2004年01月19日

バカの壁

人気があるというので、「バカの壁」という本を買って読んでみました。
著者が書いたのではなく、お話ししたものを編集者が文章におこしたものでした。
それ故、話し口調の文章でしたので、とてもすんなりと読めました。
もともと、この本自体がとてもページ数が少なく、読むのに2時間も必要としませんでした。
立ち読みで十分だと思いますよ。

感想としては、いろいろな事を科学的、宗教的、政治的観点でお話ししていて、「ふむふむ、なるほど。・・・・・・それで?」という感じでした。
いろんな事実を並べて、あちこち行っているものだか、どうも結論がはっきりしない印象でした。

若い世代と筆者の世代に壁があるという事を言いたいだけなのでしょうか?
どうも「最近の若いものは・・・」という老人の言葉をちょっと威厳を持った感じ
で話しているだけにしか読めませんでした。
そんな風に思っている私に「バカの壁」というものがあるのでしょうかね。

一般大衆に向かって、すさまじく専門的なお話しで突っ込んでいくと、何を言っているのか理解してもらう事が出来ません。
だから、適度な専門知識・・・・・・「トリビアの泉」程度の、「ちょっと知ったような気分になれる」感覚で読めるのがいいのかなあ。
世間で、タイトルだけが一人歩きしているようにも思えます。
なんだかんだいって、最初から「売れるもの」を考えて出版し、そして見事に成功したものとなりました。

でも私には、感銘とか、そういう気持ちが湧き上がることはありませんでした。
きっとそれは、例え著者が偉い人で、尚且つ、理論に基づいて説明しているとは云え、民衆をランキング化して評価するのは良くないと思いました。
民衆だけじゃありません。
いろんな人を批判しています。
云いたい事は分るけれど、「あなたは、それ程の人間なのですか?」と思ってしまいました。
公衆の面前で、いろんな人を攻撃する人に、私は尊敬の念というものを持てません。
きっとそんな気持ちから、この本に嫌悪感を覚えたのかもしれません。

ほんの少し、世間で売れる秘訣みたいなものを感じ取れたのだけが、唯一の収穫でした。
・・・・・・残念。

Posted by kanzaki at 2004年01月19日 23:01
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