2008年04月04日

NHK、テレビやパソコン向けのオンデマンド有料番組配信サービス「NHKオンデマンド」を12月に開始

昨年の秋、NHKがネット配信サービスへ進出することを書きました。

●神崎のナナメ読み: NHKのネット配信事業「NHKアーカイブスオンデマンド」
http://kanzaki.sub.jp/archives/001550.html

そんなNHKのインターネットへの歩み寄りの一つとして、受信料払った人向けネットサービス「NHK+ID」がスタートしました。

●受信料払った人向けネットサービス「NHK+ID」 - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/07/news127.html

NHKは、受信料を支払っているユーザーのみ全サービスを利用できる会員制サイト「NHK+ID」を3月11日に始める。NHK主催イベントの割引チケットダウンロードや、気になる番組情報をメールで受け取るサービスなどを提供する。
利用には住所・氏名の登録が必要。登録情報から受信料を支払っているかどうかを確認し、支払っている場合は全サービスが利用可能になる。NHKが視聴者に郵送している郵便物にもIDと仮パスワードを記載。これがあれば住所などの登録は不要だ。

・NHK+ID サービス紹介
http://www.nhk.or.jp/pid/

NHK+IDサービスでは、「見逃した番組の再放送メール通知」「公開番組・イベント開催情報のメール通知」「クーポンのダウンロード」「NHK番組の先取り情報や番組制作の裏側探訪」など、さまざまなメニューを用意しています。
さらに、受信料やBSメッセージ消去に関するお手続きサービスも24時間ご利用いただけます。しかも、NHK+IDを一度ご登録いただくと、お名前や住所等を入力する必要がなくなり、NHK+IDポイントもたまります!

NHKと言いますと、受信料の不払い問題をまっ先に思い浮かべる人も多いことでしょう。
3月11日のNHK経営委員会の中で、現在、約7割とされる受信料の支払者率を「(支払い義務化など)法の助けなしに80〜85%にする」などの目標設定を要望しました。
まあ、この率を達成させる手っ取り早い方法は、WOWOWやスカパー等の衛星放送で使用されているスクランブル放送にすることだと思うのですが・・・。

ちなみに私は、ちゃんと支払っていますからね。
「風林火山」や「ちりとてちん」、そして「家族に乾杯」等、大いに楽しませてもらっていますから。
それと、小野文惠アナウンサーのファンであることは内緒です。
NHKの長い歴史の中で、顔の下半分をグレーに塗って長嶋茂雄の格好をしたり、丸刈りのカツラをかぶって磯野カツオのコスプレ等をした人は、彼女ぐらいでしょう。

●小野文惠 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E9%87%8E%E6%96%87%E6%81%B5#cite_note-2

・アナウンスルーム NHKアナウンサー 小野文恵
http://cgi4.nhk.or.jp/a-room/aroom.cgi?i=123

そんなNHKですが、テレビやパソコン向けのオンデマンド有料番組配信サービスを今年12月に開始することを正式に発表しました。

●NHKオンデマンド
http://www.nhk.or.jp/nhk-ondemand/

NHKが放送した番組を、ブロードバンド回線等を通じて、PCや高機能TV等に有料で配信するVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスです。

・「見逃し番組」サービス(放送後1週間程度の番組を配信)
毎日放送中のNHK番組から1日10〜15番組程度とニュース番組「おはよう日本」、「正午のニュース」「BS列島ニュース」「ニュース7」「ニュースウォッチ9」の5番組を、放送後1週間程度配信するサービス

・「特選ライブラリー」サービス(NHKの映像資産を配信)
過去に放送した「大河ドラマ」「朝の連続テレビ小説」などのドラマ番組や「映像の世紀」「NHKスペシャル」といった大型ドキュメンタリー番組など、NHKの映像資産(アーカイブス番組)を配信するサービス

●NHK、テレビやパソコン向けのオンデマンド有料番組配信サービスを12月に開始 - 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20080404/1008896/

NHKは2008年12月から、同社の番組を有料配信する「NHKオンデマンド」サービスを開始する。ブロードバンド接続したパソコン、もしくはVODサービスを利用可能なデジタルテレビやケーブルテレビで視聴できる。具体的な番組や利用料金については、9月ごろに明らかにする。
テレビ向け配信サービスは、アクトビラの「アクトビラ ビデオ・フル」とジュピターテレコムの「J:COM オン デマンド」に対応し、ハイビジョン品質で提供する。NHKは両社以外とも調整を行い、視聴環境を整えていく考え。
なお、同サービスは新たな設備費や回線料などが発生するため、受信料から独立した会計で運営し、サービス提供にかかる全費用を同サービスの利用料金でまかなう。

時代はやはり、オンデマンド放送へ向きつつあるのでしょうかね。
大昔、テレビは生放送でオンエアされ、視聴者もリアルタイムで観ていました。
いつしか番組は事前に収録・編集されたものを放送されるようになり、放送する内容に幅が広がりました。
一方、視聴者もビデオレコーダーを手に入れ、リアルタイムで視聴できない番組を予約録画して、後でゆっくり観る事が出来るようになりました。
ビデオレコーダーはいつしか、DVDレコーダーやハードディスクレコーダー・・・そして最近では、ブルーレイディスクレコーダーにまで進化しました。

一方、「録画する」という概念とは別に、インターネットの世界を中心に、オンデマンド放送が普及しはじめました。
視聴者は、決められた時間に放送されている番組を視聴や録画するのではなく、自分が好きな時に、ネット上にある番組をクリックして視聴するのです。

「オンデマンド」とは、正式には「ビデオ・オン・デマンド(Video On Demand,VOD)」の事で、ユーザーの見たいときにさまざまな映像コンテンツを配信するシステムのことです。
別名「電子レンタルビデオ」。

●ビデオ・オン・デマンド - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%87%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89

「Youtube」や「ニコニコ動画」もある意味、そういったジャンルに入るでしょうし、最も有名であります(放送内容は、グレーゾーンのものが多いですが)。

NHKがそういった放送に積極的に進出するのは、個人的にはうれしいですね。
やはり何だかんだ言って、スポンサーの顔色をうかがうことなく、真面目に制作された番組が多いですから。

仕事をしていると、どうしても見逃してしまう番組もありますし、いつでも好きな時に見に行けるこういった配信方法ならば、録画の煩わしさもありません。
また、携帯電話王国の日本ですから、いずれNHKも、携帯電話で気軽に視聴できるサービスに手を出すのではないでしょうか。

きっと視聴者の中には、受信料との二重取りをされるのが嫌な人もいることでしょう。
あと、天下りの温床になるのではと心配する人も。
中にはテレビを捨てて、NHKオンデマンド等のネット配信だけで楽しみたいと言う人も出てくることでしょう。

今回のサービスなのですが、NHKの受信料を支払っていない人やテレビを所有していない人でも加入できるのでしょうかね。
「受信料から独立した会計で運営し、サービス提供にかかる全費用を同サービスの利用料金でまかなう」と言っているぐらいですから、その可能性は高いです。

昨年、私が書いた記事を読みなおしてみますと、「月1,000円で見放題にする予定」「一本数百円のバラ売りもある」と書かれています。
この程度の金額で本当に済むならば、速攻で加入したいと思います。

番組の質や、放送そのものについて問われている昨今、このサービスはその答えを模索する一つのヒントになりそうです。

Posted by kanzaki at 2008年04月04日 23:22