(劇中で何度も登場した映写室です。実際に使われている本物です。許可を得て撮影させていただきました)
※
【ロケ地の映画館で観てきました】
映画「シグナル〜月曜日のルカ〜」を観てきました。
しかも、ロケ地として使われた映画館「高田世界館」で鑑賞したのです。
この映画館は、明治四十四年(1911年)に出来て、現在101歳。
全国でも最古級の映画館として現役稼働中です。
何回かに分け、映画の感想やロケ地巡りを書きたいと思います(ネタバレ注意)。
第一回目は、映画の感想です。
(映画『シグナル〜月曜日のルカ〜』予告編 - YouTube)
●映画『シグナル〜月曜日のルカ〜』公式サイト
http://signal-movie.com/index.html
監督 谷口正晃
出演 三根梓/西島隆弘/白石隼也/おかやまはじめ/宮田早苗/梅沢昌代/緑友利恵/趣里/高良健吾/井上順/宇津井健
●高田世界館公式サイト
http://www.baba-law.jp/sekaikan/
・映画の撮影で使われた「高田世界館」の公式サイト
・この映画館で8月10日〜8月26日迄、「シグナル」を上映しています。
・8月11日には、三根梓さん、谷口監督による舞台挨拶があり、物凄い観客の数だったそうです。県外から三根さんファンもたくさん来たとか。
●「シグナル」の監督や三根さんらがトークショー : 上越タウンジャーナル
http://www.joetsutj.com/archives/51957519.html
(トークショーで語った言葉が、細かく掲載されています)
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(高田世界館の外観です。劇中の「銀映館」の名前を今も付けたままにしてあります)
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【映画のあらすじ】
この映画は、古い映画館「銀映館」で巻き起こる青春恋愛ミステリーです。
宮瀬恵介(西島隆弘)は東京の大学生。
夏休みを利用して地元へ戻り、この映画館へアルバイトにやって来ました。
そこには、映写技師長の杉本ルカ(三根梓)がいました。
感情を表に出すことがないミステリアスで美しい彼女。
ルカは3年前の事件をきっかけに、一歩も外へ出られなくなり、この映画館で暮らしているのです。
恵介はアルバイト採用条件として、支配人に3つの約束をさせられます。
1.技師長との恋愛は禁止。
2.月曜日、技師長は非常にナーバスになるので干渉しない事。
3.技師長の過去について質問してはいけない。
恵介によって、次第に笑顔を取り戻しはじめるルカ。
しかし、ルカの過去を知る男・ウルシダレイジ(高良健吾)の狂気が迫りくるのです・・・。
※
(高田世界館は、道路から奥まったところにあります。
一般宅と駐車場の間にある屋根付きの通路を歩いて行くと、映画館の入り口へたどり着きます。
通路には、明るい造花と風鈴が吊り下げられていました。
3年間、映画館から出ることのなかったルカが、この通路を駆けて行くシーンは印象的でした。
こういう構造だからこそ、あの演出が出来たのです)
※
【映画の感想】
この映画の魅力は若手俳優達の共演です。
【映画の感想1・三根 梓さんが初々しい】
杉本ルカ役を演じるのは、三根 梓(みね あずさ)さん。
non-noの専属モデルであり、早稲田大学政治経済学部の現役生です。
田中麗奈さん、香里奈さんが所属する芸能事務所・テンカラットのホープです。
演技初挑戦だそうですが、ミステリアスな主人公をしっかり演じていました。
恵介によって、次第に明るさを取り戻す様を全身であらわしていました。
主人公が再生していく過程の表情を見るだけで、この映画には価値があると思います。
谷口正晃監督は、「時をかける少女」で仲里依紗さん、「スノーフレーク」で桐谷美玲さんと、若手女優の魅力を最大限に引き出していました(神崎は、両作品ともDVDを持っています)。
ショートカットで目に力があり、観ている人達を魅了します。
「3年B組金八先生」にて性同一性障害の「鶴本直」を演じた頃の上戸彩さんを彷彿とさせます。
エヴァンゲリオンの綾波レイ的なキャラは、やはり魅力を感じますね。
キャラクター設定のおかげもあるのでしょうが、劇中の三根 梓さんは、「初々しい」「みずみずしい」という言葉がぴったりです。
こういう印象を残す女優さんは案外、滅多にいません。
キャリアを積み重ねて、演技レベルが向上したとしても、手に入れられるものではない魅力です。
こういう女優さんをクリエイターは放っておけない。
学業優先なので、昨年の夏休みを利用し、この映画の撮影をしたそうです。
メディアへの大量露出ならば、既に似たルックスで剛力彩芽さんがいます。
同じポジションに立つことはなく、卒業後は一般社会人として良識を保ち、たまに映画やドラマに出てくれればなあと思います。
きっと彼女の魅力は、観客と同じ目線に立っていると感じさせる所ですから。
※
(高田世界館の中です。
2階席もあります。
スクリーン手前は舞台になっています。
劇中、ウルシダレイジ(高良健吾)がこの舞台に立つシーンがあるのですが、その実際の場所で映画を観るのは、とても不思議な感覚でした。
館内後ろの二階部分に、映写室の窓が二つ見えますね。
私がこの映画を観たのは、劇中で西島さんが座っていたシートです)
※
【映画の感想2・西島隆弘さん演じる宮瀬恵介に好感を持てる】
もう一人の主人公・宮瀬恵介を演じたのは、AAAの西島隆弘さん。
西島さんファンは、彼が嫌いな食べ物である「きゅうり」を美味しく食べているシーンだけでも価値があるかもしれません(汗)。
この物語を大きく動かす重要な人物を演じていました。
女性的で端正な顔立ち、笑顔で物腰しの低いキャラは、彼にとてもマッチしていました。
時が昭和ならば、杉本ルカと宮瀬恵介の性別は、男女逆で描いていたと思う。
そうしないのは、見た目は草食系だけれど、人の人生を大きく前進させるだけの器を持ったキャラだから。
何か特別な才能がある訳でもないし、失敗ばかりしているキャラ。
けれど、相手を良い方向へ導く才能を持っています。
宮瀬恵介は、小学校の先生になるため編入試験の準備をしています。
子供たちを良い人生へ導く人になりたい為です。
そういう性格設定だから、劇中で二人の人生を良い方向へ軌道修正してあげます。
一人は、過去の事件によって映画館から出られなくなったルカ。
もう一人は、家族を捨てて出ていったのに、時折、妻からお金をせしめる駄目な自分の父親です。
決して恵介は強引な手で、相手を説得しません。
女性的な容姿、謙虚で少し引いた性格だからこそ、相手が聞く耳を徐々に持ち始めます。
味方なんだと認識してもらった上で、ゆっくり丁寧に相手を諭す。
特に、自分の父親を諭すシーンが良かったなあ。
恵介の母親が、旦那にお金を渡しているのは、渡さない事で外で犯罪をしないようにする為。
そういう優しい心につけこんじゃ駄目だと言うのです。
普通ならば説教臭くなりそうですが、演じた西島さんの容姿と、朴訥な話し方だからこそ、観ている人もすんなり受けいれられます。
現実の世界でも、人の心を動かせる人物って、俺様キャラでも、聖人君子でもないですよね。
カッコ悪いところや情けない所もあるけれど、誠実で相手を思う心優しい人です。
この映画の恵介というキャラは、普通に真面目に生活している人にとっての理想像かもしれません。
恵介の弟・宮瀬春人も良かった(この兄弟の描写も、理想的な兄弟像です)。
兄貴と違って背も高く体育会系。
母親思いで、兄貴との仲もいい。
兄貴とは別の爽やかさを持っています。
(原作の、女の子にモテモテで、取っ替え引っ替え設定が無くなったのは良い改変)
ただし、金をせしめに来る父親は大嫌いで、力ずくで追い返します。
力ずくだから、父親との問題をなかなか解決できない訳ですが、それも、母親を守る優しさからです。
春人もまた、観ている人に好感を持たれるキャラです。
そして、それを演じた白石隼也さんにも、観ている人は好感を持てると思いますよ。
ちなみに白石隼也さんは、9月から始まる「仮面ライダーウィザード」の主人公を演じますので、今後も目が離せません。
(【高画質】仮面ライダーウィザード 制作発表記者会見 - YouTube)
他にも、既に有名な若手実力俳優・西島隆弘さんなど、若手の各俳優の魅力を堪能出来る映画となっています。
この監督の得意分野です。
【続く】
●次回の記事: 三根 梓(みね あずさ)さん主演映画「シグナル〜月曜日のルカ〜」の感想〜ロケ地として使われた映画館「高田世界館(新潟県上越市)」で観てきたレポート【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002718.html
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