●『自らをマネジメントするドラッカー流「フィードバック」手帳』(井坂康志, フィードバック手帳研究会 著)より
※ピーター・ドラッカー:
東西冷戦の終結、高齢化社会の到来、知識社会への転換といった社会の根源的な変化をいち早く示した現代社会最高の哲人であるとともに、マネジメントの体系を確立し、「分権化」「自己目標管理」「民営化」「ベンチマーキング」「コアコンピタンス」などマネジメントスキルのほとんどを生み出したマネジメントの父である。
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【我慢せずに悪習を断ちきる】
「フィードバック」を日々継続していくうえで、大切なことがあります。
たとえば、がんばっているのに、なかなかうまくいかないことはありませんか。
あるいは、「フィードバック」をする時間が確保できなくなっていませんか。
それは、「現状をしっかり観察して、思い切って廃棄すべきものを見極めなさい」というメッセージと捉えるべきです。
断固たる決意で、廃棄物に埋もれた生活から脱却してください。
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日々になすべき量を間違えると、心身ともに疲労がたまっていき、がんばっているのに、いや、がんばるほどに成果は挙がらなくなっていきます。
がんばらなくてもできることを、がんばって行ってください。
我慢してはいけません。
心の警告には真摯に従い、やめてしまうべきです。
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なかなか一日の目標が達成しきれない、あるいは苦しみを感じることが多いようなら、それは適正な巡航速度を超えていると考えるべきでしょう。
そのときは、活動量を適正レベルにまで引き下げなければなりません。
成果が挙がらないもの、心理的抵抗感のあるものを、遠慮なく廃棄してください。
それはあなたにとって、逃げや負けを意味するものではありません。
適正な巡航速度を保つために、不可欠な決断なのです。
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守るものが少ない三〇歳くらいまでなら、何かにチャレンジして、自分がそれに向いていないことを知ることにも価値があります。
ポイントになるのは、一年間という期間です。
一年間やってみて成果が挙がらなかったことはあきらめてください。
そして二度と試さないでください。
ここで誤解しないでほしいのは、成果とは、あくまでも自分が立てた目標に対する成果のことです。
ですから、「一年で合格できない資格試験にチャレンジするな」というような話ではありません。
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どうしても踏ん切りがつかない場合は、こう考えることもできます。
いまゼロからはじめるかと自らに問うたとき、その答えが「NO」であれば廃棄の対象とする。
重要なのは、「せっかくがんばってきたから」「今までの苦労が無駄になる」という自分への言い訳を捨て去ることです。
こうした感情にとらわれて継続してしまうと、取り返しがつかないくらいにまで傷口が広がってしまいます。
なかなか廃棄の決断ができないという人は、廃棄しやすいものから検討していくのもいいでしょう。
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「そんなことは、うちの会社ではできない!」と叫びたい気持ちかもしれません。
しかし、ドラッカーならこう言うでしょう。
廃棄できるはずがないとあなたが強く思う活動、それこそが真っ先に廃棄すべきものである可能性が高い。
なすべきことを自分で決め、成果に責任を持つことはプロのプロたるゆえんです。
組織の同調圧力や惰性など、何の成果も保証してくれません。
創造性の発揮にとっても負担です。
これらを断固として廃棄するのは、プロとしての責務なのです。
あなたが管理職であれば、直ちに悪習の改善に着手してください。
管理職でなければ、それを上司に働きかけることが第一歩になります。
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【コメント】
「やないことToDo」というのは、「決断」が一番大変です。
やらないと決めても、不安が生まれますから。
自分自身だけの話しではなく、大勢の人が対象ならなおさらです。
上が決断してくれないと、なかなかやめられないものも多いです。
大きなものは実行が難しいです。
まずは身近なもので、失敗しても元に戻せるようなものから始めて、心を慣れさせるのが良いのかもしれません。
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