●映画「Dr.コトー診療所」公式サイト
https://coto-movie.jp/
監督:中江功
原作:山田貴敏
出演:吉岡秀隆、柴咲コウ
【あらすじ】
山田貴敏の同名漫画を原作に、2003年と2006年に連続ドラマとして放送された名作テレビドラマ「Dr.コトー診療所」の16年ぶりの続編となる劇場版。
日本の西端に位置する自然豊かな孤島・志木那島。
19年前に東京からこの島にやって来たコトーこと五島健助は、島にたった1人の医師として島民たちの命を背負ってきた。
島民とコトーとの間には長い年月をかけて築いてきた信頼関係があり、今やコトーは島にとってかけがえのない存在だ。
コトーは数年前に看護師の星野彩佳と結婚し、2人の間にはもうすぐ子どもが誕生する。
志木那島でも日本の他の地域と同じく過疎高齢化が進む中、島民たちの誰もがコトーの診療所があることに安心し、変わらぬ暮らしを送り続けていた。
しかし診療所の平穏な日常に、ある変化が忍び寄っていた。
2022年製作/134分/日本
『Dr.コトー診療所 』予告【2022年12月16日(金)公開】
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【感想】
この作品・・・コトー先生と再会したいと劇場に足を運んだ皆さんは、最初の上映15分の雰囲気を期待してきたんじゃないかなあと。
テレビドラマと同じ出演者、同じ空気、同じような内容を味わいたいと(変化球は期待しない)。
全体として、ちゃんとまとめていたと思いますが、感想としては「誰も得しない内容」でした。
特に後半は雑。
こういうバッドエンドを制作陣営は作って、ファンが喜ぶと思っているのでしょうかね。
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先生の白血病や、台風の被害とかはいらないかなあ。
映画だからと言って、孤島に台風とか大きなハプニングなんていうのは、この作品に関しては不要ではないかなと。
観客は穏やかな時間の流れと、先生と島民の交流を期待しているのだから。
劇中、主人公は白血病になってしまいます。
死にそうになりながらも最後、命を懸けてみんなを助ける姿を描いています。
(ラストの映像は多分、現実ではなく、主人公が最後に夢見たイメージではないかなと)
主人公が病気のため、ドラマ版のような天才性能・性格を発揮できないと、その作品本来の持ち味を出せないんですよね。
私の好きだったドラマ「臨場」も、劇場版では原作同様に胃ガンになってしまいました。
おかげで、ドラマ版にあった迫力や行動力がごっそりそぎ落とされてしまい、このドラマの主人公らしい活躍ができませんでした。
ドラマの劇場版というのは、私の中では「続編ではなく特別編」だと思っています。
話しはドラマだけで完結し、映画は一話完結の内容で、観なくてもドラマの大筋には影響しないもの。
ドラえもん、クレヨンしんちゃんの映画とかみたいなものね。
そういう位置づけが正しいと思っています。
ドラマの続編を劇場でやってしまうと、同じフジテレビの「踊る大捜査線」のように尻すぼみになってしまう・・・。
映画だと何故か、派手な内容・豪華出演者みたいにしたくなるのが不思議です。
普通の邦画は、少ない予算で普通にやっているのにね。
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新若手キャラクターを演じた高橋海人さん、生田絵梨花さんはとても良かった。
まったく演技に不安はないです。
劇中も良い立ち回りでした。
今後の活躍も楽しみ。
けれど限られた時間の中で、新キャラクターに時間を割くならば、主人公の活躍や内面を描くべきだったように思います。
主人公は、病院の統廃合や自身の病気に悩み、そんな中で台風で怪我をした人たちを治療する姿だけ。
目まぐるしい事実に対処するだけで手一杯で、主人公なのに実はあまり劇中で、主人公を描いていないんですよね。
孤島の医者不足・後継者不足を描くならば、医大を辞めてしまった男の子との交流をもっと深く描いた方が良かったと思います。
"そこだけ"を中心に描けばよかったのでは?
芸能界を引退した元子役・富岡涼さんが、その男の子・剛洋(たけひろ)役で出演しているのですが、これがなかなかいいんですよ。雰囲気が。
男の子は医大を休学程度にして、島の短い生活の中で再び医者を目指すというベタなほうが良かったですよ。
医者を目指すのを挫折したとか、刑事が探しにやってきたとか、そういうのはいらない。
島の美しい風景、先生の日常、先生との交流で笑顔になる島民をたくさん観たかったなあ。
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