2011年09月24日

「ボクらの時代」〜向井理(むかい おさむ)さん、松坂桃李(まつざか とおり)さん、六角精児(ろっかく せいじ)さんの三人によるトーク【2】

前回の続きです。

●神崎のナナメ読み: 「ボクらの時代」〜向井理(むかい おさむ)さん、松坂桃李(まつざか とおり)さん、六角精児(ろっかく せいじ)さんの三人によるトーク【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002451.html

テレビトーク番組「ボクらの時代」。
9月18日のゲストは、私の好きな3人の男性俳優でした。

●向井理(むかい おさむ)さん
http://www.horiagency.co.jp/web_data/talentfiles/mukai_1.html

●松坂桃李(まつざか とおり)さん
http://www.topcoat.co.jp/profile/index.php?a=19

●六角精児(ろっかく せいじ)さん
http://www.tobiraza.co.jp/menber/rokkaku.html

(以下、番組内の会話を抜粋。文章としての流れを考慮し、一部修正を加えています)

六角
「二人はどんなタイプが好きなのよ?」

松坂
「僕、サバサバした子が好きですね。
カラッとしている人。
男っぽいというか・・・。
三人兄弟で、下に妹で、上が姉なんですけれども。
女に挟まれた環境だったので、聞き役のスタンスになっちゃうんですね」

向井
「女性の扱いというか接し方は、そんなに違和感ないの?」

松坂
「接し方というか・・・女性の怖さみたいなものは知っている、みたいな」

向井
「そっちか」

松坂
「知っているというか、それは、うちの姉から学んだんですけれど。
男と電話してるときは声色を変えて、凄く可愛い子ぶったりしているんですけれど。
電話を切った瞬間に"おい、桃李"みたいな。
"男って、こうこうこうこうで、単純なんだよね"・・・って僕に言ってくるんですよね。
僕も男なんだけれどなあと思いながらも。
女の人って、こう考えているんだと。
わざとメールでアタックを仕掛けるんですけれど、ある時、わざと引いたりして、逆に男を釣っているという・・・」

向井
「それは全員が全員じゃない・・・(笑)」

松坂
「うちの姉だけなんですかね(笑)
分かんないですけれど」

向井
「また、ちょっと違うのかも」

六角
「あなたのお姉さんがそうだったと」

松坂
「でも、そう考えると、女性って怖いなあって」

六角
「さっき、男っぽい人がいいって、おっしゃっていたじゃないですか。
それと、やはり関係があるんですか?」

松坂
「あるかもしれないですね。
逆に可愛い子ぶったりしていると、こいつ、もしかしてみたいな・・・」


六角
「うちの姉ちゃんタイプかなと」

松坂
「タイプかなみたいに思っちゃったりするんですね。
向井さんはどういう人がいいですか?」

向井
「俺、そんなにタイプとかないんですよ。
性格的にどっちでもよくて。
サバサバしていても・・・あんまり女々しすぎるとかは、ちょっと困りますけれど。
価値観が違う人がいいです」

六角
「ああ、なるほど」

向井
「変に同じだと、甘えるような気がするんですよ。自分が。
なんで分かってくれないんだろうかとか。
だから、それだったら違うって思っていれば、"ああ違うんだな"とか、"こういう見方をするんだな"とか」

松坂
「うん」

向井
「新鮮に受け止められそうな気がするし、自分を抑えられるかなと」

松坂
「なるほど」

向井
「(同じ価値観だとぶつかり合って)変に妥協はしない気はするんで、勝手に」

六角
「俺分かったよ。今ある事実が」

松坂
「えっ? 今この場で?」

六角
「下北沢にいる人間はさ、みんな同じような価値観を持っているような奴らばっかりなんだけれど。
本当、深夜のロックバーとか」

向井
「はい」

六角
「その人達はお互い、"自分の事を分かってくれているよな?"って言う会話をずっとしてて。
自分たちで慰めあっているから、あの人たちはあの町から出られないんだよ」

(一同笑い)

向井
「恐怖ですね、その言い方。
あの町から出れない」

松坂
「下北、行きにくくなりますね(笑)」

六角
「そういうところがあるんだよ。
今、恋愛の話しからこんな話になっちゃたんだけどさ。
そうだよ。
だって全然、(俺と向井では)価値観が違うと思うんですよ」

向井
「違いますね」

六角
「だから逆に、向井から言われた言葉っていうのは、そういう事もあるんだなと新鮮に聞けるんですよ」

向井
「お互い、ちゃんと遠慮なく言う事も大事だと思いますけれどね」

六角
「で、何度もやっぱり色んな人とつきあって、君らとどっちが多いか分からんけれど。
何度か結婚してて、"ああこの人、こんな風に考えていたんだ"と後から分かんのな」

向井
「うーん、結婚してからですか?」

六角
「結婚してからじゃなく離婚してから」

向井
「おっ、さらに先」

六角
「離婚してから。
今でこそ、"あの結婚していた人は、こんな事を考えて、俺の事を考えて、ああしてくれたんだ"という風に分かるんだけれど。
その時は自分の事ばっかり考えていたり、生活に追われていたりで、その事に気づかなかったんだな。
気づいた時には、もうその人はいない・・・」

向井
「めっちゃ、切ない歌詞ですね。それ」

松坂
「哀しいな。なんか」

六角
「って事はやっぱり人は、
"こいつはダメだな。これは別れるかもしれないな"
と思った時でも、もう一考した方がいいんじゃないかなっていうのは、俺の今までの・・・」

向井
「経験に基づく・・・」

六角
「うん。
で、また同じことを繰り返しちゃうんだけれどね」

向井
「駄目じゃないですか(苦笑)」

六角
「それを少しずつ大人になって・・・」

向井
「だいぶ大人ですよ、六角さんは(笑)」

六角
「うるさいよ、お前(笑)」

(一同大笑い)

六角
「イケメンと呼ばれている人で、イケメンな素振りをしている人は、今いるの?」

向井
「(笑)今いるの?」

松坂
「それは、"俺、イケメンです"っていう・・・」

六角
「そうそう。
昔のイケメンの人達は、
"あの人はイケメンだから、トイレには行かないわ"みたいな事を言われたら、トイレにも行きづらくなって・・・膀胱炎になったりね(笑)
俺は実際、イケメンじゃないところから始まっているので、もともとゼロから始まっているから、何でもアリなんだよね。
どんな事をしたって平気だし、どんな役でも出来る気がする。
ただ出来ないのは、もしかしたら君達ができるような役なのかもしれない」

向井
「昔、石原裕次郎さんみたいな方って、同じようなカッコいい役をずっとやってきて。
それだけだと、僕ら世代は食っていけないというか、伸び代(のびしろ)が無くなっちゃうんですよね。
ああいう大スターと言う人が、前は少なかったので。
選りすぐりの中の人達だけがいたけれど、今は本当、間口が広がっている感じがして・・・」

松坂
「イケメンとか、そう思われたりすると、何かこう・・・そういう役ばっかしか来なくなったりするんで。
今はなんか、こう・・・壊すと言うか。また違った一面を見せようと、もがいているところです」

六角
「今の時代さ、いきなり主役からガンと入る人は珍しいよな。
いくらそれが普通のドラマとかではない戦隊モンだとしても。
これはやっぱり、その入り方って貴重だなあ」

(松坂さんは、デビュー作「侍戦隊シンケンジャー」のオーディションを経て、いきなり主役に抜擢されました)

向井
「いきなり、投げ込まれる感じですよね。
全く分からなかったら」

松坂
「そうですね。ポーンみたいな。
事務所もそうですね。
受かると思ってなかったんでしょうね。
だから、"オーディションも経験だ"みたいな」

六角
「いろんな揉まれ方があるけれど、急に怒られる動物がいる所にポーンと投げ込まれてさ、そして、いろいろガンガン言われてさ。
そうなると、ものすごく早いうちに成長できるよね」

松坂
「ええ。本当にそこでは凄い勉強になりましたね」

向井
「(六角さんに向かって)怒られた事とかあります?」

六角
「あるよ。
俺、"その歩き方がダメなんだよ!"と怒られた時がある。
そんなのどうすりゃいいんだよと(笑)」

向井
「全否定(笑)」

六角
「お前の存在が駄目なんだよと。
25、6歳の時に、何度も右から左へ行くだけですよ。
それを何度もやらされて。
だけど、やらざるをえないじゃないですか」

二人
「そうですよね」

六角
「その時に思ったのは、"そこで萎縮してちゃいかん"という事でしたね」

松坂
「凄く怒ってくれるという事は、今となっては有難いと実感できるんで」

向井
「最近、怒られるというか、芝居の事でワ〜って言われる事はありますね。監督とかに」

六角
「ドラマとかでも言われる?」

向井
「言われます、言われます。
ドラマの撮影で言われましたね、最近」

六角
「それはNHK?(大河ドラマに出演しているから)」

向井
「いや違います(笑)」

向井
「NHKは、ワ〜とは言わないですね」

六角
「あんまりさ、ドラマの監督さんとかって、ワ〜って言う人、少なくないか?」

向井
「少ないです。珍しいですけど。
久しぶりにそういう監督に会って。
演技に厳しい人で、息の吸い方とか吐き方とか、目線の上げ方とかも言う人で」

松坂
「そんなに細かくですか!」

向井
「(その監督になりきって)"今、息吸ったでしょ? もう一回"とか。
長まわしでもう一回」

六角
「長回しで、もう一回やんの?」

向井
「でも、すごい勉強になって。
なんか久しぶりにこう言われて。
あっ、もっとしっかり丁寧に、一つ一つやる事って大事なんだと、すごい勉強になりましたね」

六角
「最近、こういう仕事をしてきて、
"あっ、今日はこれで満足"って撮影所をあとにしたって事はあります?」

向井
「無いですねえ」

松坂
「僕もないですねえ」

六角
「それを聞きたかったんだよ。
こんだけやっててさ、自分の心のどこかで、くよくよしながら帰るんだよ。仕事のあと。
こんなんで良かったのかなあと」

松坂
「六角さんでもあるんですか?」

六角
「しょっちゅうですかね。
ほぼ毎日ですよ。
だからこそなんだけれど、最近は"OKです"と言われると、 
"おお、今日は完ぺきだった。今の俺って80点だったな"と言いながら帰るんですけれど。
本当は、そんな事ないのに・・・。
でも、人にそんなことを言ったりしながら帰るんですけれど(笑)」

向井
「最近、考えないようにしてて。
そういう事もひっくるめて全部考えると、"あ〜、もうやめよう"と思っちゃうから。
だから考えない」

六角
「"捨てる"ってことだな」

松坂
「捨てる?」

六角
「うん。大切ななことだよな。
あの〜、佐藤浩一さんと今、俺やっているんだけれど。
佐藤浩一さんは、1シーンが終わったら、
"はい、じゃあ次!"って、捨てるのが早いのよ。
"はい。終わり? OK、じゃあ!」って、スッといなくなる(笑)」

松坂
「引きずらないんですか?」

六角
「引きずらないのよ。
ワッて、捨てていく。
で、ある意味"美学"だなって思った。
これだけ捨てる事が出来たら、入ってくるものも、きっと早く入ってくるって気がしたのよ」

向井
「う〜ん」

松坂
「プロだなあ」

六角
「それを見てね、そうしようって。
なれるもんじゃないけれどさ。
でも、思ったね」

松坂
「凄い」

六角
「これがまた、先の事まで考えていると大変だしね」

向井
「そうですね。
もう、目先のことしか考えられないんです」

六角
「今、現時点の事を考えてやっていくっていうのは、一番、我々の世界では健全かもしれないね。
昔ね、10年先の自分を見据えながら役者をやっていた人がいたんだけれど。
その人は10年後には、もともと考えていた事と、全然違うシチュエーションになっていたんだよね」

向井
「なるほど」

六角
「考えなくて良かったなと」

向井
「違う方向に行っちゃったんですね」

六角
「計画性なんて、あまり持ってちゃ駄目なんだなと」

向井
「本当。今日は勉強になりました」

六角
「(大笑い)本当ですか?」

向井
「ありがとうございました」

六角
「いやいや、こちらこそ」

松坂
「いろんなお話しを・・・」

向井
「何かでも、不思議な関係ですよね。面白いなあ」


※※※


以上が、番組内のトークです。

六角さんは、昔からずっと芝居の世界に身を投じ、生き方もその中から学んできたという感じでした。
時には大失敗な選択をしても、それを芝居や考えに生かせているポジティブな人です。
本人は、自分をネガティブな感じで語っていますが、相当に強靭で柔軟な精神です。

向井さんは大学を出て、社会人をやっていました。
だから、テレビの視聴者側の思考・・・社会人としての常識というものを兼ね備えているのが、会話の中から感じました。
他のトーク番組でもそうですが、基本的に相手の考えや意見を否定しません。
けれど、自分の考えもちゃんと、しっかり持っている。
いったん、相手の考えを受け止めた上で、静かに自分の考えも相手に伝えるスタンスです。

松坂さんは、兄弟が上も下も女性のせいか、基本的に聞き手に徹して、相手の良い部分を学ぼうとしているのが感じられました。
こういう人は、先輩方から可愛がられますし、いろいろと教えてもらえるので、成長も早いです。

三者三様。
どなたも代表作と言いますか、当たり役をちゃんと持っていて、視聴者から絶大な人気と信頼を得ています。
しかも、異性だけではなく、同性からも支持されているのが凄いですよね。
これからも長く、役者として我々を魅了していただきたいものです。

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Posted by kanzaki at 2011年09月24日 20:54