2004年10月29日

「電車男」、次は映画化?出版元にオファー殺到!

今年の3月から5月にかけて、掲示板サイト2ちゃんねるで話題を呼んだ電車男のエピソードが本になって人気を集めているが、出版元の新潮社には映画化のオファーが殺到しているという。

「電車男」とは、生まれてから一度も彼女のいたことがなかったアキバ系のオタク青年(後の電車男)が、ある日電車の中で女性に絡んだ酔っぱらいを撃退したことから、恋が芽生えていく過程を記録した純愛ストーリー。
女性と接した経験が一切ない青年を、2ちゃんねるの住人たちが煽り、励まし、デートの指南をし、交際が発展していく様が、独特の臨場感や一体感とともに綴られている。
 
新潮社の「電車男」は10月22日の発売から、3日あまりですでに5刷、12万5000部を出荷したという。
また、同書の発売をアナウンスした9月上旬には映画化に関する問い合わせが入り始め、これまでに大手映画会社、テレビ局などから10本以上のオファーが届いているそうだ。
気になる映画化について、新潮社の編集担当者は「ようやく書店に並び始めたところで、映画化をするかしないかも含め、まだ何も決まっていない状態」と語っている。
いったいどんな形で映像化するのかを含め、行方の気になるプロジェクトである。

* * * * *

最近じゃ純愛ものと云えば、韓国ドラマにお株を奪われてしまいましたね。
そういや国内だと、「世界の中心で愛を叫ぶ」ってのがありましたっけ。
現実の世界じゃ、なかなか純愛を貫きとおすのが難しいのは、誰もが分かっている事。
せめてフィクションの世界ぐらいは・・・という事でしょうか。
どんなメディアでもいいから、「純愛」とか「ピュア」という言葉は生き残りつづけて欲しいものですね。
(そういう意味では、ディズニーランドの存在も大切だと思う。行ったこと無いけれどorz)

今回紹介するのは、フィクションの世界でのお話しではありません。
現実にあったお話し。
世間一般の恋愛と違うのは、「2ちゃんねる」の住人たちがこの恋を応援し続けた事です・・・。

「電車男」のお話しは、2ちゃんねるの存在を知らない非PCユーザーの間でも知れ渡っています。
それは、女性誌とかでも紹介されたからでしょう。
実際に会社で、この本の事を女の子に話したら、ネットユーザーじゃない子達まで知っていました。
「電車男」というタイトルは、なんだか「痴漢」みたいと云ってましたけれど・・・。
もし、「書籍版の電車男」をお買いになられたければ、下記からどうぞ。

電車男(amazon)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104715018/qid=1099022760/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-1602814-2708300

とくに書籍代を払わなくても、ネットユーザーならば下記で読むことが出来ますよ。

電車男(2ちゃんねるの過去ログを編集したもの)
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Aquarius/7075/trainman.html

私は上記のサイトにある文章をDOC化して、クリエTH55というPDAで読んでいます。

実際に読んだのですが、これは面白いお話しですねえ。
ヲタクな青年(電車男くん)が、電車で酔っ払いに絡まれていた女性(エルメス子さん)を助けた事から始まった恋愛ストーリー。
ヲタクな電車男くんは、女性と付き合ったことの無い男の子です。
つまり、彼女いない歴=年齢。
そんな彼が、美人・高収入・かなり高貴な家柄・・・なのに、それを鼻にかけない清楚なエルメス子さんと、いかに距離を縮めるか。
電車男くんには知識も経験もありません。
けれど、彼には強い味方がいました。
それは、「2ちゃんねる」の住人!!
2ちゃんねるとは、いろんな内容を語り合う巨大掲示板群のこと。
世間では、特定の企業や人物をののしる場所、殺人犯行声明が書かれている場所などと、ダークな部分ばかり目立ちますが、そうでもないんですよ。
電車男くんの元にある日、エルメス子さんから、お礼のティーカップが送られてきました。
(そのカップがエルメス製だから、エルメス子さん)
それに対して動揺している電車男くん。
電話でお礼をしたらいいのか、手紙でお礼をしたらいいのか。
もし電話したとしても、女性と接する機会の少なかった電車男くんは、何を話したらいいか分かりません。
そこで2ちゃんねるの掲示板に、そこまでの経緯を書きましたところ、住人達からいろんなアドバイスをもらいました。
いろんな意見の中、電話をして相手と食事をする機会を作ったらどうかと云うアドバイスをもらいました。
更に、相手にどうやったら了解をもらえるかの智恵まで拝借。
この頃の電車男くんは、本当にドギマギ、オロオロと頼りない印象でした。
けれど、2ちゃんねるの住人達の後押しで、何と、食事に誘うことが出来たのです!

・・・しかし、ここで問題が!
秋葉原にばかり行っていたような電車男くんは、女性を食事に誘ったことなんて一度もなく、どこへ連れて行けば良いか、また、どんな格好で行けば良いかが分かりません。
そこで、2ちゃんねるの住人達は、こんなお店に連れて行ってはどうかと、お店紹介サイトのURLを教えてくれたり、服装や身なりについても丁寧に教えてくれました。
とてもヲタクには見えないヘアスタイル(床屋ではなく、美容室でカット)、有名どころの服を身にまとい、細かいエチケット等を頭に叩き込んで、いざ、エルメス子さんと逢いました。

結果は大成功。
何と、次回も逢える事になったのです!
そんな感じで、電車男くんとエルメス子さんの距離は、2ちゃんねるの住人達のおかげで、じょじょに縮まって行ったのです。
電車男くんは、恋愛が進展するにつれて、2ちゃんねるに書き込みする際の文章にも、何か自信のようなものが感じられるようになってきました。
電車男くんは、今回の事を通じ、人間的にもレベルアップしていったのです。

電車男くんの心には、エルメス子さんへの愛情で一杯になってきました。
そろそろ告白の時期です・・・。
そんなある日、エルメス子さんは、電車男くんを自分の家へ誘うのでした。
しかも、その日は自宅に両親がいないそうです!
さあ、電車男くんはどうするのやら。

そんな感じで進んでいく、デジタルメディアが融合した純愛ストーリーなのです。
2ちゃんねるの掲示板に書かれる電車男くんの文章が、非常に萌えるんですよねえ。
スレていないというか、純情というか。
そして、ちょっと年上のエルメス子さんの言動も萌える。
見ていて応援したくなる二人なのです。
だからこそ、2ちゃんねるの住人が後押ししたんでしょうね。

このお話しが書籍になり、大ヒットしてしまったのです。
2ちゃんねる、PC、インターネット等と関わり合いの無い人達にまで、そのストーリーの良さが認められたんですね。
そして何やら、映画化やテレビドラマ化の話しまで出てきました。
これはちょっと面白そうですよ。

映像化した際、どうやって2ちゃんねるの住人達の書き込みを表現するかが問題ですよね。
パソコンのディスプレイをカメラで撮影しても、臨場感はなかなか出ません。
2ちゃんねるの住人達のアドバイスで電車男くんが行動。
その結果を待つ住人。
(待っている間の「こんな展開になっているんだろうなあ」という妄想が爆笑もの)
電車男くんの報告に一喜一憂する住人。
そしてまたアドバイス。
これを映像化するには、どうしたら良いか?
私は、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」というオリジナルビデオアニメにヒントがあるような気がします。
「笑い男編」の中のエピソードの一つに、こんなのがありました。
世間を騒がせている笑い男について、ネットワーク(電脳)の世界で何人かが討論しているのです。
円卓に各人が座って話しています。
そして、その後ろに観客席があります。
円卓の人達の会話を聞く聴衆。
イメージとしては、この会場は「朝まで生テレビ」みたいなものです。
大きく違うのは、これがネットワーク上の擬似映像だということ。
2ちゃんねるの住人達の会話を映像化すると、こんな感じになるんじゃないかなあ。

もし映像化したら、やはり、演じる俳優・女優の選択が重要ですよね。
電車男を読めば分かるのですが、電車男くんは、「Every Little Thing」のギター担当のいっくんに似ているとか。
エルメス子さんは、ちょっと忘れました(当然、美人)。
私の中では、電車男くんは「成宮寛貴さん」、エルメス子さんは「竹内結子さん」が似合いそう。
成宮くんは普段はショートっぽいのですが、「TRICK」というドラマに出ていた時は、髪がお坊ちゃまな感じに長かったんですよ。
メガネをかけて、ちょっとモジモジした演技をすると、秋葉原にいそうな感じの人に出来上がり。
そして、2ちゃんねるの住人達の智恵で美容室でカットしてもらった後は、今のヘアスタイルにして、メガネを外せば(本物の電車男くんは、コンタクトにした)、そりゃもう、ギャップが激しくて映像として見栄えがいいですね!
成宮くんから見れば、ちょっとお姉さんな竹内結子さんは、エルメス子さんのような上品だけれど愛嬌があり、時には電車男くんをリードしてくれる(たまに天然ボケもかます)感じが、上手く映像として伝わりそうな女優さんです。
最近の竹内さんは、死んだ人が生き返るみたいな役ばかりだったので、ここは久しぶりに、普通の女性を演じて欲しいです。
なんかこの共演で映画化したら、めちゃくちゃヒットしそうですね。
今年のセカチューのように。

実は私も、途中までしか読んでいません。
週末に読破しようと思います。
この二人の結末がいかなるものか、非常に楽しみです。

余談ですが、本屋である母親に、「電車男を売ったらよいのでは」とアドバイスしておきましたよ。

Posted by kanzaki at 2004年10月29日 19:31 | トラックバック (0)