神崎のナナメ読み

リリー・フランキーさん

「笑っていいとも」を見ていたら、ゲストでリリー・フランキーさんが出演していました。
イラストレーター等、多方面で活躍をしている方です。
「ココリコミラクルタイプ」で、端っこに座っている人です。
ホームページもお持ちなので、ご覧になってくださいね。
http://www.lilyfranky.com/

私には全く縁の無い、変な名前のおっさんぐらいにしか感じてなかったのですが、タモリさんとの会話が面白くて好きになりました。

タモリさんが、イラストレーターを志した理由を聞いたら、
「当初から何も志しはなかったし、いまだに無いんですよ」
と答えていました。

続けてリリーさんは、
「春になって上京してきて、新宿とか凄いやる気満々の人達がたくさんいるじゃないですか。それもちょっと、どうかなあと思うんですよ」
と疑問を投げかけます。
「前向きという事が正しい事だと、誰も疑っていないんですけれど、もうちょっと後ろ向きに生きたらどうかと」

そうしたら、タモリさんも同意しまして
「僕もそう思っていたんですよ。やる気のある奴はこう、暑苦しいんですよね」
「俺、毎年、年頭の標語ってのがあったんですよ。８年ぐらい前は”やる気のある者は去れ”だった」
と返します。

タモリさん曰く、
「頑張りますって云って、真正面しか見てないんですよ。面白いモノってその横にあるのにね。あんなのが周りにいると暑苦しい」
と。
リリーさんも
「この季節は桜の下で、ヤル気全開でかなり暑苦しいです」
と同意。
続けて、
「だから、もうちょっとみんな頑張ってあきらめるとか。昔の恋愛とかを全力疾走で引きずってみるとか」
と、後ろ向きな事に頑張ってみたらどうかと提案します。
終わった事をグジュグジュと考えるの。

タモリさんは、夢を持つという言葉がお嫌いだそうです。
そんなもの、ある訳が無いと。
リリーさんも同意。
夢があるから不幸が出てくるんだ。
そんなモノを持たなきゃ、何も不幸が出てこないもの。
そんな感じで共感しあっていました。

リリーさんは最後に、
「若い人が正しい事を云いすぎると思うんです」
と提示。
「当たり前の事しか云わないじゃないですか。もっと間違った事をどんどんと云えばいいのに」
と。
「”親、友達は凄い大切だ”と大声で云うけれど、そんなの当たり前だって云うの」
「もっとこう、駄目な人とかを尊敬してみて、ちょっと自分の肥やしにしてみて」

タモリさんも調子に乗り、
「モットーとか云うのを聞くのが嫌だ」
と云います。
リリーさんも同意し、
「けれどモットーとかを軽々しく口にする男に限って、結構、モテたりするんですよね」
と。
飲み屋で、何でも無い事をもったいつけて云うと、女の子が「凄〜い、何か夢がある」と思われるそうです。
そんなのを横で飲みながら聞いていると気に食わないし、更にそれを聞いている女の子が自分のタイプだったりとすると、ますます腹が立つと観客を笑わせていました。

そして最後に、
「ここまで正しい方向に来ていますから、新しい運動を起こさないといけない・・・こう後ろに向かって行かないと」
と、締めました。

普通の人が社会でこんな事を全て発言していたら、とても生きていけないのは重々なのですが、聞いていると面白くて、その一言一言が耳に残りました。
反面教師。
大人なのに不真面目なオヤジってカワイイよね。