「主人公」という言葉があります。
今ではドラマや映画でよく使われる言葉ですが、これはもともとは禅の言葉なのです。
私たちが日常的に使っている意味とは少し違います。
禅でいうところの「主人公」とは、「本来の自分の姿そのもの」という意味を表わしています。
これを「本来の自己」と言います。
自分とはいったいどのような人間なのか。
自分が歩むべき道とはどこにあるのか。
考えてみれば、この「本来の自分(自己)」と出会うために、私たち禅僧は修行を続けている。それくらい本来の自分に出会うことは難しいことなのです。
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主人公になるか否かは、結局は、自らの心の持ち方次第だと思います。
今、与えられている環境の中で、一生懸命に自分に与えられた役割をこなしていく。
隣の道に気を取られることなく、今自分がやるべきことに、心を尽くしていく。
そんな気持ちで生きることこそが、人生の主人公になるということなのです。
「隣の芝は青い」といわれるように、人はついよそ見をしてしまいます。
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ときに自分が歩いている道が、どうしても合わないと感じることもあるでしょう。
どんなに努力しても歩きにくいと思うこともあります。
しかし、人生とは面白いもので、本当にその人に合わない道であれば、必ずその先には分かれ道が現われます。
その分かれ道に出会ったときに、立ち止まって考えればいい。
道が分かれることなく続いているときには、ともかく一生懸命に歩を進めることです。
今、あなたが歩いているその道を信じることです。
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【コメント】
「その人に合わない道であれば、必ずその先には分かれ道が現われる」というのは確かにそうかもしれません。
普段から特定のことに意識していると、眼の前に現れた事象と紐づけて考えるものですからね。
人生の終盤になると、そういうものも不要になるのかもしれません。
一日、一日、その日を生きることに集中し、「生き切る」ことにシフトしていくからです。
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