2007年10月15日

NHKのネット配信事業「NHKアーカイブスオンデマンド」

NHKの放送受信料について、ここ数年、議論が交わし続けられています。
世の中には、テレビを見ているのに受信料を支払っていない人がいます。
今まで普通に接していた人が平然と「NHKの受信料を払っていないよ」と言うのを聞きますと、正直ひいてしまいます(そういう人に限って、やけに値段の高い車に乗っていたり、趣味にお金をかけている)。
なんと言いますか、給食費を払わない親御さんと同一視してしまいます。

NHKは安定的な収入構造を再構築する為、新しい方針を打ち出しているようです。
日経ダイヤモンドに記載されていた記事を元に、ご紹介したいと思います。

NHKの受信料は、口座振替などの場合は月額1,345円になります。
もし、BS放送も受信していれば、そこにプラス945円となります。

当初、NHKは衛星放送に対して、それほど需要を見込んでいなかったそうです。
それが予想外にヒットしたものですから、NHKとしてはウハウハでした。
しかし、BS放送の需要も一巡してしまいまして、次第に成長が鈍くなってきました。

そこでNHKは、地上、衛星と来て、今度はインターネットを使ったサービスに着手しようとしています。
しかし放送法によりますと、NHKは「受信料を基に、公共放送を提供すること」と定められており、それ以外の事業への着手は禁じられているのです。

NHKがネットサービスへ進出するには、放送法を改定しなければいけません。
NHKは官庁をはじめとして、各方面へ説得をはじめました。
そして今年、総務省は、放送法の改定案を作成しました。
国会で法案が通るかは不明ですが、いまのところ反対意見は出ていないようです。

NHKは法案が成立することを見通し、既にネット事業の専門部隊を設置し、成立してから10か月後にはネット配信事業を開始できる体制を整えているそうです。

このネット配信のコンテンツが気になりますよね。
NHKは「NHKアーカイブスオンデマンド」と言う名前を既に決めております。
開始当初は、過去半世紀にわたって放送されてきた番組の中から約1,000本ぐらいをネットで見られるようにします。
その数を順じ増やしていき、更には、地上波放送などで一週間以内に放送した番組の再配信も予定。
これにより、放送を見逃しても大丈夫。
再放送を待つ必要がありません。

「NHKアーカイブスオンデマンド」の料金ですが、月1,000円で見放題にする予定です。
また、一本数百円のバラ売りもあるとか。

NHKは内々の不祥事によって視聴者から反感を食い、受信料の支払い率が、それまでの8割から7割へ下がりました。
金額にして約500億円の減収です。
また、NHK内部では、「受信料制度が時代の感覚に合わなくなってきているのでは」と言う見方も広がっています。

現在は、NHKの番組を見ようが見まいが、テレビを持っていれば受信料を支払わなければいけません。
しかし、スカパーなどを見ても分かる通り、今は自分が見たい映像サービス、コンテンツを選び、その対価を支払うのが当たり前になってきています。
だから、NHKの受信料に疑問を持ってもおかしくありません(とは言え、テレビを見ているのに、受信料を支払っていない人を軽蔑してしまいますが)。

しかし、予定されているネット配信の場合、「見たい人だけが支払う」と言うスタンスです。
これにより、受信料制度に納得がいかない人達を引き込もうと考えています。

現在、日本の受信料は年間6,000億円にもなるそうです。
それに対してそのネット配信は、10億円規模の売上げしか見込めないと考えられています。

理由は、先行で始めた民法各局が失敗しているからです。
有料配信の需要があまり無かったそうです。

ネットの動画配信で成功しているのは、ユーチューブやニコニコ動画などの基本的に無料で利用できる、そして著作権違反スレスレなものばかりです(殆ど、著作権違反の動画と言っても良いかも)。

NHKは民法とは違った映像作風が多いです。
特に、ドキュメント系に関しては、スポンサーなど横からの意見が無いせいか、放送から何年経過しても色あせない作品が沢山あります。
それをネットと言う新しい媒体で見る事が出来るならば、ちょっと期待したいところです。

私自身も、テレビに対して懐疑的になり始めました。
懐疑的なんて言うかっこいいものじゃないかも。
ただ単に、詰まらなくなってきている、飽きてきているのかもしれません。

今でも質の高い番組は存在します。
しかし、民法のゴールデンタイムの番組を見ますと、お笑い芸人やタレントなどが集まり、内輪ウケ的に盛り上がっているだけの番組が多くなっています。

テレビから一方通行的に「これがお前らに与えてやる餌だ! さあ、食え!」と見せられている事に嫌気がさしている人も多いはず。
ネットの普及によって、テレビで配信されるものの裏側を簡単に知ることが出来たのも、その影響の理由のひとつかも。

オバ様世代は、韓流ブームも手伝って、テレビの視聴時間が多いのですが、若い人達はテレビを見なくなってきていますね。
彼ら、そして私と同年代の人達と話していても、テレビ番組が話題になることは、ほぼ皆無です。
私は以前、テレビを沢山見ていたのですが、周りにテレビ番組について話す相手がいなくなってきたら、じょじょにその熱も冷めてきました。
いくらネット上の掲示板などで語れるとは言っても、やはり現実世界で必要が無ければ、テレビとの距離が離れていくのも当たり前。
以前ですと、番組をDVD-Rに焼いて保存をしたりしていましたが、結局、焼くことで満足してしまい、後で再び見ることなんて皆無なんですよね。
どうしても見たくなったら、その時はレンタル屋で借りればいいのですから。
わざわざ所有している必要はないのかなあと感じはじめました。

そんな意識のあらわれが、当サイト、神ナナにも出始めています。
最近、エンタメ系について、あまり語っていないでしょ?
おそらく今後も、9:1の割合で、生活系やビジネス系の方に力が入ると思います。
エンタメ系は、情報を配信するのは楽だけれど、自分の考えや意見を書きにくいんですよね。
作品の中で起きている出来事と、現実の自分の生活にギャップがあるからです。

その点、生活系やビジネス系の話題は、自分の意見を書きやすい。
何せ、毎日自分が体験したり、感じたりしている事に密接しているからです。
ネタとしては地味だし、アクセス数は減るでしょうが、実は自分的には満足しています。
理由は、友人、知人などの身近な人達に評判がいいからです。
神崎には、こっちの方面の方が似合っているようです。

話しは冒頭に戻る訳ですが、私のようにテレビとの距離がだんだん遠くなってきている人間にとっても、少しはテレビ番組が役に立つ事もあるでしょう。
ネット配信の場合、自分で見たい番組を選択する権利があります。
垂れ流し的な視聴でない分、有益に鑑賞できるかもしれません。

このネット配信サービスには是非、エンタメ系だけではなく、ドキュメントやビジネス系にも力を入れて欲しいものです。
きっと、新しい視聴者層、離れていた視聴者層を獲得できるような気がします。

Posted by kanzaki at 2007年10月15日 22:24