2004年06月13日

布袋寅泰 in トップランナー【5】

前回の続き

ナレーション
「ゲストのお気に入りをランキングする"favorite5"。
布袋寅泰さんのテーマは、"my best scene"。
俳優として出演した作品から、お気に入りの場面を選んでくれました」

第5位
「新・仁義なき戦い。」
→豊川悦司と初めて出会うシーン 

第4位
「赤い月」
→銃撃戦で敵の銃撃を受けて戦死するシーン

第3位
「缶コーヒーのCM」
→永瀬正敏を追いながら、赤いレーザー光線を発射するシーン

第2位
「SF サムライ・フィクション」
→キル・ビルにも影響を与えた映画のタイトルバック

本上
「それでは第1位を発表してください」

布袋
「はい。"新・仁義なき戦い。"という映画の中にですね、豊川君が演じる甲子男という男と最後、クライマックス迎えて、僕は結局、相手方に撃たれて死んでいくシーンがあるんですけれど。
豊川悦司との出会いは僕にとって凄く大きくて、いろんな出会いがありましたけれど、あいつは俺と背の高さも一緒、歳も一緒だし、どことなく似た者同士のところもあって・・・。
あのシーンを演じているときに、文字通り最後のシーンでしたから、このシーンが終わると、この映画の撮影が終わる。
豊川と出会って、役の中での豊川とも別れるシーンだったから、なんとなくこう、絵的にというよりは、なんか心に残るシーンですよね。
役者としての自分を全く認めていないし、非常に照れくさいし・・・。
いつも聞かれるんですよ。
"役者としての自分をどう思いますか?"ってさ。
例えば、ギターで自分が100%自信を持っているとしたら、役者をやっている時は、1%も満たない。
ギターリストとしての自信をスクリーンへぶつけるしか無いわけだから・・・」

その後、special live2 が始まりました。

ライブ会場の模様を映しています。
ステージには、布袋さんともう一人の人(programer 岸 利至さん)が登場します。
二人はステージ中央に設けられたキーボード、音楽用の機械の前に座ります。

布袋
「みんな今日はね。せっかく、トップランナーに呼ばれたっちゅうことで、ギターを弾くのも面白いんだけれど、たまにはちょっとこう・・・普段、テレビでやらないことをみんなの前でやろうよってんで、だったらこう、いつも岸と一緒に曲を創っているんだけど、みんなの前でこう、曲を創っている作業を・・・」

観客の「おおおお」と云う大声と拍手。

布袋
「どうせだったら、みんなも参加してもらって、一緒に創っていこうかなと思っとります。はい」

テロップ
『srep1 曲のベースとなるリズムを決定』

布袋
「まず、ループを二つ用意してあるんで、それをみんなに選んでもらいたいんだけれど・・・AかBか?
ひとつ、みんなの好きの方を聞かせて欲しい。
じゃあ、岸君の方から・・・」


「はい。一個目・・・」

岸さんが機械のスイッチを入れると、音楽が流れます。

布袋
「これは思わず、腰が動くタイプの・・・(岸さんと二人笑う)」

布袋
「じゃあ、ループ2」


「はい」

先ほどとはニュアンスの違う曲。

布袋
「はい。これはどっちかというと、メロー系?
ちょっと優しい感じのループ。
どっちがいいですかねえ
じゃあ、1番の方が好きな人、手をあげて」

観客は「はーい!」と大声を出して挙手します。
ちなみに会場の多くは男性です。
次に2番が好きな人を挙手させます。
後者の方が若干多いかな。

布袋
「みんな、こう見えて、ロマンチストなんだねえ」

会場、爆笑。

布袋
「じゃあ、2番でいきましょう。
でー、ループだけじゃ面白くないんで、音楽には一応、コードというのがあります」

テロップ
『srep2 コードを選択して曲の進行を決定』

布袋
「みんな知っているか分からないけれど、我々は、ドレミファソラシドをCDEFと云う、そういう英語で呼びますけれど、そのコードをみんなに選んでもらって、そのコードで俺が創ろうっていう感じにしようかな。
じゃあ、並べてみたい人」

多くの観客が大声を上げて挙手します。

布袋
「それじゃあ、そこの日本一かわいい女の子。
(氏名されたと勘違いした子に)君じゃないよ(笑)」

みんな爆笑。
女性がマイクを持って発言します。

女性
「EとGとCとA」

布袋さんは、紙にそれをメモします。

布袋
「これに俺の好きなニュアンスを足して、やりたいと思います。
ちょっと待ってね(笑)」

テロップ
『srep3 コード進行に合わせ、バックトラック作り』

布袋さんがキーボードを弾き始めます。
ステージ後ろの二つのモニターに、布袋さんの動く指が映し出されます。

布袋
「O.K。(岸さんの方を向き)じゃあ、キーボードいきますか」


「はい。一小節前から・・・」

キーボードの音に、バックの音楽が重なったのですが、布袋さん失敗したみたいで、笑いながらやり直し。
再度、スタート。
曲は進み、今度は布袋さん、その曲に合わせてギターを弾いています。

ステージ横の大きなモニターに「Code List」のタイトル、鍵盤のイラスト、その鍵盤の上にCDEFGABと表記されて映し出しています。

テロップ
『srep4 バックトラックの音源を整音』

布袋
「いきなり次の音に行けるんだけれど、ここで岸君にラブミックスを創ってもらって、気持ちよくギターを弾かせてもらおうと思います」

岸さん、ヘッドフォンを耳にセットして、機械を操作しはじめます。

布袋
「岸君は僕にとって、片腕以上の存在で、僕の思ったイメージをすぐ音にしてくれる非常に大切な存在なんですけれど。
創っている時というのは、いろんな事を考えながらやっているけれど、最終的には、いかに自分のギターが気持ちよく弾けるか、歌う時に気持ちよく歌えるかというバックトラックを創るわけで、自分の中では、構築する部分と、爆発する部分と、訳隔てているいるわけじゃないけれど同居しているんで、なかなか難しいんですよ、これが(笑)」

岸さんの作業が完了したので、出来上がった曲を演奏します。

テロップ
『srep5 リード・ギターを弾いて完成』

私には、ハードボイルド小説のBGMのように感じられました。いいねえ。
観客はじっくりとその曲を聴いています。


今日はここまで。
布袋さんの、役者としての顔。
そして音楽の創作活動している顔。
その両方を観る事が出来た、貴重な時間でした。

布袋さんが、役者という異業種の分野でも活躍できるのは、その類まれなる身体と音楽家としての自信(オーラ)があるからでしょう。
音楽と芝居・・・内容は異なれど、観客は、その人の持つ存在感に期待をします。
天は布袋さんに、二つの才能をもたらしたと云うよりも、布袋さんの存在感が、どちらの分野でも活かされたと云うべきなのかもしれません。

後半の創作の時に感じたのが、観客との対話が、とても優しくて温かいんですよね。
ロッカーだけれど、暴力的な側面は見せない。
むしろ、アニキ的な側面で、観客を引き込んでいます。
観客は男が多かったし、ライブでも男の比率が高いです。
まさに、布袋さんをアニキとして尊敬しているからだと思います。

この続きは、また次回へ。

Posted by kanzaki at 2004年06月13日 19:15 | トラックバック (0)
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