2024年03月04日

映画『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』〜機動警察パトレイバー好きなら必見の作品

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●ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突

監督:田口清隆
脚本:中野貴雄
出演:蕨野友也、搗宮姫奈

【あらすじ】
2023年7月から放送を開始した特撮テレビドラマ「ウルトラマンブレーザー」の劇場版。
テレビ版のメイン監督も務めた田口清隆がメガホンをとり、ウルトラマンブレーザーへと変身するゲントをはじめとしたSKaRDの隊員たちが、首都・東京へ襲来する妖骸魔獣ゴンギルガンと繰り広げる戦いを描く。

2024年製作/76分


【最新予告篇】『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』2024年2月23日(金・祝)全国ロードショー!


※※※


【感想】

控えめに言って最高。
「シンウルトラマン」より好きです。


ずっと、TV版のウルトラマンシリーズは観ていませんでした。
しかし、この作品がスタートする前、あらすじ等から興味を引かれて視聴。
すっかりファンになり、しまいには映画館まで行きました。
(仮面ライダーの映画は大昔は行ってましたが、今は行っていません)


「ウルトラマン」というより、アニメ「機動警察パトレイバー」に近い感じですね。
そう思う人は多いそうです。
実際、田口清隆監督は、パトレイバーの実写版シリーズの監督をしています。


映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』予告編


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このウルトラマンブレーザーの魅力は、「SKaRD(スカード)」という、昔で言うところのウルトラ警備隊のメンバーです。


メンバー5人が個性的かつ現実にいそうな善人なので、とても好感が持てるのです。
下手したら、ウルトラマンがいなくても成立できるような内容です。


彼らのチームは「アースガロン」という、言わばメカゴジラみたいな兵器があるから自力でも戦えます。
(このメカゴジラもAI機能で、人間味ある会話ができます)
そんなメンバーの隊長(尚且つ妻子持ち!)がウルトラマンに変身します。


最近のTV版ウルトラマンシリーズは半年という短い放送です。
そんな短い中でも、「SKaRD(スカード)」のメンバーの魅力を中心に描いた作風がとても良かったです。


そこに加えて、組織の上層部の不穏な動きに対立したりする等、「機動警察パトレイバー」や「踊る大捜査線」のようなテイストもあります。


実はTV版は最終回になっても、ウルトラマンの正体が隊長だと変身バレもしませんし、ウルトラマンが地球を去ることもありませんでした。
それどころかこの映画版でも、そういうシチュエーションはありません。


監督は、この作品をずっと続けられるように作ったそうでして、確かにあえてそういうお約束はしなくてもいいのかなと思いました。


だからこの映画版も、そういうお約束という縛りが無いし、他のウルトラマンと共闘することもなく、新フォームチェンジや新武器も無く、あくまでも1エピソードとして描いています。


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パトレイバーが「レイバー犯罪」と呼ばれるロボットを使った事件を解決する話ならば、ウルトラマンブレーザーの劇場版は「怪獣犯罪」モノです。


TV版で倒された怪獣の死骸処理とその研究から、兵器を開発する企業が登場します。
また、宇宙人を偽って大人を翻弄する子供(軍事兵器のハッキングまでする!)。
しまいには、その子供が怪獣と一体化して、悪い大人の象徴「国会議事堂」を壊しに行くという展開。


制作予算は少ない作品だと思うのですが、この国会議事堂のミニチュアの出来がとても良く、尚且つぶっ壊れ方が良い。
(この不景気と増税で、このシーンに心がスッキリする大人も多いでしょう)


そういったテイストがあるので難しい感じがするかもしれませんが、子供達には大絶賛でした。
怪獣がやっつけられたシーンに興奮し、上映後には、面白かったという感想があちこちから聞こえました。
本当に、子供たちにも楽しんでもらえたようです。


劇中、TV版同様に、特撮シーンでもコメディタッチなシーンを幾つも用意し、ウルトラマンがなかなか笑かしてくれます。
そういう、外しというか遊び心が用意されているのも、このウルトラマンブレーザーという作品の魅力です。


怪獣との戦いでは、単にウルトラマン頼りにはせず、SKaRDのメンバーが大活躍します。
ほんとうの意味で、ウルトラマンと地球人が協力して戦っている作品です。


また半年後には、新しいウルトラマンがテレビで放映されているでしょうが、このウルトラマンブレーザーの続編にも期待してしまいます。


ちなみに隊員の一人でヒロイン枠である搗宮姫奈さんは、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』にも出ていました。
あのドラマから人気俳優として成長した人がたくさんいますよね。
この人はアクションができるのが魅力の一つです。



(12:24の動きが凄いです)

Posted by kanzaki at 2024年03月04日 07:05