2024年05月12日

映画『青春18×2 君へと続く道』〜単なる傷心旅行じゃなく、主人公の前向きな行動が観たかったです

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●映画『青春18×2 君へと続く道』公式サイト


監督:藤井道人
原作:ジミー・ライ
出演:シュー・グァンハン、清原果耶


【あらすじ】
「新聞記者」「余命10年」の藤井道人が監督・脚本を手がけた日台合作のラブストーリー。
ジミー・ライの紀行エッセイ「青春18×2 日本漫車流浪記」を映画化し、18年前の台湾と現在の日本を舞台に、国境と時を超えてつながる初恋の記憶をエモーショナルに描き出す。

18年前の台湾。
高校3年生のジミーはアルバイト先で4歳上の日本人バックパッカー、アミと出会い、天真爛漫でどこかミステリアスな彼女に恋心を抱く。
アミもまた、ある秘密を抱えながらもジミーにひかれていく。
しかし突然アミの帰国が決まり、意気消沈するジミーにアミはある約束を提案する。

現在。
人生につまずいて久々に帰郷した36歳のジミーは、かつてアミから届いたハガキを再び手に取り、あの日の約束を果たすべく日本へ向けて旅立つ。
東京から鎌倉・長野・新潟、そしてアミの故郷・福島へと向かう道中で、彼女と過ごした日々の記憶がジミーの心によみがえる。


2024年製作/123分/G/日本・台湾合作
劇場公開日:2024年5月3日



5月3日(金)公開 映画『青春18×2 君へと続く道』主題歌 Mr.Children「記憶の旅人」スペシャル映像


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【感想】


新潟も撮影場所として使われているので観てきました。


一昔前の韓流ドラマみたい(観たこと無いけれど)。
まあ、ヌルいなあと。


最近観た映画『四月になれば彼女は』『52ヘルツのクジラたち』と共通しているのが、過去と現代の2部構成になっていること。
そして、愛する人や、それに近しい人が現代パートでは死んでいることです。
更に最悪なことに、死んだ相手の為になにか行動しようとは一切考えない。
こういうのが流行りなんでしょうか?


テレビドラマならいざ知らず、2時間しかない上映時間の中で2部構成にしてしまうと、感情や人間関係、主人公の環境が連続せず浅くなります。
なおかつ、制作費用も膨らんでしまいます。
メリットが無いですよね。


現代パートの状況理由を過去パートで語り、答え合わせをするだけ。
答え合わせするだけの物語に、人は感動なんてしませんよ。


●映画『四月になれば彼女は』〜「不健康な物語」は感情移入できません


●映画『52ヘルツのクジラたち(日本語字幕)』の感想〜現代パートをカットして、過去編を深く描いた方が良かったのでは


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主人公とヒロインって、そこまでのつながり、絆、愛情ってないんですよ。
主人公にとって、高校生時代の懐かしい人程度。


台湾の主人公男性は、結局最後になにも新しいことも、前へも進んでいないのですよ。
自分が作り上げた会社をはからずも追い出されてしまい意気消沈。
人生につまずいて傷心旅行。
こういうことがなければ、病気で死んだヒロインの生まれた地へ行くことも無かった。
そこまでヒロインに対する、自分の中の比率ってそうありません。


主人公の社会的な墜落→意気消沈→ひとまず心が落ち着く迄を観客がつきあう感じです。


主人公の活躍が観たいんですよ、私は。
意気消沈しているだけで活躍していないのを観ても、なにも面白くありません。


主人公がゲーム会社を作って起業したことと、ヒロインの描く絵につながりはない。
2人の才能に、なにもリンクがない。


せめて、主人公が無職になったあと、その才能を使ってヒロインを救うぐらいしてほしいです。
医者じゃないから病気は治せないですが、絵の才能があったヒロインのその作品なり志を表現することぐらいは出来たんじゃないかなあ。

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主人公は、現代パートでいろんな日本人と出会うけれど、それぞれほんの少しの時間でのやりとりだけ。
その後になにかつながりがあるわけでも無い。
深みもない。
日本にて電車を使った旅行パートは、そこまで重要じゃない。
そんな事より、ヒロインのためになにか行動してほしかったです。

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台湾の南国な雰囲気は感じられました。
映像の色温度が高く、尚且つ昔の思い出だから、少し粒子が荒い。


一方、現代の日本は寒い冬のお話しだからもあるのですが、色温度が低く、映像がスッキリ綺麗。
トンネルを抜けて一面に広がる雪の自然は美しかったです。


公開して僅かですが、もう上映回数も少ないです。
やけに、映画関係サイトのレビュー評価は高いのが謎です。


この監督による2年前の作品『余命10年』はヒットしました。
人生下降気味の主人公と、重病で死ぬヒロインという設定は同じですが、主人公はラストに向けて、自分が今できることを少しずつ頑張り、ちゃんと前へ進んでいました。
だから、ベタでも観ていて共感できました。
やはり主人公は、行動しないと。


●映画『余命10年』の感想〜絶望していた青年がヒロインと出会い、人生を再生するお話し

Posted by kanzaki at 2024年05月12日 11:17