●『超訳 ベーコン 未来をひらく言葉 エッセンシャル版 ディスカヴァークラシック文庫シリーズ』(佐藤けんいち 著)より
※フランシス・ベーコン (哲学者):
イギリスの哲学者です。 17世紀の科学革命を代表する人物の一人で、科学思想に大きな変革を促したといわれています。
イギリス国王ジェームズ1世の側近で、大法官まで務めました。
当時台頭してきた科学に強い関心を持ち、実験を用いた科学研究の重要性を説き、多くの著書を著しました。
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【なにごとも自分の手柄とは思わないこと】
イソップがたくみに語ったつくり話がある。
一匹のハエが戦車(チャリオット)の車軸に止まってこういうのだ。
「おお、オレはなんと大きな砂ぼこりを立てることよ!」
そのように、世の中には、うぬぼれの強い者たちがいる。
自然にそうなったり、自分よりはるかに大きな力で動いているものごとに、ほんのちょっとでも自分がかかわっていると、まるで自分の手柄かのように思い込むのである。
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自慢する者は、どうしても党派的傾向が強くなる。
というのは、すべて自慢というものは、比較の上に成り立つからだ。
高言する内容を押し通そうとするので、どうしても粗暴になりがちだ。
しかも、秘密を守れないので、結果を出すこともできない。
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【礼儀正しくすれば相手もそうせざるを得なくなる】
礼儀作法をまったく用いないのは、他人にもこちらに対して用いないように教えることになる。
また、こちらに対する尊敬の念も薄れることになる。
とくに、見知らぬ人やフォーマル意識の高い人には、礼儀作法を欠かしてはならない。
だが、礼儀作法について長々と講釈することは、退屈なばかりか、話している人の信頼性と信用を引き下げることになる。
丁重な挨拶のなかには、効果的で印象的な一節を伝えるやり方もあるので、そういうものをうまく見つけることができれば、大いに役に立つことだろう。
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どんなことでも、度を過ごすと他人をうんざりさせてしまい、自分を安っぽく見せてしまう。
他人の話にあいづちを打って気持ちを合わせるのはよいことだ。
ただし、そうするのは敬意からであって、気弱だからではないということを示さなくてはならない。
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人をほめる際に注意しなければならないのは、あまりにも完璧なお世辞にならないようにすることだ。
というのは、お世辞のうまい人は、たとえその他の点でいかに有能であろうと、嫉妬する者が、かならず不利になるようなケチをつけてくるからだ。
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【コメント】
他人の自慢話は、意外と聞くのが好きです。
多少は誇張しているでしょうが、「当事者しか経験出来ないこと」を知っているからです。
経験したからこそ感じたことは、とてもリアルです。
リアルさは極上のエンターテイメントだと思います。
そう思うのは、昨晩のNHKドラマ「岸辺露伴は動かない」の影響か・・・。
自慢話を聞くことは、岸辺露伴のスタンド「ヘブンズ・ドアー」で心の扉が開かれるようなもの。
私は、不愉快に思う人でも、最低限の礼儀はつくすようにしています。
それは、相手と同じ土俵に立ちたくないから。
自分の品位を落とす必要は無いからです。
もしかしたら相手も品位を取り戻し、お互いが歩み寄る可能性もある・・・・・ということは、そうそうありません。
それは、長年の経験からです。
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