2015年03月15日

「椅子のない椅子」「食べられるドーナツの穴」〜見えないものを現実化している世の中なのに、目の前にいる人の話しを聞こうとしていない

「空気椅子」というと、罰ゲームのイメージです。
ところが今、椅子が無いのに椅子に座っているかのように作業が出来る道具があります。


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●まるで空気椅子? アウディ生産現場に「椅子のない椅子」 | レスポンス
http://response.jp/article/2015/03/14/246630.html

・自動車メーカーのアウディは、「チェアレス・チェア(椅子のない椅子)」を公開した。

・立ち作業をおこなう従業員はどこでも座ることができ、姿勢の改善もおこなうことができるという。

・見た目は、両脚の背面を支える外骨格のようなもので、2種類の革で覆われたカーボン素材(CFRP)のフレームが、お尻、太もも、ふくらはぎまでを覆う。

・見た目はまるで「空気椅子トレーニング」のようだが、座り心地も良好で、もちろんバランスが崩れる心配もまったくないそうだ。

・脚への負担軽減だけでなく、作業ラインにスツールを置く必要がなくなるためスペース効率の向上、導線の確保にも貢献する。



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●どこでも座れる外骨格ウェアラブル椅子 noonee チェアレス・チェア - Engadget Japanese
http://japanese.engadget.com/2014/08/21/noonee/

・スイスのスタートアップ noonee が、脚に装着してどこでも座れる外骨格「チェアレス・チェア」を開発。

・チェアレス・チェアは、アルミとカーボンの軽量素材でできた下肢用外骨格。

・装着したまま歩くことも走ることも可能。

・長い立ち仕事や腰を痛める姿勢のときは骨格をロックすることで、脚の筋肉や関節の疲労を防ぐ。



このように既に現実化されています。
見た目はアレですが、どこでも座って作業が出来るのは面白いアイディアですね。


「空気椅子」という目に見えないモノを現実化しました。
目に見えないものといえば、「ドーナツの穴」。
この「ドーナツの穴」を食べたいという、誰もが一度は思った事を実現しました。


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●【マジかよ】ミスタードーナツで「ドーナツの穴」が食べられるぞ(笑)! - バズプラスニュース Buzz+
http://buzz-plus.com/article/2015/03/14/misudo/


・場所:ポンデライオンパーク ミスタードーナツ 東京ソラマチ店

・正式名称:「ポンデライオンドーナツ」。

・ドーナツの穴の部分に、ライオンのチョコレートがハマっている。
そのチョコレートを取りはずすと、ドーナツの穴にすっぽりハマったドーナツが顔を出す。


※※※


このように、目に見えないものが具現化されるというのは、大人になっても童心に変えることが出来る発明だと思います。


ところが一方で、目に見えているのに、実際には見えていない事があります。
それは、職場の意思疎通です。


●デジタル化された職場では「聞く」が難しい--アクセンチュア調査 - ZDNet Japan
http://japan.zdnet.com/article/35061762/


・デジタル化による弊害では「デジタル化された現在の職場は人の話を聞くことが非常に難しくなっている」という結果も出ている。

・デジタル化により、「注意力が散漫になり、最良の状態を保つことが難しい」とし、「集中力の欠如や業務の質の低下につながり、チーム内の人間関係を希薄にしている」という結果が出た。


この「聞くのが難しい」というのは、職場の人間関係が希薄になってやりとりが難しくなったということでしょうか。
それとも、やらなければいけないことが山のようにあり、人の話しを真剣に聞く時間が持てないということでしょうか。


どちらにしても、昔にはなかった問題ですね。
業務のデジタル化によって、一人で複数の仕事を同時に出来る環境が出来ました。
しかしそれは、一応は結果を出せるものの、「広く浅く」であり、同様に人間関係も「広く浅く」になっているようです。


確かに、事務所内にいると、外部の人と電話やメール等でやりとりはするけれど、同じ事務所内の人と話す機会は減りましたね。
同じ事務所内にいるのに、伝言はメールやグループウェア上にて、一方的に伝えるだけになりがちです。



作家 アーネスト・ヘミングウェイは世界的に有名です。
「日はまた昇る」「武器よさらば」などで知られています。
「老人と海」にて、ノーベル文学賞を受賞しています。


ヘミングウェイは「人の話しを聞くこと」を重視していました。
下記は、そんな彼の発言です。


「人の話は、全身全霊で聞きなさい」
"When people talk,listen completely."


・次に自分が何を話すかを考えていてはいけない。

・私は、注意深く耳を傾けることで、多くのことを学んできた。

・小説を書くときは、「人物」ではなく、血の通った「人間」を創る。


ヘミングウェイは新聞記者として戦場に赴き、自分の目と耳で捉えた事実を発信してきた為、こういう姿勢になったのでしょう。



「7つの習慣」の著者 スティーブン・R・コヴィーも以下のように語っています。


ほとんどの人は、相手を理解しようとして聞いていない。
次に何を言い返そうかと考えながら聞いている。



「デジタル化された現在の職場は人の話を聞くことが非常に難しくなっている」と考えている人が多い昨今。
しかし元々人間は、人の話しを聞こうとしていないらしい。
それをデジタル化のせいにしているようです。


目に見える相手に対し、良い聞き手になることを心がけたいものです。

Posted by kanzaki at 2015年03月15日 19:42