監督:渡辺一貴
原作:荒木飛呂彦
脚本:小林靖子
出演:高橋一生、飯豊まりえ、井浦新
【あらすじ】
荒木飛呂彦の人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのスピンオフ「岸辺露伴は動かない」を高橋一生主演で実写化したテレビドラマの映画版第2作。
原作漫画「岸辺露伴は動かない」シリーズの最初の作品「懺悔室」を基に、映画オリジナルエピソードを加えながら、邦画初となる全編ベネチアロケで映画化した。
人気漫画家の岸辺露伴はベネチアの教会で、仮面をかぶった男の恐ろしい懺悔を聞く。
それは、かつて誤って浮浪者を殺した男がかけられた「幸せの絶頂を迎えた時に“絶望”を味わう」という呪いについての告白だった。
男は幸福から必死に逃れようとしてきたが、ある日無邪気に遊ぶ娘を見て「心からの幸せ」を感じてしまう。
その瞬間、死んだはずの浮浪者が現れ、男はある試練に挑むことになる。
そんな男の奇妙な告白にのめりこむ露伴は、相手の心や記憶を本にして読む特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を使用するが、やがて自身にも呪いが襲いかかっていることに気づく。
2025年製作/110分/G/日本
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2025年5月23日
映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』本予告60秒【5.23(金)公開】
※※※※※
【感想】
前回の劇場版は、残念な出来でした。
しかし、今回は面白かったです!
原作は読んでいません(先ほど買いました)。
その上での感想です。
やはりこのシリーズは、ゲストキャラを演じた役者たちの怪演が重要なんですよね。
前作はそういうキャラが不在でした。
今回は、大東駿介さん、井浦新さんが、「まんま、"ジョジョの奇妙な冒険"の世界観の人間」を演じていました。
顔の表情、体の動かし方。
特に井浦新さんは、悲しく辛い感情をとつとつと語る部分は、漫画からまんま出てきたかのようでした。
大東駿介さんがやった、ポップコーンのお菓子を高く舞い上げて、それを口でキャッチするゲーム。
それを3回連続で成功したら、娘を解放してもらえます。
この端から観たら「何してんの?」という事を心理戦を踏まえ本気でやっているのが、ジョジョ的でいいですねえ。
この時の大東駿介さん演じるキャラの心情と表情・言葉の乱れ方が秀逸です。
井浦新さん演じるキャラは、
「一番最高に幸せにならないよう、常に2番めの幸せにしておく」
「最高に幸せにならないよう、縁起の悪いことをあえてやる生活」
というヘンテコな心理のキャラが面白かったです。
井浦新さんは他のドラマだと、優しい真面目キャラが多いのですが、今回は一味違う。
興味深いのは、「メチャクチャな悪者」というわけではないこと。
「娘が一番最高に幸せになると、その反作用で自分が最悪な絶望感に陥る」のを阻止するため、娘の結婚を邪魔するというキャラ。
「絶対的な悪者のスタンド使い」ではない。
だから、このキャラを倒せばよいわけではない。
じゃあ、どうやってこの話しをまとめるのかが面白いところです。
原作があるとはいえ、さすが小林靖子さんの脚本!!!!
仮面ライダーや隊モノの特撮や、「進撃の巨人」のようなアニメまで担当し、摩訶不思議な設定をうまく人間ドラマとして描ける人です。
だから、この岸辺露伴シリーズとは相性がいい。
前作は、しょぼいセットが残念でした。
今回は、おそらくセットは無いのでは?
ベネチアの古い、まるで世界史に出てきそうな建物や景色の中での演技。
海外ロケは、特定の建物だけではなく、その場所で生活している人の息遣いがするような感じを「すべて」に表現すべきですよね。
今回はそういう意味でも良かったです。
建物は、広さと高さがあるところが多いのかも。
だから、足音やモノ・人の動きで出てくる音に、とても奥行きがあります。
そして、そういう音以外は静まり返っているから、余計に印象的な「音」を残します。
現代なのに、まるで昔のような雰囲気。
それがまた、岸辺露伴・・・・・・ジョジョ・ワールドを際立たせます。
唯一、残念だったのは、岸辺露伴先生の書斎が出てこなかったことかな。
オール海外ロケ故、それは仕方ありません。
また、TVシリーズや劇場版をやってほしいですね。
本当、前作と違って、多くの人に勧められる作品でした。
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Posted by kanzaki at 2025年05月25日 19:27日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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