『劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス』が公開されました。
●フィンランド制作の映画『劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス』の感想〜絵がとても素晴らしい。昔の日本版アニメと違い「サザエさんの家族旅行」的な内容
http://kanzaki.sub.jp/archives/003288.html
昨年は、原作者トーベ・ヤンソンの生誕100周年。
今年は、ムーミン童話の誕生から70年。
ムーミンは決して、ド派手なエンタメ作品ではありません。
しかし、日本人にはなにか惹きつけるものがあります。
週刊ダイヤモンドに、現在のムーミン人気の理由が書かれていました。
ムーミンの著作管理をする会社「ムーミンキャラクターズ社」の経営トップ ロレフ・クラストムさんが解説しています。
●Moomin Licensing - All Things Moomin
https://www.moomin.co.jp/ja/licensing
※
・日本の売り上げは、全体の40%以上の大きな市場。
・日本のムーミン人気は、TVアニメによって形成されたもの。
しかし、特に1969年版は原作とかけ離れた設定のため、原作者は嘆いていた。
・2001年、原作者が逝去すると、日本での人気は世界シェア30%を切った。
過去のアニメの再放送に依存しすぎて、新たなファンを開拓できなかったからだ。
・2005年ころ、経営のコアを原作者トーベ・ヤンソンのアートに絞ることにした。
その為、日本では根強いファンのいるムーミンアニメのイラストが、商品に利用出来なくなった。
・理由は、ディズニーやサンリオに比べ規模が小さいが、ムーミンは「アート」として通じる稀有な存在と気づいたから。
トーベ・ヤンソンは作家であり画家でもある。
第二次世界大戦の経験が作品に影響しており、自然との深い関わりあいを含め、単なる子供向けマンガとは違う世界観がある。
・アートを中心にしてから、展示会はメディアが報道し、映画監督なども関心を持ってくれるようになった。
経営を著作権に依拠していた時とは、反応が変わった。
今は、広告も打たなくなった。
・広告費が減った一方、売り上げはこの10年で6倍になった(4割以上が日本)。
捨てたはずの日本市場で、新たに若い女性に人気となり、以前を上回る売り上げとなった。
・日本での人気の理由は、自然を愛する日本とフィンランドの類似性、米国とは異なる独自の北欧の生活スタイルが注目されてきたこと。
そしてやはり、昭和版アニメの力。
・フィンランド航空は、日本とヘルシンキをつなぐ直行便をこの10年で倍以上の28便に増加させた。
欧州への乗り換え客も含まれているが、北欧人気自体も高まっている。
●フィンランド航空 - Finnair
http://www.finnair.com/jp/jp/home-page
・フィンランドはこの5年で、日本からの旅客泊数が1.5倍の20万泊近くという人気ぶりだ。
現地の空港、有名レストラン、雑貨店は、日本人や日本語が堪能な現地人が対応してくれる。それは、ハワイのような感覚だ。
(新潟のアイドルNegicco「光のシュプール」MV・・・フィンランドで撮影。高野寛さんに、Negiccoの曲を作ってもらいたい今日このごろ。相性いいと思います)
(winter's tale:高野寛・田島貴男・・・田島さんはNegiccoのプロデュースをしました)
(Negicco・Kaedeにみんなが気になっているアノことを聞いてみた!)
・ムーミンだけではなく、オーロラと映画「かもめ食堂」、北欧デザインも人気の要因だ。
(「かもめ食堂」・・・神崎も定期的に観る好きな作品です)
・デザインブランドで特に人気なのは、食器のイッタラやアラビアと、アパレルのマリメッコ。
あらゆるデザイン企業が英国の次に日本に進出する。
●イッタラ SHOP.JP
http://www.iittalashop.jp/
●アラビア
http://www.arabia.fi/
・イッタラやアラビアを傘下に持つのは、総合日用品メーカー「フィスカルス」。
2007年ごろから、欧米やアジアに展開し、日本はイッタラの店舗を11店も持つ。
無駄を削ぎ落したデザインが、日本の感性に合っているからだ。
※※※
今の日本のみんなは、何でも詰め込みすぎて生きているよね。
追いかけられるような人生。
以前なら、そんなことを意識もしなかったし、右肩上がりで調子こいていたしね。
しかし、多くの人が、その見返りを感じられなくなってきた。
心に大きな隙間が出来てきて、生きる意味とかわからなくなってきた。
原色系の派手さより、シンプルさを求める心が、フィンランドへ心が向く。
そこに、ムーミン谷の仲間が待っている。
人気のヒミツもうなずけます。
東進ハイスクールの林修先生が、こんな事を言ってました。
「努力は裏切らないって軽々しくいいますけど、補足してあげる必要があるんです。
正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力は裏切らない」
自分が勝てる場所を見つけ、そこで努力しないと駄目なんだよね。
そういう意味では、ディズニーと同じ土俵から外れ、「アート」の方向へ振った「ムーミンキャラクターズ社」の考えは正しかったのです。
私達も、自分が勝てる場所を見つけて、そこで十分な努力をしていきましょう。
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