●『ヘッセ 人生の言葉 〈エッセンシャル版〉』(白取春彦 著)より
※ヘルマン・カール・ヘッセ(Hermann Karl Hesse, 1877年7月2日 - 1962年8月9日)は、ドイツ生まれのスイスの作家。
主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者である。
第一次大戦中より絶対平和主義を唱え、のち、人間の内面性を追究しつつ、東洋思想にもひかれた。
1946年ノーベル文学賞受賞。
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あなたが本当の自分自身になるためにすべきことと、してはならないことがあります。
まずは、あなたの個性が持つ最良のものと最強のものを断固として認め、決して否定したり、ゆずったりしないことです。
そして、何があろうとも逃避しないこと。
向かってくる現実をできる限り回避するようなことは決してしないこと。
また、ふだんから心配しすぎないことです。
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誰にもいっさい従うな。
けれども、自分の中から出てくる声には従え。
その声が何を語りかけてくるかよく知っているというのなら、そのまま自分の道を歩めばいい。
その声が聞こえないというのなら、きみは自分の道を歩いていないという証拠だ。
「ツァラトゥストラの再来」
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【心の中に避難所を持て】
自分の心の奥深くに、誰もそこへ足を踏み入れることのできない静かな山小屋のような場所を用意しておきなさい。
そして、何か困ったことが起きたとき、決断をしなければいけないとき、自分の道を確かめなければならないとき、そこへと戻って本当の自分自身の心とゆっくりと言葉を交わしなさい。
そこはきみだけの秘密の避難所であり、きみが再び生まれ変わるたいせつな場所だ。
『シッダールタ』
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【何もかも肯定せよ】
何もかも肯定してみなさい。
すべてについて、これでいいのだと確信してみなさい。
そのときには、自分自身をも肯定するのが肝心です。
あなたは自信がなく、自分はどこかおかしいと疑っていますが、この風変わりなのが自分の本来の姿なのだと肯定すればいいのです。
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喜びは、今の自分を否定せず、今の自分をそのまま素直に認めることから生まれてくるのだよ。
だから、悩んでいても、悲しんでいても、そのことに自分が同意すれば自然に湧いてくるものなのだよ。
(書簡1922)
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【時間という観念は棄てて、今しなければならないことに集中せよ】
本当に自由になりたいのならば、ずっと頼りにしてきた魔法の杖を棄てなさい。
すなわち、時間という観念をさっぱりと棄てなさい。
それはもう過去のことだ、とか、まだ明日にならない、とか、もうこんなに時間を費やしてしまった、とか、こんな歳なのに、という考えを生む時間を真っ先に棄て去りなさい。
そして、自分が今しなければならないことにひたすら集中しなさい。
『クラインとヴァーグナー』
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【コメント】
肯定するとか、受け入れるというのは、今の時代ではものすごい決断のように思います。
「何もしない」というのが勝者で、その人から物事を押し付けられた人が敗者のような感じですから。
ただし時間が経過するにつれ、何もしない奴らとやり続けた人には、大きな実力の差が出ます。
アリとキリギリスみたいに。
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