●『真面目に生きると損をする (角川新書)』(池田 清彦 著)より
無常を常に変えることは不可能であり、そのために頑張るのは疲れる。
無常に身を任せ、その日暮らしをするほうが楽だ。
人間以外の、すべての動物はそうやって生きている
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人は事故で死なない限り、病み衰えて死ぬ。
治る病気は治したほうがいいのはもちろんだが、老化に伴う大概の病気は治らない。
ダマシダマシ、病気と付き合って生きるほかはない。
私の知り合いで、老人になって、楽しく生きている人や、多少若い人でも、がんに侵されて明日をも知れない身になっても生き生きと生きている人は、その日暮らしに徹しているような気がする。
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未来はないのだから、未来のことや、人生の意味など考えても楽しいわけがないのだ。
本当は、若い人だって、何十年後かにはこの世にいないわけだから、将来のことはほどほどに考えればいいわけで、今を楽しく生きることを、最優先したほうがいいと思う。
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人が悩むのは、脳の妄想と現実が激しく乖離しているからだ。
現実のほうは、変えようがないのだから、悩みを解決しようと思ったら、妄想のほうをやめればいい。
そう簡単には行かないから、悩んでいるんだと言われると、返す言葉を探すのは難しいけれどね。
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【コメント】
人々の暮らしの中から、「死」を遠ざけるような社会システムになって随分経ちます。
私が幼い頃はまだ、自宅で葬式をすることが多かったです。
新潟市だと自宅葬儀の際、葬式饅頭を近所に振る舞う風習がありました。
そうすると、浮浪者がどこからともなく現れて饅頭をもらって消えていきました。
子どもたちの間でも話題の人でした。
その浮浪者は、その日暮らしに徹して生きていたのかもしれません。
社会や組織のシステムに組み込まれた生活じゃないのだから。
私は人生の意味を考えるとかそういう事はしません。
頭の中で考えているより、社会でいろんな人と接し、その中で自分の役割りをこなすほうがむしろ自分らしいからです。
これはこれで、その日暮らしとも言えます。
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