2007年10月20日

劣化する"人前力"

フリーライターの島村麻里(しまむら・まり)さんが、「劣化する"人前力"」と言うタイトルで新聞のコラムを書いていました。

「人前力」とは、人前で堂々とコミュニケーションできる力の事だそうです。
ビジネスの世界でそう表現され、近年重視されているスキルです。

島村さんは、政治、芸能、スポーツの世界で起きた最近の出来事を見るに、人前にさらされる場を乗り切る力が、明らかに劣化していると言います。

書かなくても分かると思いますが、例えば、沢尻エリカさんの映画の舞台挨拶での不機嫌な態度。
「別に」はある意味、今年の流行語大賞になっても良いほど、沢山の場で紹介されました。
人前力と言う言葉が特殊すぎるならば、それを端的に表す言葉として、この「別に」は象徴的です。

そして、朝青龍問題から若手力士の死亡等、後手後手に回る相撲協会と北の湖理事長。
別のスポーツですと、反則行為等でバッシングされている亀田ファミリー。
政治の世界ですと、突然辞任した安倍前首相。
皆さん、記者会見での対応が今ひとつで、メディアがこぞって批判をしております。

これらの人達は、その舞台挨拶や記者会見などでのお粗末な態度が、自らの「商品価値」を下げたと言えます。
島村さんは、テレビの過剰主導による社会の「劇場化」が著しい現在だからこそ、公人やそれに準じる人々には、バランス良き「人前力」が求められると〆ました。

記者会見。
もし私がそのような場所に立たされたらどうなるでしょうか。
カメラのフラッシュ、テレビカメラ用の照明、大勢の記者達の視線。
とても冷静に対応できないだろうなあ。
この記者会見の立ち振る舞いが、自分自身の進退問題につながっていると思うと、とても無理ですよ。

しかし、この人前力を見につければ、傷口を悪化させないだけでなく、世間へ自分自身の良いアピールにもなります。

調べてみたのですが、この「人前力」と言う言葉を考えたのは、大嶋利佳さんと言う起業家でした。

●Yahoo!ブログ - 大嶋利佳のプロフィール
http://blogs.yahoo.co.jp/speakingessay/

1960年生まれ。大阪芸術大学芸術学部文芸学科卒 
卒業後副手として大学勤務。その後、会社勤務等を経て
1988年第一回日本語教育能力試験に合格。
同年から日本語学校講師・ビジネス専門学校教員として
日本語教育・ビジネスマナー・パブリックスピーチおよ
び就職試験指導を担当。1997年社員研修業で独立起業、
有限会社を設立。2001年7月(株)スピーキングエッセイに改組。 
現在 螢好圈璽ングエッセイ取締役講師代表 螢Εぅ坤瀬犖槎箙峪
社団法人日本経営協会講師

・スピーキングエッセイ:企業向けビジネスマナー研修・話し方研修
http://www.speaking-essay.com/

自分自身の言いたいことを頭の中で整理する方法がスピーキングエッセイらしい。
人は他人へ伝えたい事の10分の1も伝えられないのが普通なのですから、話し方のコツを覚えるのは良いことかもしれません。

報道される側にも問題はありますが、私はそれよりも報道する側の行為が怖いです。
大抵、メディアと言うのは、目立つキャラクターを盛り上げるだけ盛り上げて、何かその人がトラブルを起こすと、一斉にバッシング。
この餌食になった人達の数は数え切れません。

ナインティナインの岡村隆史さんが、亀田大毅さんを自身のラジオで擁護しました。

●ナイナイ岡村、亀田を擁護「マスコミが追い詰めてる・・・」
http://www.oricon.co.jp/news/confidence/48965/

また、岡村は最近のマスコミの行動を痛烈に批判。
「公の場で謝れ! というのが多い。当事者同士の話し合いでもそうなるし、いちいち首相に聞いてる場合やないやろ。前は(亀田家を)スゴイ、スゴイって言うけど、今はボロカスやん」と困惑ぎみ。
相方・矢部浩之も「(亀田を)辞めさせていきよるんやもんね。愛情がないね」とバッサリ斬った。
最後には「日本人は、自分の意識を持とう、個性を持とう! ということに警鐘を鳴らしたい」と岡村が締めくくった。

これに対して感じるところは人それぞれでしょう。
私は岡村さんの意見に賛成です。
人前力が劣化していると言うよりも、メディアが暴走して、自分たちの都合の良いように行っているように思います。
テレビや活字って、「本当の事のように見える」から怖い。

手書きした原稿だと幼稚な印象を受けるのに、活字となり、ちゃんとした装丁にして本屋に陳列されると、さも凄い事が書かれているように感じます。
「幼稚だ」と思っていた事が、「とても個性的で、我々一般人には思いもつかない事だ」と言う賞賛に変わりやすいのです。

映像もそう。
例えば、「最近の女子高校生は頭が悪い」と言うテーマの特集番組を作ったとします。
街頭インタビューの映像を放映に使おうと思います。
100人中97人の女子高校生がまともな回答をしたのに、実際の放映に使われたのは、変な回答・面白い回答をした3人のみが使われるのです。
たった3%だけを放映し、「最近の女子高校生は頭が悪い」だと訴える訳です。
既に結論がある訳です。
その結論に従って撮影、編集、オンエアされるのです。
映像による結論なんて、幾らでも模造できてしまうのです。
何も考えずに見た視聴者もやはり、「最近の女子高校生は頭が悪い」と思ってしまいます。

バッシングされる方にも問題はありますが、そのバッシングを煽っているのは、我々一般人ではなくて、メディアだと言う事を認識する事が大事だと思います。
バッシングされている人に対する感情は、本当にあなたが思った事ですか?
他人の意見じゃありませんか?

「人前力」も大事ですが、報道されている事は必ず、「誰かの目(多くはマスコミ)」と言うフィルターを通した事だと認識する事も大切です。
記者会見等に立たされた人達は全てが饒舌じゃないのですから、その立たされた人達の本心と言うものを自分の考えで理解したいものです。

そういう目を養えば、例えば自分自身の仕事の中で、部下や取引先がトラブルを起こしたりミスをしたりした際、感情的にならず、ちゃんと理由を聞いて上げられるようになると思いますよ。

Posted by kanzaki at 2007年10月20日 23:45