「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の庵野秀明監督の代表作のひとつ「ふしぎの海のナディア」が放送開始30周年となりました。
それを記念し、「ふしぎの海のナディア展」が開催されています。
●ふしぎの海のナディア展 放送開始30年記念
https://www.nadia-exhibition.com/
大阪、東京、新潟で開催。
(残念ながら、東京はコロナ禍で中止)
新潟は5月15日(土)から開催され、私は翌日に行ってきました。
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(下記は写真撮影可能な場所です)
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・展示は、初期企画書やキャラ創作から始まり、第1話から最終回までを順を追い、プロット・絵コンテ・セル画・動画・設定・裏話などを紹介したものとなっています。
そのボリュームは物凄く、現存するものをすべて公開しているんじゃないかと思うほどでした。
他のお客様が「1日じゃ見切れない」と言っていたほどです。
実際、ひとつの資料にしても物凄く見応えがあり、立ち止まる時間が他の同類展示会より長いです。
展示物の解説をナディアとジャンの声で行っていました。
(ヘッドフォンで聴くのではなく、各展示物の上の方から聴こえてくる)
・企画段階だと、ナディアもネモ船長も、アフリカ人っぽい感じでした。
ナディアの髪はチリヂリでした。
ノーチラス号のデザイン案の中には、アンモナイトの貝殻みたいな感じのものもありました。
ジャンは当初、メガネをかけていませんでした。
マリーは最初から、あのまんまでした。
・30年前ですから、CGを使っていません。
すべてセル画です。
実際に使われたセル画は、パソコンのモニターに収まらない感動があります。
通常、古いセル画は痛んで駄目になっていることが多いです。
ところが、ナディアのセル画は、つい最近描いたものかと思うほど綺麗です。
各キャラクター紹介の場所に置いてあったセル画に見ほれました。
・綺麗に残っている理由は、当時、セル画を日本のトレスマシンを使わず、韓国にてゼロックスで作業したからです。
ゼロックスだと、色と線が混ざらないので、綺麗なまま保てたのです(線は表面に印刷されるからだったと思うが記憶違いかも)。
当時、庵野監督は制作現場への指示として、トレスマシンは線が太くなるので細く描くが、ゼロックスだとそのまま線が細いので、太く描くように指示していました。
・庵野監督が書いた、本物の手書きプロット(各話のあらすじ)も展示されていました。
簡単に各話の流れを書いています。
学生みたいな文字でして、このプロットからあの物凄いアニメになっていくのかと驚きました。
・最終回のプロット案だと、その後、ナディアとマリ―は王国再建のためアフリカに残り、ジャンは祖国へ帰ります。
敵ガーゴイル達の技術の残りが、やがて第一次世界大戦で使われることになることが書かれていました。
・原画は、通常のサイズ以外に、縦や横に長いものもありました。
ノーチラス号は横に長く、それを流れるように撮影することで動いているように見せます。
・通常の原画は白い紙で、修正原稿は黄色いものを使われていました。
よって、黄色い紙に描かれたキャラは、とても綺麗でしたよ。
・エヴァンゲリオンにて、黒い背景に白い文字の演出がありましたよね。
あの演出は既に、ナディアの頃からありました。
0号と呼ばれる、このお話しの概要を説明した映像が上映されていました。
そこで使われた、黒い背景に白い文字のものも展示されていました。
あれは、手描きで黒くした用紙を板に貼った手のひらサイズのもの。
そこへ、黒い背景に白文字に印字したものを切り取り、貼り付けてあります。
それを撮影していました。
とてもアナログな手作りなものです。
・どの原画や設定画をみても、庵野さんの細かい指示が入っています。
現場の息づかいみたなものを感じさせる展示ばかりです。
庵野さんって、あの頃から天才なんだなあと再認識しました。
いきなり内容を変えたり、大幅な修正指示を出すことがあったそうで、現場は混乱。
しかし、その通りにやると、やはり良い出来栄えになったそうです。
そういった変更に対応できたスタッフも凄いですね。
・とても30年前なんて思えません。
今観ても、ちっとも色あせていない。
普遍性があるからなのでしょうか。
是非、多くの人に訪れて欲しい展示会でした。
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