2024年05月09日

過度の自己愛は身を滅ぼす

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●『超訳 ベーコン 未来をひらく言葉 エッセンシャル版 ディスカヴァークラシック文庫シリーズ』(佐藤けんいち 著)より


※フランシス・ベーコン (哲学者):
イギリスの哲学者です。 17世紀の科学革命を代表する人物の一人で、科学思想に大きな変革を促したといわれています。
イギリス国王ジェームズ1世の側近で、大法官まで務めました。
当時台頭してきた科学に強い関心を持ち、実験を用いた科学研究の重要性を説き、多くの著書を著しました。


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【過度の自己愛は身を滅ぼす】


わが身のための知恵というものは、どの側面をとってみても卑劣なものだ。


それはネズミの知恵だ。
ネズミは、家が倒壊する前にかならず脱出する。


それはキツネの知恵だ。
キツネは、自分のために掘ってくれた穴から、アナグマを追い出してしまう。


それはワニの知恵だ。
ワニは、獲物をむさぼり喰う前に涙を流してみせる。


だが、特別に注意しなくてはならないのは、自分を並外れて愛する人びとは、不運なことが多いということだ。
いつも自分のために犠牲を捧げてきたのに、最後は自分自身が犠牲に捧げられてしまうのである。


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【コメント】


相手のために思い、献身する姿勢というのは美しいです。
そして、そういう人の心も美しい。
多分、静かな湖畔の波が一切立たない風景のようなのでしょう。


心の病が多い昨今。
相手を思う気持ち、自分を守る気持ち、それらのバランスが崩れた結果だと思います。
バランス、調和。


どうにも困った人がいた場合、その人の心情をよく観察してみるとよいです。
おそらく、自分を並外れて愛する人のはずですから。

Posted by kanzaki at 2024年05月09日 06:52