2008年05月07日

「相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」の感想(ネタバレ無し編)

連休中に「相棒」の劇場版を見に行ってきました。
この作品の感想を書きたいと思います。

●公式サイト「相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」
http://www.aibou-movie.jp/

ご存知かもしれませんが、興行成績で一位をとりました。

●映画興行成績:「相棒」、圧倒的強さで1位 コナン、クレしんも上位維持
http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20080506mog00m200008000c.html

3、4日の映画観客動員数は、人気テレビドラマの劇場版「相棒−劇場版−絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」(和泉聖治監督、1日公開)が1位だったことが6日、興行通信社の調べで分かった。 劇場版公開は「映画の日」の1日だったが、平日にもかかわらず初日から満席だった。配給元の東映によると、同社のこれまでの興行記録を持つ「男たちの大和 YAMATO」(05年12月公開)の51億1000万円を上回る勢いだという。

●『相棒−劇場版−』が1位! 5日間で興収12億円突破
http://www.oricon.co.jp/news/confidence/54356/full/

ゴールデンウィーク中の週末映画ランキング(興行通信社の調べ)が発表され、1日(木)に公開初日を迎えた『相棒−劇場版−』が、初登場で1位を獲得した。すでに5日(月)までの公開5日間で興収12億円を突破。客層は10代からシニアまで幅広く、集客の勢いも衰えていないことから、配給元である東映のこれまでの興行記録(『男たちの大和 YAMATO』(05年12月公開)の51億1000万円)を上回るのはほぼ間違いなさそうだ。

実は私、今までこの作品をテレビで見たことがありませんでした。
けれど、映画化するぐらいですから、きっと良い作品なんだろうなあと思いました。
しかし予備知識無しで、テレビドラマの劇場版を見るのは、あまりにもハードルが高すぎます。

ちょうど、5月3日の土曜ワイド劇場にて、「名コンビ誕生篇(視聴率20.6%)」が放送されました。
一番最初のエピソードです。
これが非常に面白かった。
放送開始20分ぐらいで、既に主人公二人のキャラがしっかりと表現されていました。
なんだか、「絶対にシリーズ化してやるぞ!」という気合を感じました。

新潟では毎日、この作品の再放送をオンエアしています。
一時間ドラマだけではなく、各シーズンのスペシャルまでオンエアしています。
それらを見たおかげで、大体のノリは分かりました。

ノリが分かると逆に、映画版のエピソードが気になりだしました。
劇場の大スクリーンに映し出されるからでしょうか、エキストラ1万人を使っての撮影等、かなりド派手な印象です。
東京マラソンをモチーフに、多くの警官、多くのランナー、多くの観衆を巻き込んでの事件。
「相棒」というよりも、「踊る大捜査線」に使われそうな内容だなあと感じました。
おそらく「相棒」のファンは、話しの派手さや制作費、豪華ゲストよりも、良質な脚本を求めているような気がします。
せっかくの良さを映画という媒体が打ち消してしまうのではないかと危惧しました。

実際に見てみますと、犯人が分かるまでが非常にスリリング。
一つずつのセンテンスを短めにして、非常にテンポがよく、あっという間に時間が過ぎていきました。
多くのキャラクターが登場しますが、それほど理解に苦しむような内容ではありませんでした。
基本的に、主人公である杉下 右京(水谷豊)、亀山 薫(寺脇康文)が画面の中心にいて、捜査に必要な人物、データ等が出たり入ったりします。
二人がその解説者として、我々に教えてくれるので、混乱するような事は余りありません。
ここら辺は、テレビで長年、シリーズとして培ってきた手腕のおかげなのでしょう。

意外と、テレビシリーズをそんなに知らなくても大丈夫でした。
性格が対照的な二人が難事件を解決するという形さえ知っていればいいのですから。
こういうスタイルのドラマとして思い起こすものと言えば、「マイアミ・バイス」、「刑事スタスキー&ハッチ」、「白バイ野郎ジョン&パンチ」等。
国内ですと、「あぶない刑事」、「噂の刑事トミーとマツ」でしょうか。
最近ですと、「ケータイ刑事」もある意味、コンビ物ですね。
よく考えてみれば、昔からある王道的なもの。
それ故に安心して見られるのかもしれません。

この劇場版が貢献したことは、私的には二つあります。

一つは、私のような今まで見たことが無かった人間が、テレビシリーズを見るきっかけとなった事です。
沢山のエピソードがありますから、これをきっかけに、ドップリと相棒ワールドに浸かることができますよ。
おかげで、今クールのドラマを見なくなりました。
だって「相棒」の方が面白いと感じるからです。

もう一つは、母親を映画館へ連れて行くことが出来たことです。
大した親孝行ではありませんが、そうそう親子して見たいと思える作品はありませんから、この「相棒」という作品には感謝です。
その時、Mサイズのドリンク2つとポップコーンのセットを買い、食べながら見ていました。
後で母親に聞いたら、映画館でポップコーンを食べたのは始めてとの事。
いつもは、Sサイズのドリンクだけで見ていたそうです。
ささいな事ではありますが、そういう経験をさせる事が出来て良かったです。
先日、弟から映画鑑賞用のプリペイドカードをプレゼントしてもらいました。
私の誕生日用です。
ユナイテッドシネマで上映している映画の鑑賞代や、館内でのファーストフードを購入できるプリペイドカードです。
今回、このカードを使ってチケットや食べ物を買いました。
兄弟で母親に対して、ささやかではありますが、親孝行が出来たかな(?)と思っています。
いろいろな折に、母へプレゼントをしていますが、今回の事が一番、自分の中では印象深いものとなりました。
母も喜んでいましたしね。

最後のエンドロールで気づいたのですが、VFX担当を「白組」が担当しているのですね。

●白組
http://www.shirogumi.co.jp/

●白組 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E7%B5%84

株式会社白組(しろぐみ)は、アニメーション・実写映画の企画・制作および特殊効果制作を主な事業内容とする日本の企業である。

wikiを見て知ったのですが、「相棒 season5」(第11話 バベルの塔) で担当したことがあるのですね。
ここの会社のコンピュータグラフィックスなどのVFXは、非常に精巧です。
最近ですと、「トミカヒーロー レスキューフォース」という特撮番組を担当しているのですが、東映の特撮番組「仮面ライダー」等より映像レベルが上だと思います。
CGで描いたレスキュー用の車両が、実際の道路の上を走る映像なんて、合成だという違和感がありません。

さてこの白組なのですが、今回の映画の中では、どこを担当したのでしょうかね?
爆発シーンは火薬を使っての撮影ですが、更に臨場感を溢れさせる為に、CGで加工したのかな?
それともマラソンが始まる前、飛行機雲を尾に引きながら滑空する飛行機のCGでしょうか?

今回の映画、随分と楽しませてもらったように思えるのですが、それでも腑に落ちない点が幾つかあります。
特に、犯人のキャラ設定です。
その点については、次回の「ネタバレあり編」で書きたいと思います。

●次回の記事:「相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」の感想(ネタバレあり編)
http://kanzaki.sub.jp/archives/001652.html

【関連記事】

●「相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」を観た感想(ネタバレ注意)【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002245.html

●「相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」を観た感想(ネタバレ注意)【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002247.html

●「徹子の部屋」にドラマ「相棒」の警視庁刑事部捜査一課(トリオ・ザ・捜一、三浦 信輔・伊丹 憲一・芹沢 慶二)の三人と鑑識課の米沢 守が登場(大谷亮介さん、川原和久さん、山中崇史さん、六角精児さん)【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002253.html

●「徹子の部屋」にドラマ「相棒」の警視庁刑事部捜査一課(トリオ・ザ・捜一、三浦 信輔・伊丹 憲一・芹沢 慶二)の三人と鑑識課の米沢 守が登場(大谷亮介さん、川原和久さん、山中崇史さん、六角精児さん)【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002254.html

●水谷豊さん in 徹子の部屋【1】〜ドラマ「相棒」の交代劇に関し、及川光博さんとの不仲説を否定
http://kanzaki.sub.jp/archives/002636.html

Posted by kanzaki at 2008年05月07日 21:53