林遣都さん、小松菜奈さんが主演する映画「恋する寄生虫」を観ました。
●『恋する寄生虫』
https://koi-kiseichu.jp
林遣都×小松菜奈、W主演。
三秋縋の「恋する寄生虫」を原案とした映画化。
孤独を抱えた者同士の、切なくとも美しいラブストーリー。
映画『恋する寄生虫』予告編
※
極度の潔癖症から孤独に過ごす青年(アイテム:マスク)。
視線恐怖症で不登校の女子高生(アイテム:ヘッドフォン)。
誰かを好きになることなんて一生ないと思っていた孤独な二人。
その二人が、脳に寄生した「虫」によって「恋」という病に落ちていきます。
恋に落ちたのは「虫」のせいなのか?
それとも、「自分の心」のせいなのか?
もし、その「虫」が脳から取り去られた際、「恋」をしていた相手に対し、「恋」をし続けることができるだろうか?
これがこの映画の根幹です。
※
小松菜奈さんは撮影現場にて、「心が動くか、動かないか」ということを中心に考えていたそうです。
●小松菜奈:
「映画は人が描き出すものなので、自分を通したリアルを大切にしたかった。
ワンシーンごとに、いろいろ話しましたね」
林遣都さんも同じ姿勢です。
●林遣都:
「ずっと話していました、心について。
恋をしてしまうのは虫の仕業かもしれないという物語の設定に、僕はすごくファンタジーの要素を感じたのですが、登場人物は誰もが持つ人の弱い部分を抱えている人間ばかりで。
その部分への説得力は大切にしていかなければと考えました。
虫が心に寄生するという設定の前にあっても、変化していく心というものを、みんなで感じ合いながら、この映画をつくっていけたらなと」
林遣都さんと柿本ケンサク監督は、ラストシーンについてものすごく話し合い、当初案とは変わっているそうです。
●林遣都:
「今は物理的にも精神的にも、人との関係が遠くなってしまいがちですよね。
そのなかで誰かを頼ったり、自分の弱みを隠して一歩を踏み出そうとすると、どうしても無理が生じてきてしまう。
そんなに無理しなくてもいいんだよ、わかり合える大切な人に目を向けることが大事じゃないかなということを、僕はこの物語から痛切に感じたんです。
そんな想いを監督と語り合ったところから、あのラストシーンは生まれてきたと思います」
この撮影自体は、コロナ禍前なのだそうです。
林遣都さんは劇中、潔癖症のため、外出中はマスクをしています。
更に帽子をかぶり、手袋をし、コートで身を包んでいます。
これで、外の世界から自分を守っています。
コロナの為ではなく、あくまで精神的な防衛です。
今では日常当たり前の格好です。
本来は常にマスク等をしている事で、観ている人が「この人物は変わっているなあ」と思わせる効果があったことでしょう。
ところが2021年の今、劇場で鑑賞している人からしてみれば、林遣都さんの格好が当たり前で、他の登場人物たちの方がむしろおかしい恰好と感じてしまいます。
コロナ禍による、作り手が予想していなかったことですね。
コロナ禍での公開ということで、小松菜奈さんはこう語っています。
●小松菜奈:
「ストーリーの設定に少し戸惑っていたんですけれど、今ではどこか予言のようになってしまったように感じています。
この映画では"虫"、私たちの今いる世界では"ウィルス・菌"。
共存するという意味では同じで、私たちはこれからも菌と一緒にこの世界を生きていかなければならない。
そして情報もたくさん飛び交っていて、何を信じたらいいのか、何が本当なのかもわからない。
そんな世界に今いる私たちに対し、人が信じるべき軸のようなものを、この映画は明示し、伝えてくれるのではないかと思いました」
※
昔、原作が流行ったことがあったよなあと記憶があるだけで、内容は知りませんでした。
ほとんど主演の2人しか画面に映し出されません。
オシャレな映像とオシャレな音楽で展開していきます。
ある意味、99分間の林遣都さんと小松菜奈さんを起用したオシャレなミュージックビデオです。
都会の混沌さを描いたミュージックビデオ。
実際に観て、設定がSFというかファンタジーというか、そっち系な内容に驚きました。
・脳の中に虫がいて、宿主である人間を操り、同じように脳に虫がいる相手と恋をさせて「つがい」にさせる。
・コンピューターウイルスで街の制御を不能にし、あちこちで爆発が巻き起こる。
てっきり途中までそういう設定は、実は脳内での妄想で、本当はなにも無かったというオチを考えていました。
「脳に潜む寄生虫」「街を破壊するコンピューターウィルス」というのはあくまで抽象的な概念と思っていたのです。
ところが本当に、そういう設定でした!
そのせいで、「えっ?これって異世界系ラノベとかと同じやつ?」と驚きました。
歳のせいで、現実離れした設定についていけない私。
(ただし、若い人にはハマる世界観だと思います)
実際、役者たちも戸惑っていた様子。
それを実際の人間が演じて、現実感を出すことに懸命になっていたようですね。
社会を拒絶して生きる人間が、それをどうやって克服するか。
この映画では、同じように孤独だった2人が寄り添う事で克服しようとします。
SF・ファンタジーの設定が先行して話しが展開していきます。
上映時間も短いので、主人公たちの感情が置いてけぼりになりがちな展開です。
しかし、林遣都さんと小松菜奈さんの2人の醸し出す魅力で、ストーリーにぐいぐいと感情が追いついていくという感じでした。
そう意味で、この2人の役者は凄いです。
※
自分が相手を好きになったのは「虫」のせいなのか、自分の意志なのか。
小松菜奈さんが演じる女の子が悩みます。
その部分をもっと膨らませば、一般人にも感銘できる内容になったのではないでしょうか。
ヒットした原作ですから、そうそう大きく改変できませんから難しいところです。
その重要な部分を大幅にカットしているのが残念でした。
設定先行だと、登場人物がどうしても、話しを展開させるための「駒」になりがちですからね。
原作未読。
SF・ファンタジー設定満載・CG満載ということを知らず、現実的な恋愛話と勘違いしていた私には、予想とのギャップに混乱しました。
きっとアニメ化したら、相性が良さそう。
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