●映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
https://www.spiderman-movie.jp/
今年最初の映画鑑賞は、洋画の特撮からスタートです。
人気作なので、休日の館内は混んでいました。
座席の前4列以外は、かなりのお客様で埋まっていたように思います。
今回のスパイダーマンは、『スパイダーマン:ホームカミング』(2016)と『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)に続く3部作の完結編です。
そして、2002年からスタートした『スパイダーマン』の3部作、2012年からスタートした『アメイジングスパイダーマン』の2部作を含む20年に渡るシリーズの総決算でもあります。
総決算という意味では、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』に近いかも。
※
スパイダーマンは、2000年初頭にスタートした最初のシリーズだけ観ました。
アメイジングシリーズと、本作ホームシリーズは観ていません。
その為、最初は作品の中で巻き起こっている内容についていけませんでした。
(前作『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』の直後からすぐ始まっている)
いきなり、大きなトラブルの中で話しが進み、みんな慌てて早口ですし。
それも最初だけで、意外と後は話しにすんなり入ることが出来ました。
私が観ていた頃のシリーズに登場した、懐かしいキャラ達が出てきて嬉しかったですよ。
日本で言うところの『仮面ライダーディケイド』や『仮面ライダージオウ』みたいな作品です。
ヒーローが存在する複数の並行世界をひとつにつなげたが故に巻き起こるストーリーです。
149分の中で、あれだけ沢山のキャラを詰め込み、一本に良くまとめたなあと感心します。
日本でお馴染みの、主役・仮面ライダー達が一堂に揃う手法は、アメコミの世界では「マルチバース」というらしいです。
『ドクター・ストレンジ』という魔術師ヒーローの能力によって、今回のお話しが成立しています。
私は知らないヒーローですが、本作の騒動のあとを描く作品が、春には公開予定です。
●マーベル映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」5月4日に公開決定!
https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1378950.html
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本作は「マルチバース」の他、「記憶」も重要な位置づけになっています。
そういや、仮面ライダーでも「記憶」が重要なヒーローがいました。
佐藤健さんが主演した『仮面ライダー電王』に出てくる「仮面ライダーゼロノス」です。
ゼロノスは「変身する度に誰かに忘れ去られていく」という設定でした。
仮面ライダーは第一作より「哀しみ」をテーマの中に含めています。
改造手術によって、怪人と同じ能力を身につけてしまった主人公の悲哀が描かれています。
一方、本作のスパイダーマンでは「憎しみ」を描いているように思いました。
主人公なのに「憎しみ」の感情を持つというのは、ある意味、ヒーローとしては失格です。
しかし、「大いなる力には大いなる責任が伴う」という過去シリーズから使われているこの名言を活かすのに、とても重要な要素だったと思います。
スパイダーマンはアメコミヒーローの中で、一番日本人に受け入れられていると思います。
チーム戦ではなく、孤高のヒーローなところも要因の一つなのかなと。
そういう意味では、本作は日本人にもぴったりハマる展開だと思いますよ。
(「マルチバースな展開なのに、なんで?」と思った人は是非鑑賞してください)
スパイダーマンは、主人公が高校3年生なので、判断・思考に甘いところがあります。
そのせいで今回、とんでもない方向に話しが展開しました。
大人なヒーローも良いですが、若いが故に失敗し、挫折し、再び立ち上がるという姿はいいものですね。
※
今回の作品は、過去の作品の集大成。
それゆえ、今まで登場した敵キャラクター(総称:ヴィラン)もたくさん出てきます。
そして、その敵たちを「殺す」のではなく「治療する」のが本作。
「治療?」と思うかもしれませんが、本編を観れば納得です。
たくさんの過去キャラを登場させ、うまく話しに組み込むナイスアイディアです。
ヒロイン「MJ」にも好感を持ちました。
ホームシリーズのMJは、主人公の恋愛対象というより友情関係の方が大きい感じがしました。
10代ですし、そのあいまいな部分が本当にちょうどいい。
主人公の男の子の友人を含めた3人の関係性・バランスがいいですねえ。
それゆえ、切ない展開への流れもうまい。
※
本作は本当にバランス感覚が良いです。
全世界の観客を満足させる工夫満載。
是非、ご覧ください。
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