaki.sub.jp/archives/005272.html


●映画『線は、僕を描く』〜4人の登場人物をよく描けた令和らしい作品
http://kanzaki.sub.jp/archives/005271.html


上記2作とも、残された者がどう生きたのか、これからどう生きるのかを描いています。


「すずめの戸締まり」は、表向きは「"災いの元となる扉"を閉める旅」を描いています。
それと同時に、震災で親を失った主人公が旅を経て、過去の辛い感情を閉める(語弊があるかもしれないけれど"受け入れる")という意味合いもあります。


時代も文化も成熟したせいか、単純な「恋愛モノ」は流行らないです。
そうすると次に来る人間関係は「家族モノ」。
そういうモノとは別軸で、職業モノ(警察・医者等)も定番ですよね。


そして最近は、10年以上が過ぎたせいか、震災を含む災害後を扱ったものが増えてきたように思います。
災害で被害にあった方は、今なお辛い思いをしているので、さすがに創り手側も丁寧にデリケートに取り扱っています。


辛い出来事を覆い隠すのではなく、後世の人に伝えていくというのも大切なことです。
例えば、広島・長崎のように。
新潟県ですと長岡が、花火大会を通じて伝えていますね。


TVドラマは、リアルタイムでその時代に生きている人へ、広く伝えるのに向いています。
映画の場合はその時だけでは無く、後世の人へも伝えやすく、長く観てもらえる可能性が高いです。



「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締り」と、約3年ごとにヒット作を確実に作っていくのが凄いですね。


改めて「君の名は。」の映像を観ると、やはり年月が経過した分、最新作は映像美も増し、人の動きもよりリアルになっています。


「君の名は。」は、普段はアニメを観ないような女性が何度も観るという現象が起きました。
TVを観ないような10代、20代もこぞって観に行きましたよね。
ファン向けグッズや円盤(ブルーレイ)に頼らず、一般の人に純粋に映画館で観てもらえるのって凄いです。


一般受けと言えば、宮崎駿監督作品は、どことなくヨーロッパ辺りの空気を感じさせます。
新海誠作品は、もろに「現代の日本」にプラス「和の伝統」のエッセンスを取り入れているように感じます。
本作はそこに、藤子・F・不二雄エッセンスも感じられました。
喋る猫や椅子のせいでしょうか?
現代の日本を舞台に不思議な現象を組み合わせ、マニアックにならず、確実にヒットを狙う職人気質。


多分、監督さんは日々、きちんと丁寧な生活をされているんじゃないかなあ。
普通の人の普通の生活、感情を理解している。


それ故、突拍子もないことをしないし、なるべく平易な言葉と動きを用います。
端折れるところは端折る。
芝居的な「名台詞」も用いない。


昭和や平成初期の作品だったら、主人公二人の男女の出会いは最悪な状況を作るでしょう。
そこから旅を通じ、少しずつ相手を理解し、やがて惹かれていく。
本作では、そういうことは端折っており、それはそれで現代的だなあと思いました。


この作品は、2023年になっても上映し続けるでしょう。
とても観やすく、あっという間の上映時間。
観て損はありません。

Posted by kanzaki at 06:45
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