2007年12月24日

超熟時代のヒット商品とは

今週で2007年もおしまいです。
あっという間でした。
1月に大阪へ行ったのが、つい先日の事のように思えるのですが、もう一年近く経ったんですね。

そういや各メディアにて「総決算」と称し、この一年を振り返っていますね。
まあ私には、どんだけ商品が発売されようが、そんなの関係ねー。
今年の私は、近年になく物欲が少ない一年でした。
全く新しいものを買い揃えたというのは殆どありませんでした。
以前ならば多くの額を投資していた電子機器の類は、電池や部品の交換などで延命させるような事が多く、全く新たに買い換えたのは携帯電話だけでした。
その携帯電話も、シンプルなストレート型。
なおかつ、0円。

唯一、一番お金を掛けたはずの自転車ですが、未だに納品になっておりません。
ネットであれこれ調べてみましたところ、私の予約した商品は、どうやら来年2月頃に納品になりそうです。

所有意欲を失い、書籍は図書館、DVDはレンタルで十分になりました。
「お店は、自分のコレクションを保管しておいてくれる場所」という感覚になり、わざわざ自分の部屋を狭くしてまで所有したいと思わなくなりました。

そういや、自動車も殆ど運転しなくなりました。
先日20日の日に給油したのですが、実に三ヶ月ぶりです。
自分の生活には、どうやらあまり自動車は必要ないみたいです。
少し前まで、連日の大雨だったのですが、その時はやはり自動車の方が楽だよなあとは思いましたが・・・。

そんな訳で、私のような人間が2007年のヒット商品を総論するのは変かもしれませんが、「日経ビジネス2007年12月10日号」を参照しながらお話ししたいと思います。

2007年のヒットランキングですが、日経ビジネス独自調査によりますと、以下のとおりです。

1.iPod touch、iPod nanoなど
2.ワンセグ携帯
3.Wii
4.アクオス
5.エコバッグ
6.電子マネー
7.ビリーズブートキャンプ
8.メガマック
9.カロリーオフ炭酸飲料
10.資生堂TSUBAKI
11.ニンテンドーDS
12.千の風になって
13.ホワイトプラン
14.ビエラ
15.おしりかじり虫
16.宮崎ブランド
17.YouTube、ニコニコ動画など
18.toto BIG
19.クリスピー・クリーム・ドーナツ
20.クロックス
以下50位まで掲載

記事では、直感に訴える魅力を持つ欧米発の商品やサービスが上位に並び、従来の延長線上にある商品は通用しないと書いております。

1位にありますiPod Touch。
取り扱い説明書は、5つ折りにした紙わずか一枚のみ。
しかし、ボタンは機器にひとつしかなく、あとは画面を文字どおりタッチしたり、なぞったりしていれば、直感的に操作が出来るようになっています。
携帯電話はボタンが多くて操作が面倒と、スティーブ・ジョブスCEOがタッチパネルを採用しました。
直感的、アナログ感覚が、iPodTouchをヒットにした要因の一つです。
来年はじめには、いわゆる「勝手アプリ(ユーザーが作ったプログラム)」をインストールして動かせるようになるので、往年のPDAユーザーにはますます注目のアイテムとなるでしょうね。
PDAというのは、人によって使い方が違います。
スケジュール表ひとつとっても、その表現方法・操作方法に好みが出てきます。
手のひらサイズゆえ、ぱっと取り出し、ぱっと行いたいもの。
その為、PDA(特にPalm OS)は独自の文化を築き上げてきました。
携帯電話と融合し、スマートフォンと呼ばれるようになった時代。
iPhone、iPod Touchは、新しい時代の小型デジタルガジェットの牽引者になることでしょう。

欧米発のヒット商品は、他にもあります。
一つは、エクササイズDVD「ビリーズブートキャンプ」。
深夜の時間帯のテレビショッピングをぼんやりとした頭で見ていると、脳内から変な汁が出て、非常にウケたものです。
まあ、あれを実際にこなせるだけの体力のある人が、日本中にどれだけいることやら。
続編の「ビリーズブートキャンプ エリート」もありますが、おそらくもう売れないでしょう。

マクドナルドの「メガマック」は、日本で生まれたものではありません。
本家の商品アイディアをそのまま流用したもの。
メタボとか健康とか気にする時代に、あえてアンチ商品を出すことでウケました。
あの見た目が直感的に、消費者の心を刺激しました。

ブートキャンプもメガマックも、いわば「ネタ」です。
話しのネタとして一度体験すれば良いだけ。
継続的な購入など、この日本ではありえません。
だから、今年でおしまいだと思います。
来年、同じようなものが出ても、最初のインパクトには勝てません。
でも、どちらも直感的に面白いと思わせるものだったところが注目すべきところ。
日本人の頭では、なかなか思いつきません。

男性香水化粧品「AXE(アックス)」のフレグランスボディースプレーは、発売半年で650万本を売りました。
世界80か国以上で販売されているそうですが、販売戦略は極めて単純。
「AXEをスプレーすれば女性にもてる」というメッセージの浸透です。
これで失敗した国は無いとのこと。
これまた、男のチンコへ直感的に理解できるものですね。

消費者の意識が変わりつつある現代。
モノがあふれ、成熟を通り過ぎ、超熟時代に入りました。
商品の高機能化・新技術だけではウケない時代らしい。

利便性を直感的に伝える商品力、マーケティング力が重要な時代。
任天堂のゲーム機「Wii」も、ヌンチャクリモコンによる直感的操作感覚でヒットしています。
反対に、既存の延長線上にあるプレステ3は低迷。

そんな訳で、来年は国内の商品についても、こういった直感的な利便性が伝わる商品が登場するのではないかと思います。

ただしですね、ヒット商品といいましても、企業の利益にどれだけ繋がるかは未知数です。
先ほども書きましたとおり、直感的な商品は「話しのネタ」にさえなれば、それで役割の殆どが果たされているので、継続的な売れ方は難しいからです。

景気が低迷し、消費欲旺盛な世代が、財布の紐をひきしめています。
若年層は、フリーター、派遣などの不安定な収入の人が増えています。
高齢の人達も、国の年金などがあてにならず、今後の生活を考えると浪費できません。
そして私のように、節約を通り越して、購入したり消費することに楽しみや生きがいを見出せない人間も現れています。

私は来年、今年と同じように、商品の購入は殆どないでしょう。
身辺整理して、所有するものも殆ど無くなりました。
そんな事をしていたら、最近は知識欲が増えてきました。
最近は参考書を片手に勉強するのが趣味です。
高校生レベルの学力すら無くなった私ですが、改めて一からやり直してみますと、非常に面白い。
また、知識は他人に分け与えても、自分の脳から減ることはありません(まあ、忘れることはありますが)。

そんな訳で、私にとって今年のヒット商品はありません。
無理やり上げれば、「モノを捨て、知識を得ること」です。
今年は「脳トレ」等が、昨年に続いて売れましたが、来年は更に具体的な知識欲を満たすことが流行るような気がします。
それは「●●検定」とかのお遊戯的なものではなく、もっと本格的なものだと思います。
果たして、この予想は当たるでしょうか?

Posted by kanzaki at 2007年12月24日 16:55