2024年06月18日

最短の道は現実が教えてくれる

saitannomichi.JPG

●『超訳 ニーチェの言葉 エッセンシャル版 ディスカヴァークラシック文庫シリーズ』(フリードリヒ・ニーチェ, 白取春彦 著)より


フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(独: Friedrich Wilhelm Nietzsche, 1844年10月15日 - 1900年8月25日)は、ドイツ・プロイセン王国出身の思想家であり古典文献学者。


ーーーーーーーーーーー


【悪人には自己愛が足りない】


悪い人間には共通点があるのを知ってるかな。


悪人たちのその共通点とは、自分を憎んでいるということだ。


自分を憎んでいるから悪いことをするのだ。
悪事は自分を傷つけ、かつ罰することができるからだ。
だから、彼らは破滅への道を転がり続けていく。

ーーー

だから、悪人の不幸を自業自得だと傍観しているだけではよくない。
彼が自分自身を憎むのではなく、なんとかして愛することができるようわたしたちは努めようではないか。
そうでないと、悪は急速にはびこってしまう。
『曙光』


ーーーーーーーーーー


【後始末を忘れない】


建築家の道徳とは、家を建てたら足場をきれいに取り払っておくことだ。
園芸家の道徳は、枝を伐り終わったら落ちた枝や葉を掃除しておくことだ。


これと同じように、わたしたちも何かをなしたら、きちんと後始末をしなければならない。
そうして初めて着手した物事がようやく終わり、完成させたことになる。
『漂泊者とその影』


ーーーーーーーーーーー


【最短の道は現実が教えてくれる】


数学では、最短の道は始点と終点を直線で結んだ道だと教えてくれる。
しかし、現実における最短の道はそうではない。


昔の船乗りはこう教えてくれる。
「最もつごうよく吹いてきた風が、船の帆を脹らませて導かれた航路が最短の道だ」と。


これこそ、実際に物事をなしとげようとする場合に通用する最短の道理論だ。
頭で立てた計画通りに物事は運ばない。


現実の何かが、遠い道を最も近い道にしてくれる。
それが何かは前もってわからず、現実に踏み出したときにようやくわかってくるのだ。
『漂泊者とその影』


※※※※※


【コメント】


「最短の道は現実が教えてくれる」・・・納得です。


仕事で一番辛いのは、一番最初です。
本当に嫌。


目的はなにか。
それをするには、どんなタスクをすればよいのか。
それぞれ誰がすればよいのか。
いつまでにすればよいのか。


途方もないことにクラクラします。
まだ、地図も羅針盤もないからです。


実際にやってみないとわからない。
自分が動くことで、物事が少しずつ動いていく。


それは少しずつ地図を画くことです。
自分が進む方向も分かってくる。


本当に最初が怖い。
怖いけれど、それを払拭するには、自分が動くしかありません。

Posted by kanzaki at 2024年06月18日 07:04