故・立川談志さんが、古典落語の上手さを褒めていたのが、立川談春(たてかわ だんしゅん)さんです。
●立川談春 Official Homepage
http://www1.ocn.ne.jp/~dansyun/
立川談春 - YouTube
1966年生まれ。
17歳で弟子入りし、21世紀になると落語ブームの中核になりました。
談春さんは、人情噺の落語で個性が発揮されます。
最も談春さんらしい演目は、「妾馬(めかうま)」です。
●八五郎出世 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E4%BA%94%E9%83%8E%E5%87%BA%E4%B8%96
八五郎という暴れん坊。
妹や老母を思う気持ちに殿様が胸を打たれ、士分に取り立てる噺です。
この落語を手がける落語家は多いですが、談春版は特に笑いと涙の人情噺となっています。
※
【妾馬のあらすじ】
江戸時代のこと。
長屋住まいの「お鶴」という美しい娘が、殿様の側室になりました。
世継ぎの男子を産みました。
「お鶴の方さま」と呼ばれる出世を遂げます。
お鶴には、老母と兄・八五郎がいます。
殿様が、八五郎に会いたいと屋敷へ招きます。
八五郎は、バカで乱暴者。
40歳を過ぎても、遊び人みたいにフラフラしており、嫁のなり手もいません。
八五郎は、お屋敷へ行きました。
トンチンカンな事をしている姿を見て、殿様は無礼講で話せと言います。
八五郎は、殿様の度量の広さを気に入って、美味い酒を飲んでいい気分になります。
べらんめえ口調になった八五郎。
しかし、かえって本音で話す事が出来ました。
お鶴に向かって、いい殿様で良かったなあと言い、殿様へ妹をこれからもよろしくお願いしますと伝えます。
お鶴が母の事を聞くと、八五郎はしんみり。
涙ぐみながら、年老いた母について語ります。
西日に当たりながら二つ折れになって居眠りしている姿を見ると切なくなる。
あんなに怖かったお袋が、あんなに小さくなってしまった。
身分が違うため会うことができない初孫に喜び、涙していた。
殿様に、「こんな馬鹿な俺に、親孝行させてください。孫に一目会わさせてください」と頼みます。
殿様は、妹と母を思う気持ちに感銘します。
会わせてあげる事を許すだけではなく、八五郎を士分に取り立てました。
※※※
昨日の夕方、大きな地震がありましたね。
ちょうどその時、母の手術中でした。
揺れがおさまるまで一時中断。
術中の一番シビアな場面でなかったのが幸いでした。
今回の手術は、芸人の宮迫さん程の大事ではありません。
しかし、今までそういった経験がなかったので、かえって息子の私の方が動揺しました。
人が老いるのは当たり前の事。
しかし、自分の親が老いたり、病気になる事には、何故か信じられないところがあります。
現実に直面し、受け入れられないまま、ただ涙するだけです。
冒頭の落語にて、八五郎が母親の老いに切なく感じるのには同感です。
江戸時代も現代も、そういう思いは変わらないものなんですね。
私も八五郎みたいに、いつまでも親に心配ばかりかけています。
母がいつまでも笑顔で暮らせるよう、ちゃんと親孝行してあげたいと思います。
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