2024年05月10日

出世するとは自由を失うこと

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●『超訳 ベーコン 未来をひらく言葉 エッセンシャル版 ディスカヴァークラシック文庫シリーズ』(佐藤けんいち 著)より


※フランシス・ベーコン (哲学者):
イギリスの哲学者です。 17世紀の科学革命を代表する人物の一人で、科学思想に大きな変革を促したといわれています。
イギリス国王ジェームズ1世の側近で、大法官まで務めました。
当時台頭してきた科学に強い関心を持ち、実験を用いた科学研究の重要性を説き、多くの著書を著しました。


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【出世するとは自由を失うこと】


高い地位にある人びとは、三重の意味で召使いである。
国家の召使いであり、名声の召使いであり、仕事の召使いである。


だから、かれらには自由がない。
自分の身体にも、行動にも、時間にも。


権力を求めて自由を失うとは、そしてまた他人を支配し、自分自身を支配する権力を失うとは、なんと奇妙なことだろうか。


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だが、立身出世を願うにあたって、善をなす権力をもつことは、間違いなく正当な目的である。
人のためになる善い考えは、実行に移されない限り、善い夢とたいした違いはないからだ。
しかも、高い地位と権力という、有利で支配的な立場がなければ、善い考えを実行することは不可能である。


よい仕事をすることが、人間の活動の目的である。
そして、それを成し遂げたという達成感が、休息を完全なものにするのである。


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【コメント】


出世しても楽にはならないですよね。
やることと責任は増えるけれど、良い面はあまり思いつきません。


現代は、出世しても管理だけではなく、プレイヤーとしても両立しなければいけないからです。


パソコンとネットの普及で、本当にその辺が加速化しました。
パソコンとネットがない時代から働いている身としては、それをモロに体感しています。


ついでに言えば、そう感じるのは「就職氷河期世代」だからでしょう。


日本は就職氷河期世代をないがしろにしたせいで、組織の構成が老年者と若者の層が厚く、本来なら現在において実権を握って行動しなければいけない人材層が薄いのです。
だから、管理職兼プレイヤーとして頑張らないといけない。


さらにここにきて、70歳まで働かないといけない感じに追い込まれてきており、ずっとロクなことの無い世代です。

Posted by kanzaki at 2024年05月10日 07:01