●映画「坂道のアポロン」公式サイト
http://www.apollon-movie.com/
監督:三木孝浩
原作:小玉ユキ『坂道のアポロン』
出演者:知念侑李(Hey! Say! JUMP)、中川大志、小松菜奈
主題歌:小田和正「坂道を上って」
「坂道のアポロン」予告編
神崎の満足度:★★★★★(100点満点)
・学生時代の経験が、大人になってからの職業につながる人が、本当にうらやましい。
そう感じる人ならば、この映画はぴったりです。
・観る者の心を傷つけない作品は貴重です。
・映画を観終わった後も、ずっとその映画について考える時間が好きです。
この映画がまさにそうでした。
最近、そういう作品があまり無かったら、すごくうれしいです。
・この映画監督・三木孝浩さんは、新しい時代の大林宣彦監督になりえるんじゃないでしょうか。
少なくとも、私はそう思っています。
・主役3人の登場バランスが非常にいい。
誰一人かけてもダメ。
きっと、原作が良いからなのでしょう。
けれど、この3人の若い俳優たちのバランスというか、本人達が持つ空気みたいなものも、それに貢献していると思います。
・年代設定が1966〜1976年。
そのせいなのか、観客のほとんどが40代〜60代ぐらいでした。
若い人にも、この現代文学的な雰囲気はハマると思います。
・1970年代生まれの私ですが、自分の記憶にある昔の光景を上手に再現しているなあと思いました。
・私は、原作もアニメも未見です。
おそらくこの映画では描かれなかったエピソードもあるのでしょう。
けれど学園祭にて、西見 薫と川渕 千太郎のジャズセッションを最大の盛り上げとした構成としては、非常にうまいエピソード配分ではないでしょうか。
・学園祭で薫がピアノを弾き、そこに千太郎がドラムを乗せてセッションする。
友情を取り戻すあのシーンは、本当に素直に泣けました。
制作陣が予想した以上に、この2人の俳優が名演したのではないでしょうか。
あれは、脚本とか演出とかを超えたものを感じました。
・私の好きな映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の監督・三木孝浩さんと、その映画のヒロン・小松菜奈さんが出ている本作品。
小松菜奈さんの作品は、ほとんどブルーレイで持っています。
今回の映画もそうですが、小松菜奈さんを世界で最も魅力的に撮れる監督さんだと思います。
そして、ちょっと昔の日本だったり、現代でも、ちょっとレトロな感じの地方を「綺麗に」表現できる方です。
私は、エログロや精神的にキツイもの、人の嫌な部分をわざわざお金を払って観たくはありません。
だから、三木さんが描く「人間性善説」的な表現が好きです。
・主役の3人ですが、小松菜奈さんは知っていますが、知念侑李さんと中川大志さんを私は知りません。
この映画の原作もアニメも知りません。
かえってそれが良かったのかもしれません。
「原作との間違い探し」みたいな無駄な労力をせず、純粋に楽しめました。
・中川大志さんは、「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の福士蒼汰さんにどことなく似ている気がしました。
・近年は、10代向けの胸キュンラブストーリー(死語)のようなものが多いです。
しかしこの作品は、そういうものとは違いました。
大人が鑑賞できる作品です。
むしろ、年配の方のほうが、この世界観にハマるかも。
・レコード屋の地下にある、演奏できる部屋が、秘密基地みたいでうらやましい。
学生時代、こんな場所があったら良かったなあ・・・。
・授業中、薫が机をピアノの鍵盤をたたくようにリズムをとると、後ろの席の千太郎が鉛筆でドラムをたたくように鳴らす。
性格が間逆な二人が、いつの間にやら息が合う最初のシーンが印象的です。
・小松菜奈さん演じる律子は、「ドラえもん」に登場するしずかちゃんみたいな存在。
大人っぽく、純粋でやさしい感じが映像として表現されていました。
確かに、私の知っているクリスチャンの女性はこういう感じ。
・小田和正さんが歌う主題歌「坂道を上って」もいいですね。
小田さんがテーマ曲に起用された作品は、もうそれだけでワンランク上の作品に感じます。
・テレビドラマは、刑事や医者などの職業ものが人気です。
そういうプロフェッショナルな活躍ものも好きです。
けれど、未熟な若者が一生懸命になって、「今」を生きる姿はもっと好きです。
こういう素敵な映画が、こんな辛い時代でも生まれたことに感激しています。
※
5月25日、小松菜奈さん主演映画「恋は雨上がりのように」も公開されます。
小松さん、来年の日本アカデミー賞に、なにかしら受賞するといいですね。
●映画『恋は雨上がりのように』公式サイト
http://koiame-movie.com/
「恋は雨上がりのように」予告
●映画「恋は雨上がりのように(小松菜奈さん・大泉洋さん主演)」の感想〜人生の「再生」を描く根幹は小説「錦繍(著:宮本 輝)」、映画「ミッドナイト・バス(主演:原田泰造)」と共通していている
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