●『先に亡くなる親といい関係を築くためのアドラー心理学』(岸見一郎 著)より
※岸見一郎・・・
専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。
アドラー心理学の新しい古典となった『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』を執筆で有名。
本作は、認知症になった父親の介護について書いたものです。
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父と今ここにいることを実感できるのは、一緒に笑える時です。
一緒に笑う、笑いを共有する時、父と私の意識が指し示す方向が同じであることが実感できるからだと思います。
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過去を忘れなければ今に集中することはできません。
認知症の人の生き方はむしろ私たちにとってモデルであると考えることもできます。
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親が過去のことを覚えていないということは、過去のことを思い出す必要がないということであり、過去に何があったかはもはや問題とはせず、今、まわりの人との関係をよくしたいので、過去のことを思い出す必要がないと見ることができなす。
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「忘れてしまったことはしかたがないが、今、そしてこれからの時を大切にしたい」
これは、諦めではなく、未来に向けて生きることの決意表明と見たいのです。
そして、この父の決意表明を受けて、まわりはそれを援助することができます。
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【コメント】
認知症は、自分がなっても、親がなっても悩む家族問題です。
ともに歩んだ記憶、思い出に関わることですから。
しかし仏教的には、「今を生きる」というのが大切。
過去に執着せず、今とこれからの人間関係に集中すればいい。
そういう意味では、認知症も人生観を変える上で、ひとつの大きなターニングポイントと捉えられるのかもしれません。
頭では分かっても、やはり親との思い出が消失するのは辛いですが・・・・・・。
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