2005年01月03日

平井堅〜Ken'sBar2004Winter【3】

前回の続きです。

前回の記事:平井堅〜Ken's Bar 2004 Winter【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/000519.html

真っ暗な会場。
静かにピアノで奏でられるご自身の曲のBGM。
青や紫の何本ものスポットライトが会場内をグルグルとあてて回ります。
各テーブルに置かれた小さなガラスの容器。そこに小さくオレンジ色に灯るロウソク。

曲が終わり、平井さんが大拍手の中、再登場。
お茶目に両手でピースサインをしております。
今度はスーツ姿です。
ベージュ系のスーツ、白いYシャツ、ブラウン系のネクタイ。
胸ポケットに白いスカーフ。
背が高くて彫りの深い顔なので、非常にサマになっております。
中央の椅子に座ってマイクを持ちますと、後ろから静かにギターの調べが軽く流れ、アカペラで歌いだします。

♪ねぇ そんな事を隣でキミも思ったりするのかな 思いが重なるその前に強く手を握ろう

曲は「思いがかさなるその前に…」

ギターのゆっくりしたテンポに合わせて歌いつづけます。
左手にマイク。右手は上下に動かして音程をとります。
青く薄暗い照明の中、時間の流れをゆっくりに感じさせる優しい歌です。
歌が終わって拍手の中、照明が明るくなります。

平井
「セカンドステージ始まりました。
・・・えー、イエイッ!(笑。大拍手)」

客席から、「堅さーん!」の声に、江戸時代の女中のような甲高い声で「は〜い〜」と返します(会場爆笑)。

平井
「えー、と云う事で(笑)
突然ですが私、11月・・・あれ? 忘れた。
11月24日かな? ニューアルバム"SENTIMENTALovers"を発売しました!」

大拍手の中、深々とお辞儀をします。

平井
「ありがたい。ありがとうございます。
えー、ちょっと凄いことを聞いてみようかなあ・・・。
逆質問。(笑顔で、まるで保育園の保母さんのような表情と口調で)買ってない人!(ご自身の手を挙げる)」

買ってない人が手を挙げる。
あちこちから笑い声。

平井
「帰って、マジで(平井さんも会場も笑)
いやいや。いるもんですねぇ(笑)
ちょっと自信を持っていた自分も悪いけれど・・・。
(買ってない人の方を見て。ちょっと裏返った声で)えっ? 何で来てんの?(会場爆笑)
(買ってない人に向かって)昔の曲が聞きたいのかな?
えっ? "SENTIMENTALovers"には興味無しみたいな?
ま、中にはいますよね。うん、まあ、ま、まあ新鮮で・・・なんかリアクションでございましたが。
関係無いけれど、このブルーのライト(アリーナ席の丸いテーブルとテーブルの間にある柱上のライト。これ自身が、ぼ〜と発光している)、凄いね、なんか。
何ですか、これ? ま、まあ、ライトですよね。はい、すみません(会場、笑)
と云う事で、ニューアルバムを聞いてない方も、チラホラいらっしゃいますが(笑)
えっとー、リリースしまして、えー、そのニューアルバムから2曲ほどお届けするんですが・・・あなたは知らないと云う事ですね(アルバムを買ってない人を指差す。会場、笑)
(その人に笑いながら)まあ、初めてね、この編成で聞いてもらうのも新鮮だと思うんですが・・・。
えー、ニューアルバムが出まして、まあ2年ぶりぐらいかしら、オリジナルアルバムとしては・・・出たんですが。
あのー、(今回のアルバムの曲を)至る所で聞くんですけれども・・・以前、アーティストのaiKoちゃんがですね、テレビで”知り合いのCDショップに行って、自分のCDを買ってくれている人を見つけて、トントン(肩を叩く仕草)、ワー!(驚きの表情)ってやるのが、アタシ大好きなんです”・・・と、また好感度の高いコメントをしていたんですね(会場、笑)
それを聞いて、いいなあと思って、先ほどお届けした”思いがかさなるその前に…” の前にも挑戦して玉砕しまして、この"SENTIMENTALovers"のリリース日の次の日に、渋谷の外資系CDショップへ行きまして、平井堅コーナーがありました!
どーんと一面"SENTIMENTALovers"!
その隣に”東京事変”がありまして(会場、笑)
でねー、まあ結構、”思いがかさなるその前に…”の時も合計して3時間ぐらい粘ったんですよ。ね?
でー、その3時間の私の体験による結果はですね・・・結果と云うか、あのー分析はですね・・・(お客さんが平井さんのアルバムを視聴できる)視聴機自体へあまり行かないんですよ。大きな外資系ショップでも。
その僕の平井堅コーナーのちょっと離れたところの視聴機で聞きながら、じーと(僕は自分のアルバムが聞ける視聴機を)見ていたんですよ。
なかなか、その視聴機にまず人が来なくて、”来た!”と思って視聴機で"SENTIMENTALovers"を聞いている人がいたんですよ。
でね、それは僕の分析によると、長く聞けば聞くほど買わないんですよね、視聴機って。(会場、笑)
そうかもしれない。買う人って即決でCDをレジへ持って行く人が多いから、長く聞くって人は、”全曲把握してレンタルしようみたいな”、そういう魂胆があるのかどうかちょっと分からないんですが・・・。
とにかく、聞いて聞いてポンと(視聴機のヘッドフォンを)置いて帰るとか、聞いて聞いて他へ行くとか、そういう人を何人も目にして、こー苦虫をかんでいたんです。
そいで、”よし作戦を変えよう!”と思いまして、レジに一番近い視聴機・・・訳のわからないのを聞きながら、レジで手にして買っている人をトントンとしてワー!とやろうと思って・・・。
ジーっとレジを横目で見ながら視聴機で聞いていたんですが・・・そういう自分から欲して、そうやっている時に限ってなかなか巡り合わなくて。
来る人来る人、みんな”東京事変”のアルバムを手にしてレジへ来ておりまして、我ながらまだ巡り合う事は出来なくて・・・。
友達とかは結構ね、”(レジの)前の人が買っていたよ”とか、メールが来るんですが、自分では発見できずに無駄足を踏んだという・・・まっ、そけれだけの話なんですけれども(会場、笑)」

平井さん、横にあるドリンクを2,3回取っては飲みます。

平井
「喉が渇くんです・・・そんな中には、初めて聞くという人も・・・いるようですが(会場、笑)
ニューアルバム"SENTIMENTALovers"より、ちょっとアッパーチューンを2曲ほど聞いてください」

拍手の中、テンポの速い演奏開始。

曲は「君が僕に憑依した!!」

大好きな人の事を四六時中考えてばかりいる主人公。
それはまるで、好きな子の霊が自分の身体に憑依したかのようだ・・・そんな妄想のお話し。
明るくコミカルな曲です。

続いての曲は、「言わない関係」

好きなんだけれど、なかなか云い出せない主人公のお話し。
携帯電話で簡単に相手に繋がるのに、やはり云えないよ。
出来たら自然に相手に分かって欲しい。
あれこれと頭の中で渦巻いている状態。
そんなコミカルな内容。

2曲とも歌う人・・・例えば、モーニング娘。とか、松浦亜弥さんが歌ってもいいような楽しい曲です。
本人、松浦亜弥さんのファンでして、ラジオの仕事で一緒にデートした際も、かなりオーバーヒート状態でありました(松浦さんに限らず、アイドル系は新旧問わずに詳しい)。

曲が終わって大歓声。
平井さんが喉をドリンクで潤していると、客席から「襟がおかしい」と云われて直したりしています。

平井
「ニューアルバム買ってない人、いかがだったでしょうか?(会場、笑)
(低くひっそりとした声で)買ってくださ〜い・・・。
”君が僕に憑依した!!”そして”言わない関係”と、割とアルバムの前半(4曲目、3曲目)のアッパーチューンをお届けしました。
どうですか、みなさん? 近頃は・・・幸せに暮らしていますか?(色んな返事に頷く。女の人で”ビミョー!”と云う声)
ビミョー?(笑)
(子供っぽい感じで)うん、僕もビミョー(会場から笑いと拍手)
って云う事で(笑)・・・関係ないんですけれども、関係ないお話しなんですが。
あの〜先日・・・ああ、明日(2004.12/19)オンエアなんですけれども、ラジオの収録で”鶴瓶さん”にお会いしたんですね。
まあ、だから何だって事なんですけれども。
鶴瓶さんのラジオ番組にゲストで出させていただきまして、鶴瓶さんと2時間ぐらい、ただただ喋るという・・・まあ編集はしていると思うんですが、その日はそういう収録だったんですよ。
まあ・・・こういう大勢の人がいる前で云うのも何ですが、僕は鶴瓶さんに対して特に、愛情も嫌悪も無い、非常にフラットな気持ちだったんですよ。
どっちかと云うと、鶴瓶さんは(鶴瓶さんモノマネを始める)え゛〜え゛〜え゛〜って、何かあまり何を云っているか分からない人って云う印象だったんですね。
それがですね、お会いしてラジオ番組に出させてもらった時、僕の”un−balanced(2000年10月1日発表) ” と云うファーストアルバムから、"SENTIMENTALovers"のアルバムまで、何枚ですかね。(指を折って数えながら)6枚でしたっけ? そのオリジナルアルバムを全部聞いて・・・相当な時間が掛かりますよ。
あんなお忙しい中、しかも全曲、自筆で評価しているんですよ。
”un−balanced”の一曲目”二人の迷路”は好きとか。
これはちょっと歌詞がいいとか、全曲自筆で評論していて・・・それを僕に会う前に予習ということで全曲聞いて、アルバム買ってないあなたより、よっぽど研究熱心だ!(アルバムを買ってない人をまた指差す。会場、爆笑)
ほいでねぇ、単純に凄く嬉しいし、びっくりしたんですよね。
それで、何が云いたいかと云うと・・・人をね、あんまテレビとかで容易に何か、こう・・・人を決め付けちゃいけないなと思ったんですね。
僕にとっては鶴瓶さんはと云うと、もう一回云いますけれども、”いいとも”とかで”(モノマネ口調で)なんでやねん。え゛〜え゛〜”って、何を云ってるか分からないオジサンと云う印象だったんですよ。
それが本当にガラッと変わって感動したんですが、そういう事って結構あって。
まあ、鶴瓶さんは嫌いとかじゃないんですが、テレビとか見ていて勝手に、こいつ嫌いとか云うじゃないですか。
僕もテレビ大好きなんで、よく云っているんですけれども、会ってみると凄い良い人だったりして、その後は悪口云えなくて凄く困ると云うことがありまして。
・・・まあ、誰とは云えないんですけれども、ああいうの困るんですよね。
今までずっとテレビとかで”アホかこいつ。嫌い”とか云ってたのに、会ってしまって相手が良い人だったりすると、その後テレビを見たときに口ごもってしまう・・・なんかこう、云いたいんだけれども、”あっ(口を押さえる仕草)”みたいな・・・。
・・・まっ、この話し、いっか(会場、笑)
では、えー、ニューアルバムから、この曲を聞いてください」

曲は「キミはともだち」

♪(サビの部分)僕がさびしいときは あとすこしつきあって うまく話を聞いてくれないか〜

後ろの画面には、その曲のPV(可愛らしいドラゴン等が登場するファンタジー系の粘土細工によるクレイアニメーション)が映し出される。
ピアノの弾くような伴奏。そこへ色んな伴奏が重なる。
オリジナルはご本人の声を幾つも重ねたゴスペル調ですが、今回は平井さん一人の声ひとつのみ。
その分、楽器が厚みを重ねます。
歌い方は、まるで子供を諭すような優しい感じ。
最後はシャウトして終了。

そのまま次の曲、「瞳をとじて」

♪(サビの部分)Your love forever
瞳をとじて 君を描くよ それだけでいい
たとえ季節が 僕の心を置き去りにしても〜

ご存知、劇場版「世界の中心で、愛をさけぶ」の主題歌であるオーセンティック・バラード。
暗いステージに少しだけの青い照明。
ピアノの単独伴奏(後半から他の楽器も音を重ねる)。
オリジナルよりも少しスローテンポで、ゆっくりと確実に歌い上げます。
女性の観客達は、じっと平井さんの方を見つめ、身動きせずに聞いています。
暗いステージに少しだけの赤い照明。
青い照明で雨を表現。
数本の青く細いスポットライトが平井さんを照らします。
クライマックスと共にステージ全体が明るくなります。
そして終焉。
拍手の音に反比例して、少しずつ照明が落ちていきます。

今回はここまで。
続く。

次回の記事:平井堅〜Ken's Bar 2004 Winter【4】(ラスト)
http://kanzaki.sub.jp/archives/000522.html

Posted by kanzaki at 2005年01月03日 00:10 | トラックバック (0)