2024年06月15日

映画『違国日記』の感想〜新垣結衣さんの素の感じが良い

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●公式サイト:映画『違国日記』


監督:瀬田なつき
原作:ヤマシタトモコ
脚本:瀬田なつき
出演:新垣結衣、早瀬憩

【あらすじ】

コミック誌「FEEL YOUNG」で2017年から2023年まで連載されたヤマシタトモコの同名漫画を映画化し、人見知りな女性小説家と人懐っこい姪の奇妙な共同生活を描いたヒューマンドラマ。

大嫌いだった姉を亡くした35歳の小説家・高代槙生は、姉の娘である15歳の田汲朝に無神経な言葉を吐く親族たちの態度に我慢ならず、朝を引き取ることに。
他人と一緒に暮らすことに戸惑う不器用な槙生を、親友の醍醐奈々や元恋人の笠町信吾が支えていく。
対照的な性格の槙生と朝は、なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに、家族とも異なるかけがえのない関係を築いていく。

2024年製作/139分/G/日本
配給:東京テアトル 、ショウゲート
劇場公開日:2024年6月7日



映画『違国日記』本予告《60秒》【2024年6月7日(金)公開】

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【感想】

新垣結衣さんが前作「正欲」辺りから、割りかし素の感じで演技をしていますよね。
無理して声を高くしないし、無理に笑顔にもならない。
本作では更に、その辺が濃くなったように思います。


新垣結衣さんの親友役で夏帆さんが登場。
過去にいろんな観た作品の中で、女友達同志の会話や雰囲気が一番しっくりはまっていた二人です。
引き取った姪も含めて3人で餃子を作るシーンや、3人で公演を歩いているシーン(井上陽水の「夢の中へ」を歌う)とかお気に入りです。


新垣結衣さんはある意味、男性みたいな感じでした。
髪の長い男の人のようで、ラフな私服でズボンに手を突っ込んでいる姿が似合っていました。
ぶっきらぼうというかクールな感じ。
対する親友役の夏帆さんは明るい。
けれど、2人は波長があっている。
両者とも現実にいそうだし、2人共本当にそんな感じなのかなあと思いました。

これはテレビドラマの方が良かったのでは。
結構、ぶつ切りで各エピソードが展開していくからです。
もう一人の主人公である女子高生の主人公は、感情もぶつ切りで、各エピソードごとにスイッチがオンオフ切り替わる感じ。
多分なのですが、原作は内容盛りだくさんで、そこからエピソードを引っ張ってきたからぶつ切り感があったのかなと。


映画でまとめるならば、もう少しラストは盛り上げてほしかったかなあ。
他の女子高生のエピソードにリソースを食い過ぎていたかな。
限られた時間の中で、2人の主人公以外に焦点をあてる時間はありません。


主人公二人はオープニングからラストまで、どちらも特に成長はないですよね。
無いからこそ良いのかも。
そういう作風なのでしょう。


普通、今まで接点のなかった2人が一緒に暮らす話しの場合、最初は互いがぶつかりあって喧嘩の連続、やがて心が通い始めるのが王道。
本作は割りかし最初から、2人はぶつかる感じでもないし、そこまで争うことも無かったので、カタルシス的なものはありません。


新垣結衣さんは、ドラマ「逃げ恥」のテンションより、「正欲」や本作ぐらいの感じがそれっぽいですよね。


男の出演陣のキャラは、今一つ理解できないというか機械的でした。
あんな男いねえよと。

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Posted by kanzaki at 2024年06月15日 05:34