●『真面目に生きると損をする (角川新書)』(池田 清彦 著)より
原因の一つは、人が自宅で死ななくなったことだ。
昔の人は自宅で、家族に看取られながら死んだ。
家族の中には小さな子供もいたに違いない。
今は、祖父母の臨終に孫を立ち合わせない親も増えた。
死は隠蔽すべき忌まわしい出来事で、なるべく考えないようにしましょうということなのだ。
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養老、隈の対談本で、隈研吾が
「20世紀の経済成長時代に建てられたマンションって、死が想定されていないつくりなんですよね」
と発言していて、なるほどねと思った。
この頃から、都市に住む若い世代の人々の間では、死はこの世の出来事ではなく、あの世の出来事になってしまったのである。
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【コメント】
自宅ではなく、セレモニーホールでお葬式をするのが当たり前になりました。
火葬場で簡単に済ませることも珍しくありません。
この30年でそのように変わったのだから、ここから30年後なんてもっと変わっているでしょう。
若い人がいない、働き手がいないのですから。
都心はお墓もなくなっているかも。
家族、親戚づきあいも希薄になった。
寿命はのびたけれど、超高齢になると身体的理由で出かけるのも難しいし、それ故、人付き合いも減る。
お見送りする人がいなくなるということ。
結婚しないで一人暮らしならば、住まいは簡素でいい。
モノも少ないでしょう(片付けできない人はゴミ屋敷になっているでしょうが)。
仏壇も無いでしょう。
故人を思い出せるものはスマホの中の画像や動画。
どんどん、「死」という概念が住まいから消えていく。
そして、最後に自分が消える。
そういうのが当たり前になるのかな。
働き方の中でも「死」という概念が薄れています。
大昔は定年が55歳でした。
今は、60歳定年が65歳定年に移行中です。
そんな中でも70歳まで雇用延長している人が多くなりました。
定年で老後をのんびり過ごすという概念もなくなりつつあります。
一生現役です。
どんどん、死に対する捉え方が変わっていく。
あなたの考えは変わってきていますか?
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