2007年10月17日

スナフキンになりたい男たち

ここのところ、我が家は大掃除の毎日。
我が家と言いましても、私の部屋のみですが。

今、自分の部屋にある不要なものを処分しているところです。
元々、モノは少ない方だったのですが、それでも一軒家に住んでいますと、知らず知らずのうちに増えていくものです。
いわゆる、家版メタボリック症候群みたいなものでしょうか。

モノを処分して身軽になりたい。
できれば、トランク一つだけになり、いつでも旅に出られるようにしたいのです。
まあ、サラリーマンですから、スーツやらカバンやら靴やらと、いろいろなものは必要ですが、せめて仕事以外のプライベートなところは、シンプルにしたいものです。

そんな事を感じたきっかけは、2ちゃんねるのスレッド「トランクひとつだけで暮らしたい」です。
スレは消費して、いつかは消えていきますので、まとめサイトをご紹介します。
ここで過去ログなどを閲覧可能です。

●トランクひとつだけで暮らしたい @ ウィキ
http://www25.atwiki.jp/sunafukin/

家と言うのは、基本的に奥さんの趣味趣向が反映されます。
旦那さんの意見が大きく反映されるのは、数ある部屋の中でも、自分の部屋・書斎だと思います。
自分の趣味、仕事、その他どんな事を反映させてもいい。
そうすると、人によってはモノで溢れた部屋になると思います。
自分の好きなモノに囲まれての生活は、さぞかし楽しいことでしょう。

しかし男は、コレクター体質な半面、トランク一つだけで放浪するような事を夢見る生き物でもあります。
日本ならばフーテンの寅さん、アニメや絵本ですとスナフキンみたい感じ。

私はスナフキンに、非常に強い憧れを抱きます。
上記wikiに紹介されていますが、以下がスナフキン語録です。


1.ぼくは、あっちでくらしたり、こっちでくらしたりさ。
 今日はちょうどここにいただけで、明日はまたどこかへいくよ。
 テントでくらすって、いいものだぜ。きみたちは、どこかへ行くとちゅうかい?

2.自分できれいだと思うものは、なんでもぼくのものさ。
 その気になれば、世界中でもね。

3.そうだな。なんでも自分のものにして、 もって帰ろうとすると、むずかしいものなんだよ。
 ぼくは、見るだけにしてるんだ。そして、たちさるときには、
 それを頭の中へしまっておくのさ。ぼくはそれで、
 かばんを持ち歩くよりも、ずっと楽しいね。

4.それはいいテントだが、人間は、ものに執着せぬようにしなきゃな。
 すててしまえよ。小さなパンケーキ焼きの道具も。
 ぼくたちには、用のなくなった道具だもの。

5.ありがとう。でも、いまも考えたんだけどもちものをふやすということは、
 ほんとにおそろしいことですね。

 以上、トーベ・ヤンソン「ムーミン谷の彗星」からの抜粋


カッコよすぎです。
原作だと、立て札や看板が嫌いで、公園の「芝生に入るべからず」のような立て札を見ると怒って大声でどなり散らしたり、抜き捨てるといったようなヒステリックな一面もあるそうです(それはそれで面白い)。

多くの人は、アニメーション版の理知的で静かな大人というキャラがイメージに浮かぶと思います。
自由と孤独、音楽を愛する旅人。
物事を所有することを嫌う。
冬の来る前に南へ旅立ち、春の訪れとともにムーミン谷へ戻ってくる。

文芸誌「ダ・ヴィンチ」の巻頭数十ページにわたって、スナフキン一人の特集が組まれる等、今でも根強い人気です。
フーテンの寅さんもスナフキンも、放浪の旅が出来るのは、戻れる場所があるからなのでしょうね。
そこにはモノだけでなく、自分を認めてくれる人達がいる。
だから安心して旅立てるのでしょう。

今、ネットカフェに寝泊りする、いわゆる「ネットカフェ難民」の問題が世間を騒がせています。
格差社会の象徴的な存在です。
彼らも言ってみれば、スナフキンのように、所有しているモノが少ない身軽な存在です。
しかし、寅さんやスナフキンのように、将来に向かっての希望が見えません。
それはやはり、帰るべきところがないからでしょうかね。

私は今、大掃除をしていると書きましたが、あまりにも所有するものが無くなりますと、帰ってくるべき所が無くなってしまいそう。
けれど勿論、家族と言う大きな存在がいる訳ですから、モノはそれほど多くなくてもいいのです。
私が何かのきっかけで死んでしまった場合、残された人達は、故人のモノを処分するのが大変でしょう。
自分が大切にしていたものを困り顔で処分されるのは、ちょっといたたまれない。
けれど、トランクひとつに収まる程度の物量にしておけば、そのぐらいならば残された人達も大切にしてくれるかもしれません。

いろんな小説、映画、ドラマなどに、トランク一つで放浪するキャラがいるものです。
荷物が少なめで生活している人を見ると、ちょっと憧れます。
最近ですと、ドラマ「HERO」の主人公・久利生公平(演者・木村拓哉)です。
昨年放送され、つい最近も再放送されたスペシャル版の中で、彼は地方の赴任先への荷物が非常に少なかったのです(大物系の荷物は、ダンボールに詰めて宅急便で送っていたようですが)。
車輪の付いたキャリアに、身の回りのものを詰めたカバンと、趣味の釣りに使うクーラーを載せて、紐で縛っていました。
そして、その横に、縮めた釣竿を固定しています。
生活に必要なモノだけではなく、それにプラス趣味のモノを運んでいるのが良かったです。
これが人によっては、楽器だったり、絵を描く道具だったり、スポーツ用品だったりするのでしょうね。

私の場合、トランク一つに生活用品を詰め、それ以外に何を持っていくのでしょうかね。
少なくとも、ノートパソコンと絵の道具、これは必須。
後は、荷物とはちょっと違いますが、自転車です。

実は先日、ロードバイクをショップで注文しました。
本格的に長距離を移動するならば、クロスバイク、シクロクロス、フラットバーロード等の中途半端なものよりも、ロードバイクの方が良いと思いました。
ドロップハンドルですと、色んなところを握れてポジションを変えられるので、長距離に向いているのです。
この自転車、輸入されてくるのが、下手すると真冬の12月になりそうですorz
でもまあ、来年の暖かくなった頃には、すぐに旅に出られることでしょう。
ロードバイクですから、そんなに荷物を詰めません(って言うか、キャリアが付いていない。重い荷物を積んで坂道を登れるようなギア比設定ではない)。
そうすると、もっと荷物を少なくしないといけないかもしれませんね。

男ならば、誰もが憧れる放浪旅。
その旅に備えて、まずは自分の持ち物を整理しておきたいと思います。

Posted by kanzaki at 2007年10月17日 20:52