2021年06月27日

映画『夏への扉 ―キミのいる未来へ―』の感想〜SFだけれど情緒があり、日本人の心に染みるサプライズなラストが待っています

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山賢人さん、清原果耶さん、藤木直人さん、原田泰造さん出演の映画「夏への扉」を観てきました。


●映画『夏への扉 ―キミのいる未来へ―』オフィシャルサイト
https://natsu-eno-tobira.com/



(映画『夏への扉 ―キミのいる未来へ―』本予告2 2021.6.25(FRI)ROADSHOW)



LiSA 『サプライズ』 -MUSiC CLiP-



●1957年、アメリカで刊行されたタイムトラベル小説の名作(日本は1958年)。
実写映画化は世界初です(舞台は、演劇集団キャラメルボックスが行いました)。


●1月に公開予定だったのですが、新型コロナウイルスの影響で延期されていました。
タイトルからして、今の時期の公開はあっているかも(劇中は寒い季節ですが)。


●監督は、三木孝浩さん。
さわやかな若い男女の物語を作らせたらナンバー1。
安定した作りをされるので、どの作品も安心して観ることができます。
タイムトラベルものは既に「ぼくは明日、昨日のきみとデートする(2016年)」でやっています。



●ある意味、SFの形を借りたバディものミステリーです。
シャーロックホームズは、主人公の天才科学者(山賢人さん)。
助手のワトソンは、ヒューマノイドロボット(藤木直人さん)。
2人が未来と過去で、この事件を解決してみせます。


●私は多分、山賢人さん主演映画をはじめて観たかも。
とても爽やかな好青年が似合う方ですね。
この映画の髪型だと、若い頃の窪塚洋介さんを彷彿とさせるルックスです。
天才科学者役と聞いて、キャラ的にどうなのかと思ったけれど、劇中だと納得できるのです。
主人公の生い立ちのせいなのかなあと思います。
この俳優さんは「ザ・主人公」ですね。
ルックスも良いのですが、アニメの声優のような綺麗な声も魅力でした。
トリッキーな役柄より、今回の作品みたいな情緒ある雰囲気の作品に、すんなりハマりますね。


●相棒役のヒューマノイドロボット「PETE(ピート)」を藤木直人さんが演じます。
このキャラが本当に良いのですよ。
この映画のMVPは、まさに彼です。
未来の世界の社会常識を知らない主人公をサポートします。
AIロボットなのに好奇心旺盛。
「めんどくせえ」とか言っちゃうし、漫画が大好き。
綺麗な女性型ロボットを見たら、口説いてしまう(フラれてものすごく落ち込む)。
主人公より見た目はずっと大人なのに、物凄く子供っぽく人間臭い。
だからこそ、本物の人間から好かれるキャラです。
彼の活躍なしには、この映画は語れません。


●逆に、同じ名前の「猫のピート」は、予告編ほどクローズアップされていません。
そこまで、重要でもない。
しかし、この猫さんの演技は、めちゃくちゃ上手。


●ヒロインは、現在の朝ドラの主人公を演じている、清原果耶さん。
今回の朝ドラの雰囲気が大好きで、毎日観ています。
清原さんも、本当にこの映画の雰囲気にあっていました。
最近、たくさんの映画に出ていますが、起用したい気持ちはとてもよく分かります。
ラストのサプライズで見せる表情は、「ザ・ヒロイン」です。


●主人公は天才だから、このタイムトラベルを使ったトリック(?)を難なく理解できます。
しかし、その天才でも解けないラストが待ち構えています。
主題歌の「サプライズ」は、まさにその名の通りでしたね。
なんて爽やかな映画なんだろう。
1957年発表の原作は、単にタイムトラベルモノを世に生み出しただけでなく、ちゃんと愛情物語になっており、これは確かに日本人の琴線に触れるわと感心しました。
そして、今の時代に作られたこの映画も、きちんと日本人の心に染みるように上手に出来ています。


●三木孝浩監督作品って、悪い人があまり出てきません。
この映画は珍しく悪役が登場します(しかも、とても分かりやすい)。
しかし、早々に退場。
敵の悪者が全然活躍せず、主人公側だけでこの事件を解決していく・展開していくというスタイルが、とても興味深いです。


●それゆえ、後半は敵がいなくて、どちらかというと「時間」との勝負になります。
だから、悪者が主人公の行動を邪魔するとか、アクシデントが発生しない。
ピンチになった時、主人公とその相棒が、とっさの判断で切り抜けるという展開ができません。
天才科学者とAIロボットという魅力的なバディものなので、また違った描き方もできたのかなあとも思いました。
そこがちょっと残念。


●予告編だと、原田泰造さんは「悪役?」と思ったのですが、ご安心ください。
めちゃくちゃいい人です。
優しさがにじみ出る俳優さんに相応しい役柄でした。
私の地元・新潟市を舞台にしたご当地映画「ミッドナイト・バス」の主人公役をしていただきました。
それ以来ファンです。


●山賢人さん主演なので、山崎製パン「ランチパック」を食べているシーンがありますので注目。
ランチパックは、ある意味、隠れキャラ。


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【三木孝浩監督作品】

●映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の感想〜SFですが、宮本輝さんの小説「錦繍」のような感覚。命や運命のせいにして生きるのではなく、過去を受け入れ、自分を受け入れ、お互いがそれぞれの道を前向きに生きるようになるストーリー
http://kanzaki.sub.jp/archives/003765.html


●【100点満点】映画「坂道のアポロン」を観た感想〜今の時代、観る者の心を傷つけない作品は貴重です。三木孝浩監督は、新しい時代の大林宣彦監督になりえると思う
http://kanzaki.sub.jp/archives/004028.html


●映画「きみの瞳が問いかけている(吉高由里子さん、横浜流星さん、三木孝浩監督の舞台挨拶あり)」を観てきた感想
http://kanzaki.sub.jp/archives/004700.html


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【原田泰造さん主演映画】


●映画「ミッドナイト・バス(原田泰造さん主演)」を撮影地・新潟市民が観た感想〜この映画の真のテーマは「気づき」だと思います
http://kanzaki.sub.jp/archives/004002.html

Posted by kanzaki at 2021年06月27日 20:58