2008年02月21日

史上初の黒人演歌歌手ジェロ、デビューイベントで「海雪」を熱唱、オリコンデイリーで16位初登場

すっかり冷え切っている音楽業界。
私も最近は、ネットラジオで聞く程度になってしまいました。
そんな中、俄然注目のアーティストが登場しました。
アメリカ出身・黒人の演歌歌手ジェロさん(26歳)です。

2008年2月20日、ビクターエンターテインメントからシングル「海雪」でデビューしました。
史上初の黒人演歌歌手ということで連日、テレビで取り上げられていますね。
この日の発売日には、カセットと合わせ計8万3000枚を出荷しました(CDが6万3千枚、カセットが2万本)。
オリコンデイリーチャートにも16位で初登場しております。
これはもう、年末の紅白歌合戦は確実と言えましょう。
ちなみに今日のデイリーで6位となっております。

下記のサイトにて、ビデオクリップがフル視聴できますよ。

●JERO/ジェロ
http://www.jvcmusic.co.jp/jero/

「深雪」
♪あなた追って出雲崎
♪悲しみの日本海
♪愛を見失い岸壁の上
♪落ちる涙は積もることのない
♪まるで海雪

声だけ聞きますと、日本人にしか聞こえませんね。ウマ過ぎです。
合間のダンスが何気にマッチしています。
ウマい歌声と演歌・・・なのに歌っているのは黒人ということで、最初に聞いた時、ついついニヤニヤしてしまうのですが、真正面から真面目にやっているのが感じられるので、聞きほれてしまいます。

昨日20日、デビューイベントが東京・渋谷にあるCD店「HMV」で行われました。
120人のファンで超満員です。
演歌歌手でありながらヒップホップ・スタイルの服装で登場。

「みなさんの声をいただいて本当に力になっていますので、応援よろしくお願いします。頑張ります」

そう言って深々とおじぎをすると、「がんばれー」の歓声と拍手。
お客さんは年齢層が幅広いです。
そして皆さん、温かい眼差しで応援しています。
ジェロさんの日本語はとても流暢で、やさしく紳士的です。
色物的に最初は受け止める人も多いかと思いますが、あの真摯な姿と歌声で、世間の見方が変っていくのではないでしょうかねえ。

●ジェロ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AD

出生名 ジェローム・ホワイト・ジュニア
出生日・地 1981年9月4日(26歳)
学歴 ピッツバーグ大学情報科学科卒業

ダンスチームの主将を務めた高校時代を経て[4]ピッツバーグ大学に進学し、情報科学を専攻。在学中には関西外国語大学に3ヶ月間の留学をした。この留学期間中に演歌歌手になることを決意したという。
2003年、ピッツバーグ大学を卒業した後、再び日本の地を踏み、和歌山県で英会話学校の教職、次に大阪でコンピュータ技術者の仕事に就く。その傍らでNHKのど自慢に出場、各地のカラオケ大会にも出場して数々の賞を獲得するなど、演歌歌手を目指して独自に活動を続けていた。2005年に坂本冬美の主催によるカラオケ大会で優勝。それがビクターエンターテインメント大阪のスカウトの目に留まり、その後の2年間に及ぶ訓練を経て、2008年2月20日にシングル『海雪』でプロデビューを飾ることになった。

wikiによると、世界の大学ランキング37位のピッツバーグ大学卒業なんですね。
謙虚な振る舞いは、知性の表れなんでしょうね(それと、日本人の祖母の影響でしょうか)。

日本人である祖母・多喜子さん(3年前に他界)の影響を受け、幼いころから演歌に慣れ親しんだジェロさん。
彼の演歌に対する気持ちは、下記のニュースを参照してください。

●秋元氏&宇崎氏サポートで米国人演歌道(芸能) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/02/01/03.html

 米国人の演歌歌手がデビューする。ペンシルバニア州ピッツバーグ出身のジェロ(26)。作詞秋元康氏、作曲宇崎竜童氏によるデビュー曲「海雪」を20日にビクターから発売する。3年前に他界した日本人の祖母と約束したのが演歌への道。「幼い頃からずっと見てきた紅白歌合戦に出たい」と燃えている。
 「演歌を歌うと、おばあちゃんが喜んでくれた。それがうれしくて歌い始めたんだ」。ジェロのデビューに切り離せないのが祖母、多喜子さん(旧姓近藤)の存在だ。
 第2次世界大戦直後、駐留していた米軍兵士レナード・タバ氏と横浜で出会い、結婚。ジェロの母親となる長女モロー晴美さんを出産し、渡米するが、敵国だった米国での生活は苦労の連続だった。
 そんな中、いつも励みに口ずさんでいたのが美空ひばりさんの歌。ジェロも祖母の歌声を通して“遠い異国”の音楽に触れ、心を動かされた。最初に覚えたのは、ひばりさんの「越後獅子の唄」。喜ぶ祖母の笑顔が見たくて次々と覚え、NHK紅白歌合戦の録画ビデオは82年の放送からすべて持っている。
 高校時代はダンスチームのリーダーとして活躍し、地元のピッツバーグ大学の情報科学部を卒業。翌03年に演歌歌手を目指して来日。和歌山県でNHK「のど自慢」に出場、坂本冬美の「夜桜お七」を歌って合格し、デビューを夢見てきた。
 05年に祖母が他界してからもコンピューターエンジニアの仕事をしながら、各地のカラオケ大会に出場。昨年ビクターのスタッフの目に留まり、チャンスをつかんだ。

私は演歌がそんなに好きではないのですが、なぜかジェロさんは応援したくなります。
人柄が良くて好感が持てるし、生い立ちが既に演歌的ですしね。

デビューシングル「深雪」に、「出雲崎」という言葉が出てきます。
そして、わざわざ神ナナで取り上げたのは、これが理由でもあります。
出雲崎というのは、新潟県の中越沖地震で被災した地です。

2月16日、テレビ番組の収録でデビュー曲の舞台である出雲崎町を訪れました。
カリフォルニアの海しか見たことの無かったジェロさんですが、ついに日本海を見ることが出来ました。
同町役場で、町民や町職員約40名を前に歌声を披露しました。

jero01.jpg

ジェロさんは出雲崎町にて、「雪が多くて驚いた。出雲崎はとても綺麗で、故郷のピッツバーグを思い出しました」と挨拶しました。

地元のニュースでやっていたのですが、出迎えた小林則幸町長と地元の牛乳(紙パック)をお茶代わりに飲んで話していましたよ。
町長は、「中越沖地震からの復興のためにも、歌で出雲崎を全国にPRし、紅白歌合戦に出場してほしい」と激励しました。

デビュー曲の作詞は、秋元康さん。
実は秋元さんは、父親が出雲崎町出身という自分の事務所スタッフから出雲崎の良さを聞き、歌詞に採用したそうです。

肩に大きなラジカセを担いで歩いていてもおかしくない様なルックスの黒人が演歌を歌う。
日本びいきで謙虚な態度。
日本人顔負けの歌唱力。
演歌歌謡なので普通の人にも口ずさみやすい曲。
彼のサクセスストーリーが始まったと、誰もが感じることでしょう。

神ナナは、ジェロさんと出雲崎を応援しています。

Posted by kanzaki at 2008年02月21日 21:44