2005年01月15日

エイリアンVSプレデター【萌え映画】

今年は「ターミナル」をしょっばなに観て、非常に満足していた訳ですが(ただし、ラストがちと弱い)、特撮サイト的にはやはり、アクション重視の映画も観ておかなければいけませんよね。義務。
そんな訳で、「エイリアンVSプレデター」を観てきました。

ALIEN VS. PREDATOR(AVP公式サイト)
http://www.avp-movie.com/ (USA)
http://www.foxjapan.com/movies/avp/ (JAPAN)

監督:ポール・W・S・アンダーソン (最近だと”バイオハザード”とか)
出演:サナ・ラッセン、ラウル・ボヴァ、ランス・ヘンリクセン、コリン・サルモン

ここから先、ネタバレを含みますのでご注意を。
この映画を観た人は「?」なシーンが幾つかあったと思いますが、そこら辺の解説サイトがありましたので、そちらをご覧ください。

FAQページ
http://concorde.hp.infoseek.co.jp/paul_filmo_avpfaq.htm

私は公開終了の前日(13日・木曜)に行きました。
シネコンで観たのですが、その中の一番奥の一番小さな劇場で見ました。
この日は、「ハウルの動く城」ですらガラガラ。
ましてや、AVPなんざ、閑古鳥すら鳴かない状況でした。
観客は、私達2人を含めて全部で6名。
しかも、スタッフスクロールが終わって館内に照明が灯った時には、私達しかいませんでした。
まあ、おかげでベストポジションの席でじっくりと観ることが出来まして、さながら巨額をつぎ込んだホームシアター気分を味わえましたよ。

この映画は、プレデターが成人になる儀式として、この地球にて飼育しておいたエイリアン達をやっつけると云うものです。
やっつければ、戦士として認められる。
つまり、本編にて戦っていた3人のプレデターは未成年。
映画「プレデター」「プレデター2」に登場した奴らより未熟な訳です。
だから、あっさりとエイリアンに殺される奴もいたのです。
この3人のプレデターですが、FAQによりますと、

●最後まで頑張ったプレデター
スカー・プレデター - ヘルメットと顔についた傷(スカー)が由来

●エイリアンと結構長く戦って負けたプレデター
ケルティック・プレデター - 古代ケルト族の戦士の兜のようなデザインのヘルメットを着けているから

●エイリアンに秒殺された噛ませプレデター
チョッパー・プレデター - 両腕についた長いトンファータイプの刃物で切り刻む(チョップ)はずだった

と云う名称があります。
その中のスカー・プレデターと、黒人女性のアレクサ(レックス)・ウッズが共闘し、ボスキャラのクィーン・エイリアンをやっつけるのが映画後半のストーリー。
レックスは 「エイリアン」の主人公リプリー女性隊員演じるシガニー・ウィーバーを彷彿させるものがあります。
プレデターって、おっかなくて残虐なイメージがありますが、実はそうでも無いのです。
彼らは、人間が鹿や猪を狩るのと同じように「狩り」をする種族。
誇り高き精神の持ち主でして、まず、非武装の人間や女・子供は殺しません。
劇中でも、チャールズ・ビショップ・ウェイランド(億万長者の社長)をスキャンしたら肺ガンで病魔に蝕まれているのを知ったので殺さずに背を向けました。
この社長が阿保な事に、背を向けたプレデターに攻撃をするから殺されましたが・・・。
演じるランス・ヘンリクセンは、「エイリアン2」のアンドロイド・ビショップ、「エイリアン3」のアンドロイド・ビショップIIを演じた俳優。
未来のお話である映画「エイリアン」シリーズのビショップは、このビショップ社長に似せて造られたと云う設定らしいですね。
ちゃんとAVPが、過去の作品とリンクしているのは面白いですよね。
しかも俳優さんも喜んで出演しているのが嬉しい。
プレデターは、そういう女子供を殺さないだけでなく、自分と互角、もしくは上の生物に戦士として敬意を表すし、自分が負けると分かると潔く自爆するサムライにも似た精神があります。
こうやって書くと、正義の味方っぽいですよね。

最後まで頑張ったスカー・プレデターは、本当にかっこ良かったですよ。
プレデター=悪者と云うイメージが払拭してしまうぐらです。
最近の海外のSFものは、人間以外はCGで造られたものばかりじゃないですか。
このプレデターには、ちゃんとスーツアクターが入ってアクションをしているんですよね。
防御スーツは光学迷彩機能が付いていて相手に気づかれずに忍び寄り、
シュピン!と伸び縮みする槍で相手を串刺し、
沢山の刃が付いた手裏剣のようなブーメランで相手を遠距離攻撃、
背中に装着するショルダーキャノンで広範囲の敵を一網打尽。
クィーン・エイリアンに向かって、大きくジャンプした後に身体をひねりながら槍を投げて突き刺すシーンは、必殺ライダーキック!並のカッコよさでした。
そうです、プレデターって、なんだか仮面ライダーみたいな存在でした。
実際、マスクをしているし。
格闘したり、武器を使ったりと、日本の特撮ヒーローに近いものがありました。

この戦いが成人になる為の儀式と云う事は、最後まで戦ったスカー・プレデターは、未成年。
それ故に、人間側の主人公レックスと共闘できる心があったんでしょうね。
まあそれを甘ちゃんと呼ぶ人もいるかもしれませんが私は好きです。
劇中、レックスの為に、エイリアンの頭部や尻尾を使い、盾と槍を作ってあげました。
それを作る前にジェスチャーで、エイリアンの甲殻は、エイリアンの吐き出す酸性の液体にも耐えられると云う事を伝えるシーンがありました。
エイリアンの液体(血?)をエイリアンの甲殻に垂らした後、同様にそれを床に垂らします。
「エイリアンの甲殻は溶けない。床は溶ける。わかる? わかる?」みたいな感じで伝えています。
それと同様に、左手に付いている機械がとても威力のある爆弾だとレックスに伝える際のジェスチャーは萌えました。

これな?
ピピッとおすねんな
そうするとな
ぼかんってバクハツするんや
わかるか?
そうそう、バクダンや
いい?うん、ほななげるで?
なげたらにげるんやで?

スカーがそんな感じに云っているように見えました(笑)
そんなスカーの萌え度は、小説版の方が更に上みたいです。
スカーとレックスの間で繰り広げられるコミュニケーションの一部。

・スカーがレックスより足が早くて、レックスが「もっとゆっくり走ってよ!」と云ったらゆっくりとペースを合わせて走る
(映画では、爆発したピラミッドから二人が並走して脱出していました。あの戦闘種族であるプレデターと同じスピードで走る事の出来るレックスは超人ですか??)

・エイリアンの死体でレックスを驚かせて笑うスカー

・レックスの為に映画版よりしっかりした鎧を造ってくれるスカー

・死んだセバスチャンから優しくレックスを引き離すスカー

・ピラミッドのコース取りも結局、レックスに折れるスカー

・レックスを爆風から守るように抱き締めるスカー

・レックスの手を引っ張って崩落から跳躍するスカー

・重くてレックスが持ち上げられない鎖を変わりに持ち上げて縛り付けるスカー

・・・・・・萌え〜!!

未成年のプレデターでからね、そんな可愛さが残っているのでしょう。
劇中、いつの間にやら、エイリアンがスカーの体内に入っていたのですが(映画の最後、死んだスカーの体内から、プレデターとエイリアンの混合種であるハイブリッド・チェストバスターが出てきた)、そんな事にも気づかない天然キャラ。
本当、プレデターを見る目が変わってしまいましたよ、私。

戦闘シーンも、やはりぶつかり合って格闘しているシーンが一番いいですね。
ケルティック・プレデターとエイリアンの長時間にも及ぶ戦闘シーンは燃えます。
やはり私は、等身大のヒーローが活躍する特撮が好きなので、こういうのが好きなんですわ。

ストーリーの大半は、遺跡であるピラミッドの中で進んでいきます。
閉鎖的な空間で、未知の生命体の脅威に怯えながら戦う人間たち。
これって、映画「エイリアン1」の宇宙船内部でのストーリー展開を彷彿とさせるものがありますね。
私は「タイハード1」とか「エイリアン1」みたいな限られた場所の中で、工夫して戦うストーリーって好きなんです。
だから、こういう舞台を造ってくれて嬉しかったです。
まあ、人間が智恵を絞って、この閉鎖的空間を逆に利用した戦いをしたりするのが無かったのが残念ですが・・・。
(ボスキャラであるクィーン・エイリアンが、その狭い空間・壁をガンガン身体をぶつけながら平気な顔で突進していくシーンは、さながら映画「ジュラシックパーク」のTレックスみたいで良かった)
人間側のストーリーが正直なところ、あまり練られていない感じはしました。
人間側のキャラの紹介パートである冒頭(ビショップ社長が、各分野のエキスパートを招集するシーン)で、ひょっとしたら後半のストーリーの伏線になるんじゃないかと思われるシーンが幾つかありました。

・デジタルカメラをフラッシュを焚いて何度も撮影する男
(この眩しいフラッシュが焚ける小道具が、後半、目くらましとかに使うのかと思った)

・コーラの王冠(?)をペンダントにして首から掛けている男
(死に別れた人との思い出の品か何かで、それをレックスに語ったり、お守り代わりに渡して、それがピンチを救ったり、何かしら泣かせる演出があるのかと思った)

何か他にも、各キャラの個性を出す為の台詞とか幾つも冒頭にあったのに、全く活かされていないんですよ。
こんなんだったら人間を一切登場させず、「機動武闘伝Gガンダム」のガンダムファイトの如く、エイリアンとプレデターのバトルロワイヤルだけをやってた方がいいんじゃない?と思いました。
後半、レックス以外の人間は死んでしまっているし、戦いに終始していて殆ど会話・台詞らしきものはありませんしね。
だったら徹底して、全編バトルでも良かったのかなと。

オープニングの人工衛星のシルエットが、クィーン・エイリアンに似ていたり、ラストで最強だと思われる新種のエイリアンが誕生したところでジ・エンドな所とか、なかなかテイスト的に好きなんですけれどね。
この映画は全体的に何となくなんですが、「日曜洋画劇場」でネタが無くなるとしょっちゅう「特攻野郎Aチーム」をやっていた時代・・・淀川さんが解説をしていた古き良き時代の映画っぽい感じなんですよね。
ツッコミどころは多いし、大味なんだけれど、何か憎めない映画・・・そんな感じです。

そんな訳で、ツッコミを入れるのは野暮なのですが、データベースとしてそんな部分を記載しておきます。

・ピラミッドからレックスとスカーが走って逃げている際、二人とも手ぶらだったはず。けれど、最後のクィーン・エイリアンとの闘いで、レックスが盾と槍(スカーが、エイリアンの甲殻で作ったもの)を持って戦っていた。どうやって、あの武器を持ってきたんだ?

・プレデターが担架で、死んだスカーを運ぶところ(担架を運ぶ際、何の説明も感情も無く運んでいたところが、かえって笑えた)

・アステカ暦がどうのこうのと云われるピラミッドなのに、「ショルダーキャノン」の入っている箱を開ける際、三つのダイヤルは西暦の年号を入力して開くところ(何故、ここだけ西暦?)

・時間や分の単位は10進法と関係ないのに「10進法に従って」ピラミッドが動くと云う解説

・100年ごとに地球上で、プレデターの成人になる為の儀式としてエイリアン達と派手に戦っているのだけれど、何で今まで人間達に気づかれなかったの?(人間は生贄としてエイリアン達に捧げられていたから、ジャングルの奥地の人達は知っていたのかな?)

・相手の体内をスキャンできるくせに、何でスカー・プレデターは、体内にいたハイブリッド・チェストバスターの存在に気づかないのか(天然ボケキャラだから?)

・レックスは最後、薄着で戦ってた訳ですが、プレデター達が宇宙へ帰った後、寒さのあまり凍死しちゃうんじゃないか? どうやって帰ったんだ?

色々とあったけれど、2大キャラクターがぶつかりあって戦っているシーンを観る事が出来たのは、非常に喜ばしい事です。
エイリアンとプレデターの闘いは、続編が出来そうな感じで終わらせているので、是非とも続けて欲しいです。
だって、エイリアンもプレデターも、各々の映画は続編が出来るに従って詰まらない話しになっていったじゃないですか。
そんな両作品がこういう形で、面白い作品として復活できたのですから。

DVDがレンタルされて、旧作価格100円程度になってからでいいので、是非、見てくださいね。

Posted by kanzaki at 2005年01月15日 17:50 | トラックバック (1)