2004年11月08日

映画「いま、会いにゆきます」を観て【1】

雨の季節に訪れた、6週間の切ない奇蹟。
その愛は優しい雨のように心に降ってくる。
2004年10月30日〜 公開中

【公式サイト】
http://www.ima-ai.com/index.html

*ここから先はいつも通り、ネタバレ満載です。これから観に行く人は、観ない方が良いと思います。


先日、映画「いま、会いにゆきます」を観に行きました。
本当は、「隠し剣 鬼の爪」を観るつもりだったんです。
ところが二週目より、レイトショーが無くなったんですよ。
「隠し剣〜」の最終上映時間は、夜6時。
社会人が観たいと思う映画なのに、そういう人達が観られない時間設定に疑問。
そんな訳で急遽、別の映画を観ることになりました。
それが、「いま、会いにゆきます」。

「ハウルの動く城」などの大物が公開される直前と云う事で、大作系が無いこの時期。
私が観に行ったシネコン形式の映画館では、公開2週目より「いま、会いにゆきます」が、一番大きい館で上映されるようになりました。
既に興行収入は7億突破。
「黄泉がえり」の30億以上は確実です。
さすがに、セカチューの85億は難しいでしょうが、両方の作品を観た私としては、同じぐらいの興行収入でも良いと思いました。
そういやつい最近、主演の竹内結子さん関連の芸能ニュースが流れていましたね。


竹内結子、人気No1初栄冠 テレビタレントイメージ調査

女優・竹内結子(24)が、人気度NO1の座に輝いた。
ビデオリサーチが今夏に実施した人気度調査「第64回テレビタレントイメージ調査」の結果が4日、発表され、竹内は女性タレント編で前回の9位から初の1位。
今年6月に公開された「天国の本屋〜恋火」、現在公開中の「いま、会いにゆきます」など映画での活躍やJR西日本などのテレビCMが人気を後押ししたと見られる。
2位は久本雅美(44)と山口智子(40)が並んだ。


役者としては、松嶋菜々子さんのポジションに、竹内さんが上手く入り込んだ感じがします。
完璧な女性を演じるより、何かが欠けているのだけれど、それを補おうと努力しているような姿が似合う気がします。
年齢を重ねて、少し大人の魅力や自信も付いてきましたしね。
なんとなく、最近話題の「電車男」のヒロインと被るところもあって気になっていました。

関連記事:「電車男」、次は映画化?出版元にオファー殺到!
http://kanzaki.sub.jp/archives/000430.html

「隠し剣〜」が観られなかったという偶然、ここ最近、竹内さんに関する事を耳にしたり感じたりしていたという偶然・・・そこから観る事になった訳ですが、思いがけない宝物を発見したような気がしました。

この作品は、同じTBSが製作した「セカチュー」と比較される事が多いですよね。
どちらも純愛物語ですから。
けれどね、私はこの映画を純愛映画という枠だけで語れないと思います。
むしろ、主人公の澪(竹内さんの役)が、自分がこれから巻き起こる運命・・・それは必ずしも幸せとは限らない運命を受けとめ、20歳の時代に戻ってからも、しっかりと生きていく姿が凛々しいです。
ひまわり畑で、巧(夫)と再会し抱き合うシーンを最初に観たとき、雫の態度が凛々しくて、「やけに堂々としているなあ」と感じましたが、あれは未来を知っているからだったんですね。
何と云うか、聖母の気品が感じられました。

バカね。
大丈夫よ。
大丈夫、私達は。
私とあなたはずっと一緒なの。
そう決められているの。
たった一人の相手なのよ。
好きよ。

この時の竹内さんの演技は拍手ものです。

雫がタイムスリップして、巧(夫)・祐二(息子)と6週間を過ごし、そして過去に戻る・・・これだけならば、ありがちな設定だし、普通ならば、その別れのシーンで映画は幕を降ろしますよね。
しかし、この映画は違いました。
その後、「何故、この映画のタイトルが”いま、会いにゆきます”なのか?」が語られる怒涛のようなラッシュ映像には驚かされました。
映画の中で語られてきたシーンを別の視点・・・雫の目から見た映像が、どんどん流れます。
今まで、巧の視線で観ていた映像を、雫の視線から再度語られ、話しがどんどん立体的になり、様々な映像がリンクし合います。
それらを全て観て、遂に映画のタイトルの意味が分かるという、こういうスタイルの映画は久しぶり。
「シックスセンス」という映画が昔にありましたが、あれも最後の最後に、自分の方が死人だった事が分かりましたが、あの時の感覚に似ているなあ。
この映画って、何気に男性の見ている比率が、セカチューより高いらしいです。
実際に観にいった後、確かに男でも見ることが出来る恋愛映画だったなあって思いました。
雰囲気だけで進んでいく話しではなく、きちんとストーリーが展開し、しかもどんでん返しもある。
そして、主人公の運命を受け入れた上で、堂々とまっすぐ生きていこうとする姿勢が、男性から見ても共感できますもの。
男性は恋愛の部分よりも、こういう生きる姿勢の方に感情移入出来たんじゃないでしょうか。

続く。

次回の記事:映画「いま、会いにゆきます」を観て【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/000441.html

Posted by kanzaki at 2004年11月08日 12:17 | トラックバック (0)