●映画『恋は光』公式サイト - Happinet Phantom Studios
https://happinet-phantom.com/koihahikari/
監督:小林啓一
出演:神尾楓珠.西野七瀬.平祐奈.馬場ふみか
【あらすじ】
「恋をしている女性が光って見える」という特異体質の大学生・西条は、自身は恋愛とは無縁の学生生活を送っていた。
ある日、彼は「恋というものを知りたい」という文学少女・東雲に一目ぼれし、恋の定義について語り合う交換日記を始める。
西条にずっと片思いしてきた幼なじみの北代は、そんな2人の様子に心をざわつかせる。
一方、恋人がいる男性ばかり好きになってしまう宿木は、西条を北代の彼氏だと思い込んで猛アプローチ。
4人は奇妙な四角関係に陥っていく。
2022年製作/111分/G/日本
映画『恋は光』予告編
西野七瀬、恋する表情が可愛いと話題に!ガリ勉男子の神尾楓珠と甘酸っぱい恋模様を描く最新映像公開 映画『恋は光』キャラクター動画
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【感想】
大規模上映作品ではありませんが、ネットでの評価がすこぶる高いです。
私も、今年観た映画で一番好きです。
理由は、私には書けない「文体」の作品だからです。
そして、顔面偏差値高めのキャスト!
しかも、悪人もゲスな人間もいない!!
大正ロマン的というか、昔の純文学小説みたいな台詞で交わされる物語は、他とは違う異質な恋愛ものです。
ロケ地もレトロでそんな感じですしね。
「文科系哲学恋愛映画」と宣伝していますが、確かにそんな感じ。
主人公(神尾楓珠さん)と、主人公が好きになるヒロイン(平祐奈さん)の2人は、ものすごく異質。
古典文学や哲学書に書かれている文章のようなセリフを日常で平然と語っていきます。
しかも2人とも、大正時代や昭和時代のような場所で暮らしております。
こんな人は現実にはいないのですが、不思議とそういう変わった世界観が妙に楽しい。
古本屋で見つけた昔の小説のページをめくっているみたいに思うのです。
世界観としては、以前に観たことのある『夜は短し歩けよ乙女』に近いかなあ。
アニメですが。
『夜は短し歩けよ乙女』 90秒予告
●映画「夜は短し歩けよ乙女」を観た感想〜押井守監督のTVアニメ「うる星やつら」のようなサブカル系なノリが好きな人向け。観客は「私、普段はアニメは観ないんです」と言いそうな女性ばかりで驚きました
http://kanzaki.sub.jp/archives/003817.html
浮世離れしているのに、観たあとの清々しさ、清涼感は最高です。
エアコンの冷風ではない、団扇で仰いだ昼下がりに感じる風です。
神尾楓珠さん、西野七瀬さんの2人よる、幼なじみ感のある演技がいいんですよねえ。
男の子同士の会話なんですよね。
西野七瀬さんがそれをやると、べらぼうに可愛い。
西野七瀬さんの演じる女の子は、実は昔から神尾楓珠さん演じる主人公が好き。
けれど、相手が素っ気ないからあきらめている。
ある事をきかっけに、主人公が好きだと知られてしまう。
そのシーンの表情が悲しげで、観ている方がぐっときます。
そういや最近、そういう観客がぐっとくるシーンを観ることって無かったから良かったなあ。
私は乃木坂46は全く知らないのですが、西野七瀬さんは、この映画を観ると必ずファンになりますよ。
伊藤万理華さんといい、いろんな人がこのグループから旅たち活躍していますね(伊藤万理華さんも、元アイドルとは知りませんでした)。
西野七瀬さんは、新垣結衣さんの後継的な感じに思いました。
過去の出演作品を調べてみても、制作側が女優として大切に育てているように思います。
ある意味、劇中でヒロインが交代する展開です。
普通は、最初に出会った男女が紆余曲折の先に結ばれるのが王道。
ところが本作品は、主人公が好きになったヒロインを選ばず、幼なじみの方へ心が向かうのです。
こういう、途中でヒロインが交代するパターンを知らず衝撃的だったのは、昔読んだ漫画「冬物語」です。
その時の衝撃に似たようなものを感じつつ、「そうそう、それでいいんだよ」と拍手したくなるのです。
この作品、前日まで観る予定はありませんでした。
観るきっかけは、同郷・新潟市出身の馬場ふみかさんが出演していることが分かったから。
本作品では、ある意味一番おいしい立ち位置です。
客席から笑い声が出るのは、ほとんど彼女が出演しているシーンです。
時代錯誤で異質な登場人物が多い中、現代的な感覚を持っており、周りのちょっと変わった人物達に突っ込みを入れる立場だからです。
現代的感覚といっても、かなりぶっ飛んだ思考ではあるのですが、そこが面白い。
実は映画鑑賞後、原作全巻を入手しました。
(Amazonの電子書籍だと、現在3巻まで無料です)
まだ最初の方だけしか読んでないのですが、原作よりむしろ、映画の脚本の方が作りこまれています。
主人公とヒロインの最初の出会いからして、漫画はあっさりしているのに、映画は「文科系哲学的」な台詞と文章の応酬。
その台詞量と難解さ・小難しさが面白いのです。
よくこれだけ練った台詞を生み出せるなあ、しかも原作に無いのにと感心しました。
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